ビタミンB12高用量配合のサプリメント


脳梗塞の予防・対策、後遺症にサプリメント ビタミンB12のリブラ



リブラまとめ買いチャンス

資料・サンプル請求

ご注文方法

ブログ 縁処日記

ごあいさつ

 世の中にはさまざまな健康法があります。
 闇雲に信じるのではなく、自分に適したもの、自分でできるものから取り組んでみてはいかがでしょうか。

続きを読む

サプリメント

健康食品

認知症

脳を鍛える読書の効果

2020.4.13.jpg

アメリカの大学の研究者らが、学生を対象に、本を読むことで脳にどんな反応が起きるか調べた研究があります。

論文によると、脳の活動に関係する血液の流れを5日間測定したあとで、翌日から長い小説を9日かけて読んだもらい、読書期間中も同じ検査を行いました。9日後に小説を読み終えると、そこからさらに5日間、検査を続けます。つまり、19日連続で検査したことになります。

すると、読書している期間だけでなく、読み終わって数日たっても、脳の言語、記憶、聴覚をつかさどる部分が活発に活動していることがわかりました。

 

 

脳を鍛える読書の効果

 

成人のなかでも高齢層の勉強というと、

脳を刺激するためのトレーニングを思い浮かべる人がいるかもしれません。

パズル、計算、クイズ、ゲームソフトなどさまざまな製品が開発されていて、

かなりのブームになっています。

しかし、これらのトレーニング法の効果については否定的な専門家が少なくありません。

 

イギリスでは1万人以上が参加して、思考力、記憶力、認知機能をきたえる

とうたうコンピューターゲームの効果を調べる実験が行われました。

けれども、トレーニングを6週間続けても脳の機能に変化はなく、

トレーニングの回数を変えても結果は同じでした。

 

この研究を実施した研究者らは、単純作業を繰り返す脳のトレーニングに取り組むよりも、

本を読む、絵を描く、人に会うなどの創造的な生活を送るほうが有効だろうと述べています。

これらは、いずれも「勉強」と「新しい経験」が求められる行為であり、

だからこそ長生きにつながる可能性があるのです。

 

読書については、アメリカの大学の研究者らが、学生を対象に、

本を読むことで脳にどんな反応が起きるか調べた研究があります。

2013年に発表された論文によると、

脳の活動に関係する血液の流れを5日間測定したあとで、

翌日から長い小説を9日かけて読んだもらい、

読書期間中も同じ検査を行いました。

9日後に小説を読み終えると、そこからさらに5日間、検査を続けます。

つまり、19日連続で検査したことになります。

 

すると、読書している期間だけでなく、読み終わって数日たっても、

脳の言語、記憶、聴覚をつかさどる部分が活発に活動していることがわかりました。

研究者らは、このとき「意味の具現化」が行われているのではないかと考えています。

難しそうな言葉が出てきましたが、たとえば、

約束の時間に遅れそうな場面を想像してください。

 

こんな時に限って信号がなかなか変わらず、血の気が引く思いがする。

大事な書類を忘れずに持ってきただろうか?

立ち止まって必死で確認しながら時計を見ると、

うわあ、あと7分しかない!……

こんな状況を想像するだけで冷や汗が出て、

胃が冷たくなるような気がするでしょう。

これが「意味の具現化」で、文字を目で追っているだけなのに、

実際に体験しているときと同じような反応が脳で起きることをいいます。

 

本を夢中で読んでいると、次第に登場人物になりかわって

自分が行動しているように感じることがあります。

この感覚は脳がフィクションと現実を混同することで起こります。

先ほどの研究では、読書を終えて5日たっても脳の反応が続いていました。

読書は「意味の具現化」を通じて、脳に長く影響をあたえるのです。

 

大切なのは、その場面を脳でありありと思い浮かべることなので、

漫画や、さし絵がたくさん入った本は適していないと思います。

速くたくさん読む必要もありません。

自分のペースで、周囲のものごとが耳に入らないくらい、

本の内容に集中して読んでください。

「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

 

寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、

やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という

神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、

さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、

簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、

ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、

ドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な

糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、

神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも

原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、

からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの

栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、

動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

日時:2020年4月13日 PM 04:54
卵には「若返りに必要なすべての栄養素」が揃っている

2019.7.24.jpg

卵が優秀な理由は、主に2つあります。

1つは良質なタンパク質と、吸収効率のよいヘム鉄、亜鉛が豊富なこと。タンパク質とヘム鉄、亜鉛はうるおい成分の合成に欠かせません。

もう1つは、さらに重要なのですが、ビタミンB群が多いこと。ビタミンB群が豊富だと新陳代謝が活発になります。新陳代謝が活発になるとダイエット効果が高まります。

逆に、ビタミンB群が不足すると老化が進み、疲れやすくなったり、めまいや頭痛の原因にもなるのです。

卵はコレステロールの多い食品ですが、このコレステロールは肌のうるおいをキープするうえで重要な役割を果たします。

 

卵には「若返りに必要なすべての栄養素」が揃っている

 

実年齢を若く見せる秘訣――それは、1日1個卵を食べることです。

これだけで、衰えてきた肌が一気に若返ります。

卵は衰えた肌を若返らせるために最も有効な食材なのです。

30歳をすぎると、うるおい成分が減るため、肌が乾燥したり、

シワ、たるみができたりと、何かと肌トラブルが起こりやすくなります。

また、基礎代謝と新陳代謝の両方が低下するため、

20代の頃と比べると、格段に太りやすくなります。

そうした肌の衰えを抑え、体を若返らせてくれるすごい食材が卵なのです。

 

若返りするうえで、必須の栄養素があります。

それは、良質なタンパク質、ヘム鉄、亜鉛、ビタミンB群です。

じつは、これらの若返りに必須のすべての栄養素が揃っているのは、

世界中の食材を探しても卵だけなのです。

卵が、体を若返らせるすごい食材だということがおわかりいただけましたか?

