症状別食生活
夏バテはビタミンB群で乗りきろう
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
夏バテはビタミンB群で乗りきろう
<ビタミンB1情報>
≪にんにくのスタミナの秘密はビタミンB1にあった≫
にんにくの強精作用の秘密を探る研究で、おもしろいことがわかりました。
昔からにんにくを食べるとスタミナがつくといわれます。
これには、ビタミンB1が大きく関係しています。
にんにくに含まれるビタミンB1は、アリシンという物質とくっついて、
アリチアミンという物質になっています。
アリシンというのは、にんにく特有のあのにおいの素です。
B1は余分にとると排泄されます。
ところがにんにくに含まれるアリチアミンは長く血液中にとどまり、
B1をゆっくりと離していきます。
つまりB1を無駄に排泄することなく、長時間にわたって利用できるのです。
しかも、アリチアミンは水に溶けにくく熱にも強いので
調理による損失も少ないのです。
B1不足の人には、心強い味方です。
にら、ねぎ、玉ねぎにも同様の状態のB1が含まれています。
うどんを食べるときは、ねぎをたっぷりと刻み入れるなどして
上手に利用しましょう。
≪夏バテはビタミンB群で乗りきろう≫
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、
からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
B1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。
B1だけではありません。
B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、
エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
この点を考慮して、ビタミン剤にはB群がまとめて配合されています。
ビタミン剤は疲れがたまった、いざというときの助っ人です。
食事をおろそかにしてビタミン剤に頼るのは考えものです。
B群をまんべんなく含む食べ物の優等生は、玄米や小麦全粒粉です。
ご飯やパンは毎日欠かさず食べる主食ですし、B群もとりだめのできない
ビタミンですから、主食でとるのがいちばんです。
精白した真っ白い米や小麦粉ではB群はあまり期待できません。
胚芽米や全粒粉のパンがおすすめです。
おかずでとるとすると、レバー、牛乳、卵、豚肉、鶏肉、大豆などが
B群の豊富な供給源です。
★ 効果的なとり方 ★
調理による損失は30〜50%です。
煮汁に溶け出るので汁ごと食べましょう。
野菜はぬかみそ漬けにするとB1がふえます。
★ 塩素でB1が減少 ★
水道水の消毒用塩素でB1が減少します。
米をとぐときは水道水も蒸留水も減り方は同じです。
炊くときに蒸留水を使うと損失が少ないので、炊飯にはミネラルウオーターを。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに
不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの
8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、
一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、
動脈硬化を生じることがわかっています。
「からだに効く栄養成分バイブル より」
日時:2017年7月27日 PM 04:50
【脳卒中】 高血圧と動脈硬化の進行阻止がかなめ。血管を丈夫にする栄養素も欠かさずに!
◆発作から突然死の危険大。助かっても、重い後遺症が残ることが◆
脳卒中は、脳の血管に異常が生じ、脳細胞に酸素や栄養を取り込めなくなり、
脳に重大なダメージをもたらす病気です。
「卒中(突然生じる)」という言葉が表すとおり、自覚症状がほとんどないまま、
突然、意識喪失や感覚麻痺、けいれんなどの発作にみまわれて死にいたったり、
また、命をとりとめたとしても、言語障害や半身麻痺などの重い後遺症が残るケースが
少なくありません。
脳卒中は発症のメカニズムによって、脳出血と脳梗塞に分かれます。
脳出血は、脳の細い動脈に硬化が進み、コブ状の動脈瘤ができ、それが破裂して起こります。