 

卵が優秀な理由は、主に2つあります。

1つは良質なタンパク質と、吸収効率のよいヘム鉄、亜鉛が豊富なこと。

タンパク質とヘム鉄、亜鉛はうるおい成分の合成に欠かせません。

もう1つは、さらに重要なのですが、ビタミンB群が多いこと。

ビタミンB群が豊富だと新陳代謝が活発になります。

新陳代謝が活発になるとダイエット効果が高まります。

逆に、ビタミンB群が不足すると老化が進み、

疲れやすくなったり、めまいや頭痛の原因にもなるのです。

卵はコレステロールの多い食品ですが、このコレステロールは

肌のうるおいをキープするうえで重要な役割を果たします。

 

とはいえ、卵を毎日食べるのは食べすぎです。

卵は1週間に7個ではなく、6個ぐらいが若返りに最適な量です。

卵の食べ方は、卵焼きや目玉焼きといったシンプルな料理がおすすめです。

なぜなら、卵の食べすぎを防げるからです。

卵を使った料理には、オムライスやチーズオムレツなどがあります。

たとえは、オムライスの場合、ケチャップやご飯、

チーズオムレツの場合、チーズといったように、

卵以外の食材や調味料から余計なカロリーを取ってしまうことになります。

卵焼きや目玉焼きのようにシンプルな料理であれば、

余分なカロリー摂取を防ぐことができるからです。

 

食べるタイミングは夕食がおすすめです。

なぜなら、うるおい成分が合成されるのは、就寝中だからです。

卵の栄養が、うるおい成分の合成を助けるわけです。

「食べれば食べるほど若くなる法 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

 

物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリン。

このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。

ビタミンB12は、アセチルコリンを活性化して神経伝達をスムーズに行う働きをもっています。

 

また、アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、

アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンは、とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、

神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

「脳の栄養素」と呼ばれるレシチンを多く含んでいる食品の代表は「卵黄」です。

 

老人の認知症の3割〜5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、

核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

日時:2019年7月24日 PM 04:21
脳も体も健康で長生きできるかどうかは、10の生活習慣で決まる

2018.3.8.jpg

家族に心臓疾患やがんになった人がいて、自分もそのような資質を持っていたとしても、生活習慣でそうした病気にならずにすむことは可能です。

脳の働きについても、生まれつき、遺伝がかかわっていることは確かです。しかし、脳は、その使い方次第でいくらでも力を発揮するようにできるのです。

体の健康を維持して脳がフルに力を発揮できるような土台を整え、頭を使う生活を習慣にすることで可能になります。科学的な根拠をもとにして、具体的にどのような生活を心がければいいのかを、誰でもできる10の基本を、挙げておきましょう。

 

 

脳も体も健康で長生きできるかどうかは、10の生活習慣で決まる

 