致死率が高い病気として知られる、くも膜下出血は、脳出血の一種です。
一方、脳梗塞は、起こり方によって脳血栓症と脳塞栓症に分かれます。
脳血栓症は脳の動脈に硬化が進み、そこに血栓がつまって血流が途絶え、
酸素と栄養を補給できなくなった細胞が壊死を起こす病気です。
脳塞栓症は、心臓などでできた血栓が血管内を流れ、それが脳の動脈につまって血流が途絶え、
酸素と栄養不足から脳細胞が壊死を起こします。
◆減塩と内臓脂肪を減らす食事量がポイント。禁煙もぜひ実行を◆
脳卒中はある日突然起こる病気ですが、発症の危険因子が重なり、
それらが体の中で静かに進行することがベースになっています。
よって、危険因子をなくしていくと、この怖い病気を予防できます。
脳出血の最大危険因子は高血圧です。
血圧が高い状態が続くと、血管に強い負担がかかり、そこに動脈瘤ができ、
血管の圧力にその瘤が耐えられなくなると、破裂して脳出血を起こします。
そのため、高血圧の放置はとても危険です。
塩分のとりすぎをひかえ、血圧を調整する食品を意識してとり、血圧を下げましょう。
脳梗塞のおもな危険因子は動脈硬化です。
動脈硬化を進めるのは、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、ストレスなど。
そのうち、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満は、メタボリック・シンドロームの危険因子と同じです。
よって、メタボリック・シンドロームと、それに関わる内臓脂肪、脂質異常、高血圧、
高血糖を予防・改善するケアが、脳梗塞の予防につながります。
摂取エネルギーを適正にし、軽めの運動を習慣化することで内臓脂肪を減らし、
体内の余分な脂肪・糖分などの排出を促す食物繊維、活性酸素を減らす抗酸化成分をとることが最も大事です。
加えて、喫煙も動脈硬化を急速に進めます。
喫煙者の脳卒中のリスクは、非喫煙者と比べて約1.7倍も高いと報告されています。
動脈硬化から起こる怖い病気を防ぐため、禁煙はぜひとも必要です。
脳出血、脳梗塞をともに予防するには、しなやかで丈夫な血管を保つこともポイントです。
それには、血管の細胞の材料となるたんぱく質を過不足なくとりましょう。
肥満を防ぐため、飽和脂肪酸の少ない良質なたんぱく質がよく、魚介、赤身の牛肉、豚肉、羊肉、
大豆・大豆製品が代表的な食品です。
なお、脳梗塞では発症の前に、一時的に軽度の発作が起こることがあります(一過性脳虚血発作)。
症状は、片方の目が一時的に見えなくなる、ろれつがまわらない、左右どちらかの顔や手足がしびれるなど。
これは大きな発作の前触れとなるサインなので、早めの受診が必要です。
「病気にならない人の食べるクスリの本 より」
日時:2015年8月31日 PM 03:31
食べ物で健康寿命が決まる
●ブラジルの短命村と長寿村のお話
≪肉ばかり食べている村では心筋梗塞とガンが急増≫
人は顔や体つきこそ違え、同じような体の機能を持って生まれてきます。
しかし、健康度や寿命は一様ではなく、年齢を重ねるにつれて、その差は鮮明になります。
健康なまま百歳の長寿をまっとうする人もいれば、40〜50代の中年期に生活習慣病の
合併症などで亡くなる人もいます。
この差はなぜ生まれるのでしょうか?
大きな要因のひとつは、何をどう食べているか、です。
私たちの体は、細胞や血液が新しいものにつくり変えられることで、日々変化しています。
そのもとになるのが、“食べ物”です。
食生活の内容によって、人は健康にも、不健康にもなります。
そのことを物語る、面白いエピソードを紹介しましょう。
ブラジル南部のポルトアレグレ郊外に、20世紀前半に当地に移民した日本人が築いた村があり、
その子孫たちが暮らしています。
そこから車で数時間のところには同時期にイタリア移民が築いた村があり、
イタリア系の人たちが暮らしています。
2つの村は気候も土壌も同じような環境ですが、ひとつ、まったく異なる点があります。
それは“食生活”です。日系人の村では、移民当時から肉をたくさん食べる現地の食習慣になじみ、
動物性脂肪中心の食生活を送っています。
一方、イタリア系の村では、移民当時から自国の食文化を守り、トマトやルッコラなどの
野菜をたくさん栽培したり、イタリアから携えたブドウの木を植えて赤ワインを醸造したり、