遺伝的な要素で、男に生まれるか、女に生まれるかのように、

生まれつき絶対に自分の力では変えられないこともあります。

しかし、家族に心臓疾患やがんになった人がいて、

自分もそのような資質を持っていたとしても、

生活習慣でそうした病気にならずにすむことは可能です。

脳の働きについても、生まれつき、遺伝がかかわっていることは確かです。

しかし、凡人であっても、レオナルド・ダ・ヴィンチやアインシュタイン

などのような天才になることはできないとしても、その使い方次第で、

脳はいくらでも力を発揮するようにできるのです。

体の健康を維持して脳がフルに力を発揮できるような土台を整え、

頭を使う生活を習慣にすることで可能になります。

科学的な根拠をもとにして、具体的にどのような生活を心がければいいのかを、

誰でもできる10の基本を、挙げておきましょう。



1. 週に2〜3回以上、1回30分以上運動をする

若くて体力がある方なら、できれば自分のペースでのジョギングがおすすめですが、

速歩でも充分です。

健康な人なら50代までは、腹筋、背筋などの筋力運動も織り交ぜるようにしてください。

高齢な方は無理は禁物です。

軽い農作業や趣味として庭仕事や家庭菜園などをすれば、筋力も使います。

有酸素運動として、手軽なのはウォーキングです。

できれば毎日30分以上は歩くようにしましょう。

年齢次第ですが、無理して早く歩かなくても、自分のペースで散歩でいいのです。

運動不足の30〜40代の方は、とりあえず、

速歩でのウォーキングからはじめるのがベストです。



2. 食生活のバランスに気をつけ、食べ過ぎない

バランスも大事ですが、もう一つ指摘しておきたいのは、

食べ過ぎないようにすることです。

昔から「腹八分目」と、多少もの足りない程度が健康にいいといわれてきました。

動物実験では、食事制限をすることで寿命が延びることが報告されています。

さらに最近では、空腹のときに出る消化管ホルモンである「グレリン」が出ると、

脳に作用して、脳の働きがよくなるということも報告されています。



3. ストレスをうまく受け流す

人間生きている限り、日々、いろいろなストレスを受けざるを得ません。

同じようにストレスを受けても、それほどこたえない人と、

いつまでも悩み続けたりする人がいます。

楽観的で、あまり悩まない人はそれだけトクをしていることになるのでしょうね。

気持ちのもち方生活習慣で、ストレスをうまく処理することはできるのです。

散歩や運動、趣味などで気分転換をはかったり、

ある人との関係がストレスのもとになっているのならば、

その人となるべく距離をあけるといった方法をとることです。

そうはいっても、自分ではどうにもできない状況というものもあるでしょう。

そんなときは、自分がちょっと変わればいいのではないでしょうか。

神経質な人は、人や状況にとらわれすぎて振り回されることで

ストレスが大きくなるのですから、

多少自分勝手に振る舞うといったことも必要です。



4. 人とのコミュニケーションのある生活

仕事をしていれば必然的に日常的に脳を使います。

しかし、定年退職して現役を退いたとたんに、それまで仕事以外のつき合いが

他にない人は、人間関係がさらにそれまで仕事一筋で家族との会話も少なかった

となると、一日中家にいても家族との会話もほとんどないことになります。

それでは、脳の老化を招き、認知症への道を歩むことにもなりかねません。

もっとも大切なのは家族との会話です。

夫婦や親子の間は、リラックスして話ができます。

それが脳にとってもいいのです。

さらに、趣味などのサークル活動を広げて、近所の人たちなどとのつき合い、

コミュニケーションをはかることも大切です。
 

5. 好奇心を持って、新たなことに挑戦する

6. 学習習慣を続ければ記憶力は保たれる

7. 目標をもつ

 

8. 自分に報酬を与える

報酬を期待することで、ドーパミン神経が活発になるのです。

これを活用して、脳が活発に働くようにすればいいのです。

人から、あるいは社会から報酬が与えられないならば、何かを達成したら、

自分で自分に報酬を与えて、モチベーションを高めるというのも一つの方法です。

人間は叱られたりけなされたりしたら、やる気が起こりません。

怒ればノルアドレナリン、アドレナリンが出て、

精神的にだけでなく体にも悪影響を及ぼしかねません。

できれば、つねに自分の気持ちをいい状態にもっていって、

やる気が起こり、脳も活性化するようにしましょう。



9. 本を読む習慣を維持する

言語野が活動しますし、それだけでなく脳の各部位が活動します。

言語は脳の活動の基本です。この基本能力を維持することは、

脳の基礎体力の維持につながります。

 

10. 意識的に段取りをする

たとえば、料理をするには、まず、野菜や肉を切って、

それを煮たり炒めたりして、味付けをする。

さらに、それをしながら、別の料理の準備をするといったように、

段取りが必要です。

料理に慣れている女性(もちろん男性でもそういう人はいますが)ならば、

それほど意識しなくても順番どおり、段取りよくできますね。

日常的な仕事であれば、女性が料理をするように、それほど意識しなくても、

能率的にこなしているでしょう。

何でも慣れればあまり意識せずにうまくできるようになりますが、

それは脳のシナプス(神経細胞と神経細胞の間)のつながりがよくなって

その段取りが脳の中に組み込まれていて素早く反応するようになっているのです。

そのとき、脳は省力化するようになっています。

しかし、複雑なことや新しい仕事をする、新しい料理をつくるとなれば、

意識的に段取りを考えなければなりません。

それが脳にとってはいいことなのです。

ときには脳に負担を与える必要もあるのです。

そして、その新たなことに慣れれば、それほど意識しなくても

素早くできるようになります。

 

ほかに脳にいい生活習慣としては、同じ睡眠時間であれば、

早寝早起きのほうが、食事も規則的になり、健康にはいいので、

朝型の規則正しい生活のほうが脳にいいことはいうまでもありません。

睡眠時間については、かなり個人差があります。

人によって眠りの深さが違いますから、

短時間でも深い睡眠がとれればそれでいいのです。

時間にこだわる必要はありません。

「いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 より」

日時:2018年3月 8日 PM 03:07
【食事認トレ8】「外食比率低減トレーニング」で減塩を楽しむ

2017.11.12.jpg

塩分のとり過ぎは高血圧を引き寄せ、血管の状態を悪化させて認知症発症の危険性をも引き上げてしまいます。

外食ではなく自宅で料理をする比率を増やし、外食をするときにもできれば「和食」か「和食に近いもの」を食べる頻度を多くすることで、病的な高血圧に陥るのをできる範囲で防いでいきましょう。注文する料理も、できるだけ味付けが薄めのものを頼むようにすると、「ちりも積もれば山となる」で、長期的には大きな違いを生むはずです。

みんなでワイワイと楽しく料理をつくったり、料理を持ち寄り楽しみながら複数で食事をするなど工夫をすることで、コミュニケーションの機会も増え、外食の比率を減らしながら効率的に認知症予防ができるでしょう。

 

【食事認トレ8】「外食比率低減トレーニング」で減塩を楽しむ

 