自家製チーズを作ったりして、日々の食事にあてています。
この食生活の違いが、2つの村の健康度と寿命をはっきり分けています。
日系人の村では、中年期に心筋梗塞やガンになる人が多く、50〜60代で人生の幕を閉じていきます。
イタリア系の村では、健康なまま高年期を迎える人が多く、人生を謳歌しながら
80代や90代の長寿をまっとうしています。
日本は「寿命が長い国」として知られていますが、このエピソードが示すように、
民族固有の体質が長寿をもたらすのではなく、毎日の食生活が決定的なカギを握っています。
健康寿命を延ばすには、何をどう食べるかを知り、習慣化することがいちばんです。
“病気にならない”食生活を身につけることは、人生を楽しく、幸せに生き、長寿をまっとうする
大きなベースになるのです。
★ 健康寿命
平均寿命から重いケガや病気、要介護などの障害機関を差し引いた年数、
つまり、健康に暮らせる機関を指します。
2000年からWHO(世界保健機関)が、約200カ国を調査対象に「健康寿命世界ランキング」を
発表しており、日本はそのトップに位置しています。
しかし、日本の健康寿命と平均寿命との間には7年の差があり、それは要介護などの健康でない
期間の長さを表しています。
また、糖尿病、高血圧、糖質異常症、ガンなどの生活習慣病が急増していることから、
日本人の健康寿命は今後、急落するとの予想もあります。
★ 動物性脂肪
肉類やバターなどに含まれる脂肪を指し、脂肪酸の種類としては、飽和脂肪酸が多く含まれます。
飽和脂肪酸をとりすぎると、血中のコレステロールや中性脂肪が増え、
脂質異常やメタボリック・シンドローム、血管の老化である動脈硬化を進行させます。
健康を守るためには、とりすぎをひかえるほうがいい栄養素です。
「病気にならない人の食べるクスリの本 より」
日時:2015年8月30日 PM 04:01
気分の落ち込みとやる気の喪失の原因
気分というのは、心の持ち方だけで決まらないこともあるのです。
そこで「脳の生化学」からのアプローチが重要になってきます。
脳を最適な栄養状態にすると、気分が向上するだけでなく、元気になるし、
人生を変えるんだという気概も出てきます。
数人のカウンセラーによると、クライアントが脳の栄養状態を改善し、
脳をチューンナップするようにカウンセンリングすると、
芳しい結果が得られることが多いといいます。
脳の生化学という面から見たとき、気分が落ち込み、やる気を失いやすくなるのは、
つぎの三つのケースです。
・血糖値の乱高下
・栄養素の不足(ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、必須脂肪酸)
・トリプトファンやチロシンの不足
第一の要因は、血糖値が安定しないことです。
血糖値を安定させるよい方法は、魚介類や肉類などのタンパク質、玄米、野菜類、海藻類など
食物繊維を多く含んだ食品を食べること、マルチビタミンを摂取することです。
それから、インスリンの働きを助けるクロムは、酵母、ウシのレバー、ジャガイモ、小麦胚芽、
ピーマン、リンゴに多く含まれるので積極的に食べるとよいです。
そして気分を向上させるのに効果的な栄養素として、ナイアシン、B6、葉酸、B12、C、亜鉛、
マグネシウム、必須脂肪酸をあげることができます。
ナイアシン、B6、葉酸は、メタンに相当するメチル基を移動させるメチル化を進める酵素を助けます。
このメチル化は、脳内の重要な伝達物質ドーパミンやノルアドレナリンをつくるのに欠かせません。
ドーパミンは快感を発生させる物質であり、ノルアドレナリンはやる気を発生させる物質ですから、
ナイアシン、B6、葉酸がどれほど大切かは容易に理解できます。
ロンドンにあるキングスカレッジの研究者は、葉酸レベルの低い、あるいはやや低めのうつ患者に
抗うつ薬と葉酸を併用してもらうと、うつからの回復が劇的に早まることを報告しました。
この研究で、うつやその他の心の病に苦しむ患者の3分の1が葉酸不足であることも明らかになりました。
別の研究では、ビタミンCの摂取でうつからの回復が早まることもわかっています。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
日時:2015年8月17日 PM 03:16
病気にならない食べ物・食べ方 ●こう食べると健康寿命はのびる!?