■外食は塩分過多で高血圧になりやすい

どうも高齢の方ほど、食事を外食で済ませる機会が多くなるようです。

 

ファミリーレストランやお寿司屋さん、ラーメン屋さんといった

店舗で食べる食事はもちろん、コンビニエンスストアやお弁当、

高齢者向けの配食サービスなど、近年は外食の選択肢が増え、

質もよくなって大変便利になっています。

そうしたサービスを利用する高齢者が増えているのは、

ある意味当然の事なのかもしれません。

 

また、ときには自分で料理をつくるのが面倒になることもあるでしょうから、

そういうときにスポット的にこうしたサービスを利用するのは、

脳に新しい刺激を与えると言う意味でも決して悪いことではないでしょう。

 

しかし、これらの外食や弁当、あるいは配食サービスなどでは、

濃い味付けがなされているものです。

濃い味付けの背後には、通常、過剰な塩分が存在していますから、

毎食ほぼすべての食事をこれらの外食で済ますというのだけは、

可能な限り避ける必要があります。

 

塩分のとり過ぎは高血圧を引き寄せ、血管の状態を悪化させて

認知症発症の危険性をも引き上げてしまいます。

 

外食ではなく自宅で料理をする比率を増やし、

外食をするときにもできれば「和食」か「和食に近いもの」を食べる頻度を

多くすることで、病的な高血圧に陥るのをできる範囲で防いでいきましょう。

注文する料理も、できるだけ味付けが薄めのものを頼むようにすると、

「ちりも積もれば山となる」で、長期的には大きな違いを生むはずです。

 

高齢になるとただでさえ高血圧気味になります。

ですから、歳を多く重ねている人ほどこの点に気をつけてください。

 

■みんなでワイワイ料理したり、食べたりする「食楽」を意識して

では、効果的に手料理の比率を増やし、逆に外食の比率を減らすためには、

どうすればよいのでしょうか?

 

ひとつの方法として、日々の料理の機会を社会的な活動を行う

シチュエーションとして活用していく「食楽」という考え方を提案します。

 

つまり、誰かひとりが黙々と料理をつくり、

他の家族もそれを日課として食べるのではなくて、

家族なら夫婦が協力をして、

あるいはお孫さんに家族伝統の味を教えながら、

みんなでワイワイと楽しく料理をつくる工夫をするのです。

もちろん気の合う友人同士で休日に料理を持ち寄り、

お茶会やディナーパーティーをするなんて方法でもかまいません。

 

このように楽しみながら複数で料理や食事をするようにすれば、

コミュニケーションの機会も増え、

外食の比率を減らしながら効率的に認知症予防ができるでしょう。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2017年11月12日 PM 04:52
【食事認トレ7】昼間は糖分を補給できる「朝晩の砂糖カット」

2017.11.10.jpg

血糖値には「暁現象」と呼ばれる数値の日内変動があり、夜中の3〜4時ごろから分泌量が増える成長ホルモンの影響を受け、明け方にかけて次第に血糖値が上がっていきます。これを受けて、血糖値が高くなりすぎないように抑えるインスリンが、午前4〜8時ごろに多く分泌されます。インスリンは血液中の余分な糖分を脂肪に変えて血糖値を下げるために、この時間帯に甘いものを食べると、肥満やメタボなどの生活習慣病になりやすくなって、間接的に認知症も引き寄せてしまうのです。

また、夕方6時ごろから深夜2時くらいにかけて、食物から脂質を取り込んで脂肪として溜め込みやすくする「ビーマル1」というタンパク質が、多く合成されます。このビーマル1は、要するに「太りやすくするタンパク質」です。ですからこの時間帯に甘いものや炭水化物などの糖質を摂ると、昼間に比べて脂肪が溜まりやすいということです。

 

【食事認トレ7】昼間は糖分を補給できる「朝晩の砂糖カット」

 

■朝のコーヒーはブラックで

スイーツなどの甘いものを食べすぎると、血糖値を急激に上げてしまいます。

これは糖尿病発症のリスク要因ですから、糖尿病予防と同時に

認知症の危険をも遠ざけるため、日ごろからある程度は甘いものを

食べ過ぎないよう注意しないといけません。

 

とはいえ甘いものを完全に断つ必要はまったくありません

甘いものには、疲労して血液中のブドウ糖が減少しすぎたときに、

即効的にエネルギーを補給することができるという利点があり、

それによってストレスを効率よく発散することもできます。

 

そもそも甘くておいしいので、完全に断ってしまうと

食事の楽しみの要素が少なくなってしまいます。

これは認知症予防にもマイナスです。

 

問題なのは食べ方です。

食べ方を多少工夫しさえすれば、あまりに過剰でなければ、

適度に甘いものを食べることは認知症予防の観点からも問題はないでしょう。

 

では、どんな工夫をすればよいのかというと、

甘いものを食べてはいけない時間帯には、

食べないようにすればよいだけです。

 

血糖値には「暁現象」と呼ばれる数値の日内変動があり、

夜中の3〜4時ごろから分泌量が増える成長ホルモンの影響を受け、

明け方にかけて次第に血糖値が上がっていきます。

これを受けて、血糖値が高くなりすぎないように抑えるインスリンが、

午前4〜8時ごろに多く分泌されます。

 

このとき、インスリンは血液中の余分な糖分を脂肪に変えて

血糖値を下げるために、この時間帯に甘いものを食べると、

肥満やメタボなどの生活習慣病になりやすくなって、

間接的に認知症も引き寄せてしまうのです。

 

ですから、朝の時間帯には極力糖分を摂らないように意識しましょう。

 

朝の1杯のコーヒーを楽しみにしている人は非常に多いと思うのですが、

朝のコーヒーはできればブラックで飲んだほうが、

肥満予防や認知症予防につながります。

 

■夜の糖分摂取も肥満になりやすい

では、昼間や夜間は自由に食べられるのかというと、

昼間はいいのですが夜間はあまり好ましくありません

これは、夕方6時ごろから深夜2時くらいにかけて、

食物から脂質を取り込んで脂肪として溜め込みやすくする「ビーマル1

というタンパク質が、私たちの体内で多く合成されるからです。

このビーマル1は、要するに「太りやすくするタンパク質」です。

ですからこの時間帯に甘いものや炭水化物などの糖質を摂ると、

昼間に比べて脂肪が溜まりやすいというわけです。

 

ということで、朝と夜の糖分の摂取は極力控え気味にして、

食べるのであれば昼間の明るい時間帯に食べるようにしましょう

そうすれば、大好きな甘いものも、

悪影響を最小限に抑えながら食べることができます。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

 

日時:2017年11月10日 PM 05:10
【食事認トレ6】和食以外なら「カレー&地中海式食生活」

2017.10.20.jpg

インドは認知症の発症率が低い国のひとつとして知られています。これは、カレーの主要なスパイスとして使われるターメリック(ウコン)に、クルクミンという微量栄養素が含まれていることに着目した推測です。クルクミンは動物実験で記憶力の改善や、認知症の原因物質とも目されるベータアミロイドの神経細胞への沈着を防ぐ効果が確認されています。

また、現に「抗認知症薬」として使われている薬の含有成分にもなっており、この薬は認知症の症状改善や発症の遅延に一定の効果を示すことが証明されたうえで、医療機関で使用されています。

シンガポールでの研究ですが、実際に頻繁にカレーを食べる人と、滅多に食べない人を比較したところ、やはりカレーをたくさん食べている人のほうが認知症の発症率が低かったとする研究もあります。

 

 

【食事認トレ6】和食以外なら「カレー&地中海式食生活」

 

■ターメリックには認知症の予防効果が期待できる

日々の食事スタイルには和食を選ぶことが、さまざまな面から複合的に

認知症予防につながっていくと言えます。

しかし毎日和食ばかりではこれも飽きてしまいますから、

脳への多用な刺激を与えるためにも、

ときには外国風の食事スタイルを取り入れると効果的です。

 

特にお勧めしたいのは、カレーと地中海料理です。

 

インドは認知症の発症率が低い国のひとつとして知られています。

そして「その理由は、インドの人はほぼ毎日カレーを食すからだ」

と大まじめに考えられています。

 

これは、カレーの主要なスパイスとして使われるターメリック(ウコン)に、

クルクミンという微量栄養素が含まれていることに着目した推測です。

 

クルクミンは動物実験で記憶力の改善や、認知症の原因物質とも目される

ベータアミロイドの神経細胞への沈着を防ぐ効果が確認されています。

また、現に「抗認知症薬」として使われている薬の含有成分にもなっており、

この薬は認知症の症状改善や発症の遅延に一定の効果を示すことが

証明されたうえで、医療機関で使用されています。

 

シンガポールでの研究ですが、実際に頻繁にカレーを食べる人と、

滅多に食べない人を比較したところ、やはりカレーをたくさん食べている人

のほうが認知症の発症率が低かったとする研究もあります。

 

これで即、「カレーが認知症を予防する」ということが言えるわけでは

ないのですが、さまざまな状況証拠を総合的に勘案すると、

カレーをたくさん食べるようにすれば、

ある程度は認知症予防の効果を見込める可能性が高いでしょう。

 

カレーライスはいまや「日本の国民食」と評されることもあるので、

外国風の食事とは分類できないかもしれませんが、

目先の新鮮味はある程度得られます。

また、日本式カレーにもターメリックはほぼ必須のスパイスとして

たくさん入っていますので、予防効果は十分期待できるでしょう。

 

■各種の生活習慣病や血管病を防ぐことが明らかになっている

カレー以外で特にお勧めしたい外国の食事スタイルとしては、

イタリア料理やスペイン料理などの地中海式の料理があります。

イタリアやスペイン、あるいは南フランスなどでは、

和食ほどではないにしろ海産物をたくさん食べますし、

各種の生活習慣病の予防効果があるとされる赤ワインを頻繁に飲みます。

 

比較的高カロリーでありながら、脂質の摂取バランスがよく良質なタンパク質も

多く摂取しているということで、地中海式の料理を食べている人では、

脳卒中や心筋梗塞などの発症が減ることがよく知られています。

これは、全身の血管の状態をよくすることに直結しますから、

認知症の予防や「ちょいボケ」からの回復にも効果が期待できるのです。

 

和食を中心にしつつ、ときにはカレーや地中海式料理で目先を変えて飽きないように

するというのが、お勧めできる食事スタイルの選択法と言えるでしょう。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2017年10月20日 PM 05:09
【食事認トレ5】血糖値急上昇を避ける「主食はごはん・そば優先」