≪免疫力は毎日の食事でぐんぐんアップできる!≫
健康寿命をのばせるかどうかは、病気をいかに予防するかで決まります。
病気にならないと、元気で活動できる期間が増え、人生の楽しみもより広がります。
ガンなどの大きな病気を予防することも大切ですが、かぜやインフルエンザなどの感染症を防ぐことも大事です。
感染症にかかりやすい人は、病気に対する抵抗力が弱いことが多く、ガンなどの大きな病気になるリスクも高くなり、
健康寿命は短くなりがちです。
逆に、感染症にかかりにくい人は、病気に対する抵抗力、つまり免疫力が高いため、ほかの病気にもなりにくく、
健康寿命をのばせます。
免疫力は人の体にそなわっているものですが、その人の生活習慣によって、弱くも強くもなります。
それに大きな影響を与えるのが、食べ物と食べ方です。
私たちの体は、食事から摂取した栄養で日々つくり変えられています。
古い細胞が新しい細胞に入れ替わり、その新しい細胞が機能するエネルギーがあると、
“免疫力が高い”状態になり、病気を防ぎやすくなります。
毎日の食事を見直し、きちんとしたものに改善することで、免疫力はぐんぐんアップします。
≪免疫力をアップする食生活≫
長年の食習慣を変えるのは、なかなかたいへんですが、できることからはじめてみましょう。
病気になりにくい体がつくれ、毎日を健康で快適に暮らせ、人生の充実度もアップします!
★ どう食べる?
●肥満しない食事量を守る
肥満していると、増えすぎた肥満細胞から生体機能を乱すホルモンが過剰に分泌され、
生活習慣病など多くの病気の原因となります。
健康で長生きするためには、標準体重をキープするのがいちばんです。
<標準体重をキープするための1日の適正エネルギー摂取量の求め方>
標準体重( )kg × 身体活動量( )kcal/kg = 1日のエネルギー摂取量( )kcal
標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22.0
身体活動量は、以下の3つからあてはまるものを選びます。
・軽労作(デスクワークがおもな人、主婦など) : 25〜30kcal/kg
・普通の労作(立ち仕事が多い職業) : 30〜35kcal/kg
・重い労作(力仕事が多い職業) : 35〜kcal/kg
●食事リズムをととのえる
食事の間隔があきすぎると、代謝がにぶり、ホルモンや消化液の分泌が乱れがちになります。
病気を防ぐには、1日3食を毎日同じ時間帯にとるのがベストです。
とくに、朝食ぬきは免疫力を低下させます。
簡単なものでもいいので、必ずとりましょう。
●よく噛んで食べる
咀嚼力と免疫力は深く関係しています。
よく噛む習慣がある民族は、あご・のどが発達しており、感染症にかかりにくく、生活習慣病も少ないです。
また、よく噛んで食べると、満腹中枢がスムーズに働き、肥満の予防・改善に効果的です。
★ 何を食べる?
●栄養バランスをとる
食べ物からとる栄養成分は、古い細胞が新しい細胞に入れ替わるための材料となり、
さらに、その細胞が機能するためのエネルギーとなります。
それらをスムーズに行うには、特定の成分だけでは足りず、いろいろな成分が必要です。
「栄養バランスが大切」といわれるのは、このためです。
食べ物をバランスよく食べることは、適正エネルギー量を守って標準体重をキープするのと同じくらい大事です。
●免疫力をアップさせる栄養成分をとる
食べ物のなかには、免疫力を高める成分が豊富な食材があります。
適正エネルギー量を守り、栄養バランスをととのえるなかで、それらの食材を上手に活用すると、
免疫力はますますアップします。
●自分の体に合う食べ物を活用する
体質・体調・ライフスタイル・年齢などに応じて、体に合う食べ物は少しずつ変わってきます。
誰にも有効な免疫力アップ法にプラスして、テーラーメイドの方法を知って実行すると、
いっそう病気になりにくい体がつくれます。
「病気にならない人の食べるクスリの本 より」
日時:2015年5月10日 PM 04:27
年代別 いい食べ物&いい食べ方●高年期を笑顔で元気にすごすために
≪中年期から健康状態に個人差がではじめる≫
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、
65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
その個人差は、何をどう食べてきたかを反映する鏡のようなものです。
きちんとした食生活を続けることが、病気にならずに元気に暮らせるカギとなります。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、
病気予防がいっそうアップします。