1018.jpg

 

慢性的な食べ過ぎのほかにも、食後などに急激に血糖値が上昇し、その後、インスリンが大量に分泌されて一気に低血糖状態にまで至るといった激しい血糖値の上下運動があると、そのことによっても糖尿病になりやすいことが近年わかってきています。

主食にパンや小麦粉を使っためん類ばかりを食べていると、この危険性が高まってしまうのです。

また、糖尿病と認知症は直接関係がないように思えるかもしれませんが、実は大いに関係があり、糖尿病の患者さんでは健康な人に比べて、何倍も認知症を発症しやすいことが知られています。

 

 

【食事認トレ5】血糖値急上昇を避ける「主食はごはん・そば優先」

 

■ここでも和食が有利となる

おかずに比べて摂取量が多い主食については、次の点を押さえておきましょう。

 

それは、小麦粉を使ったパンやうどんなどのめん類に比べ、

ごはん・そばでは食後の血糖値の上昇が比較的ゆっくり進む、

ということです。

 

ここから、主食の選択においては極力ごはんやそばを多くすると望ましい

ということが言えます。

 

これは、パンやめん類では材料となる小麦粉を細かく砕いていることで、

粒状の米に比べると栄養の吸収が素早く進むことからきた違いです。

そばについては、小麦と同じように材料を細かく砕いてあるのですが、

食物繊維が多いために栄養素の吸収が比較的遅くなるようです。

 

こうした食後の血糖値の上昇スピードが何かに影響するかというと、

糖尿病のなりやすさに大きな影響を与えます。

 

食後に血液中の糖分が増えると、インスリンというホルモンが自然に分泌されて、

血糖値を一定の範囲に抑える働きが人体には元来備わっています。

 

しかし、食べすぎなどで血糖値が慢性的に高い状態が続くと、

このインスリンの分泌がスムーズに行われなくなったり、

インスリンの機能自体が低下してしまったりします。

そうして血糖値が高い状態が常に続くようになってしまうのが、

(2型)糖尿病という恐ろしい病気です。

 

慢性的な食べ過ぎのほかにも、食後などに急激に血糖値が上昇し、

その後、インスリンが大量に分泌されて一気に低血糖状態にまで至る

といった激しい血糖値の上下運動があると、そのことによっても

糖尿病になりやすいことが近年わかってきています。

主食にパンや小麦粉を使っためん類ばかりを食べていると、

この危険性が高まってしまうのです。

 

また、糖尿病と認知症は直接関係がないように思えるかもしれませんが、

実は大いに関係があり、糖尿病の患者さんでは健康な人に比べて、

何倍も認知症を発症しやすいことが知られています。

 

食後、血液中の「糖(ブドウ糖)」の量が増えると、インスリンが分泌されて

血液中の糖を細胞内に移行させて血糖値を下げます。

これが体内でのインスリンの主たる役割なのですが、最近の研究では

インスリンはその役割のほかにも、脳の神経細胞の中に溜まってしまった

「ベータアミロイド(アルツハイマー型認知症の原因と考えられている)」を

細胞の外に出す作用があることがわかってきています。

 

さらには、インスリンを分解する「インスリン分解酵素」が、

細胞の外に出された「ベータアミロイド」を分解することもわかってきています。

 

「高血糖」とは、血液中の糖が増えすぎてしまった状態のこと。

「高血糖」になると、血糖値を下げるためにインスリンがたくさん分泌されます。

もちろん、それに反応してインスリン分解酵素もたくさん分泌されるのですが、

インスリン分解酵素はインスリンを分解するためだけに使われてしまい、

「ベータアミロイド」の分解まではできなくなってしまう、という関係があります。

 

こうした関係があることから、主食で食べるごはんやそばの比率を

少し多めにすることが、認知症の予防や軽度の認知障害からの回復に

つながっていくというわけです。

 

■糖質の一種なので、腹八分目に抑えておくのは変わらない

ただしごはんやそば、パンやその他の各種めん類は、

体内ではブドウ糖になって利用される炭水化物です。

 

栄養学的には砂糖などと同じ「糖質」ですから、

全体的にはやや少なめに、腹八分目程度に抑えることを意識すべきです。

 

この点については、くれぐれも忘れないようにしてください。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2017年10月17日 PM 04:44
【食事認トレ4】「調理油の確認&変更」でも脂質バランス改善

2017.10.16.jpg

植物性の油でありながら、魚の油と同じω-3系の脂肪酸に分類されるエゴマ油やアマニ油、シソ油の3種類の油は、魚を食べなくても認知症や生活習慣病を予防する効果を期待できるので、特に魚が嫌いな人にとっては、ぜひとも日常的に使いたい油と言えます。

多少高価なため、普段の調理用の油として使用するのではなくて、調味料代わりとして使用したり、少し魚くさい風味が気にならないように食材に混ぜるなどして使うのがお勧めの使用法です。

たとえばドレッシング用の油として使ったり、青菜のおひたしにかけて使用するなどすれば、効果的に脂質のバランス改善が実現できるはずです。

 

 

【食事認トレ4】「調理油の確認&変更」でも脂質バランス改善

 

■調理用のサラダ油はキャノーラ油かオリーブオイルに

脂質のバランス改善は、主菜の選択以外でも行えます。

 

食事のさまざまな場面で認知症や生活習慣病の予防効果が高い油を

使用することで、脂質の摂取バランスを少しずつ改善していけるのです。

 

たとえば、普段調理用に使用しているサラダ油についても、

一度、どんな材料から絞った油なのかを確認してみましょう。

 

オリーブオイルと同じく、生活習慣病の予防効果があるとされる

ω-9系脂肪酸のキャノーラ油であればよいのですが、

安価なサラダ油には大豆やひまわり油、コーン油など、

どちらかというと生活習慣病の発症を引き寄せてしまうと

考えられている油が使われていることがよくあります。

また、これらがブレンドされて使用されていることもあります。

 

もし、こうしたサラダ油を普段の調理用に使用しているのであれば、

それをキャノーラ油100%の商品やオリーブオイルに変えることで、

脂質のバランスを改善することができるでしょう。

 

ちなみに、大豆油については油分を絞って凝縮された状態にあるので、

このように生活習慣病を引き寄せる作用が強く出てしまうのですが、

納豆などの豆の形でそのまま食べるのであれば、

他の成分のよい作用のほうが強く出ますので、

納豆などを食べる際に心配する必要はありません。

 

■魚嫌いの人には特にお勧め

あるいは、植物性の油でありながら、魚の油と同じω-3系の脂肪酸に分類される

エゴマ油やアマニ油、シソ油の3種類の油を、日常的に使うようにすることも

お勧めできる「食事認トレ」です。

 

魚を食べなくても認知症や生活習慣病を予防する効果を期待できるので、

特に魚が嫌いな人にとっては、ぜひとも日常的に使いたい油と言えます。

 

エゴマ油やアマニ油、シソ油は多少高価なため、

普段の調理用の油として使用するのではなくて、

調味料代わりとして使用したり、少し魚くさい風味が気にならないように

食材に混ぜるなどして使うのがお勧めの使用法です。

 

たとえばドレッシング用の油として使ったり、青菜のおひたしにかけて

使用するなどすれば、効果的に脂質のバランス改善が実現できるはずです。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

 

日時:2017年10月16日 PM 04:20
認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!

2017.9.11.jpg

生活習慣病を持っている患者さんでは、突然死を招く脳卒中や心筋梗塞などの怖い病気が発症しやすいことがよく知られています。

実はそれと同じように、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、メタボなどの生活習慣病を持っている患者さんでは、健康な状態の人より認知症の発症リスクが高まります。

認知症は「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「その他のタイプの認知症」の4つに大きく分けられますが、このうち、全体の2割程度を占める脳血管性認知症は、脳内での梗塞や出血が直接の原因となって発症する認知症です。

ですから、血管性認知症に限って言えば、脳梗塞や心筋梗塞と発症のメカニズムがほとんど変わらないのです。

 

 

認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!

 

■脳卒中や心筋梗塞と同じメカニズムで発症してくる

 

「認知症とは、どんな病気だと思いますか?」と聞くと、ほとんどの方は

「(頭が)ボケて何もわからなくなる病気」と答えます。

つまり、人間のメンタルな部分に問題を生じてしまう病気である、

と答える方が圧倒的多数を占めます。

 

これは、ほとんどの方にとって、認知症が「精神疾患のひとつ」として

認識していることを示しているのでしょう。

 

確かに医学的にも認知症は精神疾患のひとつとして分類されていますし、

最近では対応する診療科もほとんどのケースで精神科となりつつあります。

 

しかし実は、認知症は同じ精神科で扱う他のさまざまな精神疾患とは、

かなり趣を異にする病気です。

 

上記のように「認知症とはどんな病気だと思いますか?」と聞かれたとすれば、

認知症は生活習慣病の終着駅です」と答えます。

 

認知症は確かに精神疾患のひとつでもありますが、

より本質的には生活習慣病であると考えられるからです。

 

しかもさまざまな生活習慣病が、年をとって最後により大きな問題として

表に出てくるときの形態のひとつが、認知症だと考えます。

 

生活習慣病というと、一般的には糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、

メタボなどを想像されるでしょう。

 

これらの生活習慣病を持っている患者さんでは、突然死を招く脳卒中や

心筋梗塞などの怖い病気が発症しやすいことがよく知られています。

実はそれと同じように、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、メタボなどの

生活習慣病を持っている患者さんでは、健康な状態の人より

認知症の発症リスクが高まります

 

その理由は、主に血管にあるのでしょう。

 

生活習慣病を持っている人では、長い年月のあいだに血管が

大きなダメージを受けるので、脳卒中や心筋梗塞などの血管が詰まったり、

破れたりする病気が起きやすくなります。

 

認知症でも基本は同じで、脳内の血管がダメージを受け、

次第にそこから栄養や酸素を受け取りづらくなると同時に、

老廃物を効率よく回収できなくなって、

脳の細胞が弱ってしまうのが発症の遠因として考えられます。

 

また、そもそも認知症は「アルツハイマー型認知症」

「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」

「その他のタイプの認知症」の4つに大きく分けられますが、

このうち、全体の2割程度を占める脳血管性認知症は、

脳内での梗塞や出血が直接の原因となって発症する認知症です。

ですから、血管性認知症に限って言えば、脳梗塞や心筋梗塞と

発症のメカニズムがほとんど変わらないのです。

 