下記に要点をまとめているので、できることから始めましょう。
また、健康状態は心のあり方とも密接に関係しています。
とくに老年以降、「毎日何をしたらいいのかわからない」というような、
精神的な活動低下があると、体の機能も低下してきます。
高齢になってもハツラツと毎日を過ごせるように、長く続けられる趣味や仕事など
“元気の秘訣”を早い時期にみつけておくことも大切です。
★ 年をとるほど栄養価の高い食事に
高齢になるにつれ、基礎代謝や活動量は低下しがちです。
体を動かす機会が少ない人は、摂取エネルギーを少しひかえめにし、肥満しない量にすることが大事です。
ただしその場合も、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの必要量はさほど変わらないので、
炭水化物(ごはんなどの主食)と脂質(油脂)を少し減らして調整します。
つまり、高齢になるほど、低カロリーで栄養成分が多い食品(=栄養価が高い食品)を
増やしていくのが、健康の秘訣です。
≪年代別の食生活アドバイス≫
★ 中年期
【40〜54歳】
メタボリック・シンドローム、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病によって動脈硬化が進行しやすい年代です。
加えて、ガン化した細胞が生じて、発ガンの芽ができやすい時期でもあります。
この年代に、病気にならない体づくりを行っておくことが大事です。
・ 油断していると一気に内臓脂肪がたまりやすくなります。肥満はいろいろな病気の温床です。
過食とお酒の飲みすぎに気をつけ、標準体重をキープしましょう。
・ 動脈硬化の進行とガンの発症を防ぐため、抗酸化成分を積極的にとります。
・ 働き盛りの年代のため、疲労とストレスがたまりがちです。できるだけ休養をとり、
疲れとストレスをためないようにしましょう。
【55〜64歳】
40〜54歳の食生活の成果やツケが現れる年代です。食生活が適切であれば、肥満もなく、
年齢より若く見え、毎日を元気に過ごせます。
一方、過食や偏食のツケが現れた場合は、生活習慣病を発症しています。
また、40〜54歳にガン細胞ができ、それが増殖していると、ガンの発症が確認されます。
・ 肥満がなく、病気もない場合は、今までの食生活を継続します。
定年などにともなって体を動かす機会が減った場合は、1日の摂取エネルギー量を減らし、
肥満しないよう注意してください。
・ 糖尿病、脂質異常症、高血圧など生活習慣病の人は、それらの進行を抑える食生活を心がけます。
とくに大切なのは、減塩と食物繊維をきちんととることです。
・ 女性は、女性ホルモンが減少することで、体調の変化が起こりやすくなります。
予防には、女性ホルモンと同様の働きをする大豆イソフラボンの摂取が効果的です。
★ 高年期
【65〜74歳】
中年期の食生活の結果がはっきり現れる年代です。きちんとしていれば、
肥満がなく、ハツラツとしています。
逆に、過食や偏食が続いていると、腎臓病など内蔵機能の障害が起こりやすくなります。
また、中年期に発症した生活習慣病のケアをおこたっていると、合併症のリスクも増しています。
加えて、この年代は生活環境の変化も多く、たとえば、ひとり暮らしになった場合、
それまで自炊習慣のない人は、栄養のバランスを崩しがちです。元気な人も、この点に気をつけましょう。
・ 肥満や病気がない場合は、今までの食生活を継続します。
体の活動量に応じて1日の摂取エネルギー量を調整し、肥満しないよう注意してください。
・ 病気を発症している場合は、主治医や管理栄養士などの指示に応じて、
病気の進行や合併症を防ぐ食生活を心がけます。
・ 骨粗しょう症の予防のため、カルシウムや大豆イソフラボン、ビタミンDやビタミンKが
不足しないよう摂取します。
・ 高齢者に不足しがちな栄養成分であるたんぱく質、ビタミンB1、ミネラルを意識して摂取します。
【75歳以上】
この年代になると、個人差がよりはっきり分かれます。
元気でハツラツとしているケースと、病気をいくつか抱えたり、認知症が進んだりしているケースです。
また、歯が不自由になることで食生活に変化が起こりやすくなるので注意しましょう。
・ 元気であっても、基礎代謝量や消化機能は低下しやすいので、摂取エネルギー量を調整し、
低カロリーで栄養成分が多い食品を選びましょう。
・ 病気を発症している場合は、主治医や管理栄養士などの指示に応じて、
病気の進行や合併症を防ぐ食生活を心がけます。
・ 高齢になるにつれ、体の水分が不足しやすいので、水分をこまめに補給します。
・ 歯を治療して“よく噛める”状態を保つことも、健康寿命をのばすポイントです。
「病気にならない人の食べるクスリの本 より」
日時:2015年5月 6日 PM 02:43