また、全体の6割程度と多数を占める「アルツハイマー型認知症」

発症の背景にも、こうした脳内血管の機能低下があると考えられており、

認知症が脳卒中や心筋梗塞と同じ「生活習慣病の終着駅」

であることを裏付けています。

 

脳卒中や心筋梗塞ではあるとき急激に症状が出てくるのに対し、

認知症ではそれがゆっくりと進行して、人間の認知機能を奪っていく、

という症状の表れ方の違いがあるだけなのです。

 

■食事の影響は大きい

 

ということは、認知症を予防するための方法は、

各種の生活習慣病を予防するための方法とほぼ一致しています

そして生活慣病予防ということは、

日々の食習慣改善についても意識することが非常に大切になります。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2017年9月11日 PM 04:57
認知予備脳―脳は使わないと衰える

2017.5.21.jpg

脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質

というものが行き来します。

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を

行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、

この交差点をシナプスと言います。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、

脳や神経の働きはよくなります。

このシナプスは、歳をとっても増加し、

より成熟した結合が進行するとされています。

 

認知予備脳―脳は使わないと衰える

 

□死滅した神経細胞の働きは十分カバーできる

□使っていない脳を呼び覚ますのは若い頃からの活動的な生活

 

脳の予備能力を最大限に生かすには

 

皮膚や筋肉などの細胞には“再生能力”があります。

たとえば指にケガをしてしまっても、小さい傷であれば、

いつの間にか治癒して元通りになります。

ところが、脳の神経細胞の場合は、そうはいきません。

いったん神経細胞にダメージを受けると、

その細胞の再生はきわめて難しいのです。

いったん認知症を発症してしまうと完治させることができないのは、

そういう理由からです。

 

しかし、一生のうちで使われる脳の機能は20%程度です。

脳にゴミが溜まって神経細胞が死滅してしまったとしても、

残りの80%の機能を活用すれば、認知症を発症せずに済むと考えられます。

つまり、脳の神経細胞には、再生能力がない代わりに、

それを補って余りある“代償能力”が備わっているのです。

 

脳の神経細胞の代償能力が働くシステム――これが「認知予備能」です。

 

認知症の治療法と予防に関する研究の過程で、高齢で亡くなった人たちの脳を

調べたところ、アルツハイマー型認知症に特徴的な脳の萎縮が起きていた場合でも、

認知症を発症していない人がいることが分かりました。

さらに、その人たちの生前の暮らしぶりについて調べたところ、

身体活動をはじめ、生活全般が非常に活発だったのです。

ちなみに、脳に同じような特徴があって認知症を発症していた人は、

活発な生活をしていなかった人が多いという研究結果も出ています。

 

脳は使えば使うほど開発される!

 

これらの事例から、認知症にならなかった人たちの脳では、

神経細胞が傷ついてしまっても、認知予備能が十分に機能していた

という仮説が成り立ちます。

つまり、活発な生活をしていれば、脳に溜まるゴミやシミに

打ち勝つことができると言えるのではないでしょうか。

 

脳を使えば使うほど、神経伝達物質は活発に働き、神経細胞同士の

ネットワーク化が盛んになります。

歩くときも、話すときも、脳では、あちこちの部分がネットワークを巡らせ、

連動し合っているのです。

 

脳にゴミが溜まるのを防いで、認知症の発症を遠ざけるには、

「認知予備能」をできるだけ働かせることが重要です。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

 

*******************************************

 

脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、

新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

ビタミンB12は、シナプス形成に重要な栄養成分です。

 

また、認知症の3割〜5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が

順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー型認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

日時:2017年5月21日 PM 05:19
65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

2017.5.16.jpg

 

血糖値の乱高下を繰り返すと、インスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病を悪化させる要因となります。

血糖が血管を傷つけて動脈硬化を招き、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、脳の神経細胞にもダメージを与えます。

また、高齢になると、痩せすぎや栄養の偏りが認知症のリスクになることもあります。

高齢になるほど、炭水化物だけでなく、あらゆる細胞や筋肉の材料になるタンパク質を、しっかり摂る必要があることを覚えておきましょう。

 

65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

 

□1日3回、規則正しく食事を摂ることを心がける

□食事は野菜から食べるようにして腹七、八分目の量をゆっくり食べる

 

データから導き出された疫学的予防法

 

認知症の中で最も多いアルツハイマー型認知症を防ぐためには、

脳の神経細胞にシミやゴミ、つまり「アンドロイドβ」や「リン酸化タウ」が

溜まらないようにする、あるいは溜まったものを掃除することが重要なのですが、

その作用を持つ治療薬は、2017年初めの時点では、まだ開発途上です。

 

しかし、認知症は予防することのできる病気です。

疫学的な研究によって、“認知症になりやすい生活習慣”と、

“認知症になりにくい生活習慣”のポイントも、

いろいろと解明されてきています。

 

「疫学」とは、ある集団の健康に関するデータを集計することによって、

病気が発生する要因を追及する研究方法です。

研究対象となる人たちが10年後、20年後に認知症になったかどうかを調べれば、

科学的なメカニズムを完全には解明できなくても、

どういう生活を目指せばよいのかを知ることができます。

“血糖値の高い人はアルツハイマー型認知症になりやすい”という報告も、

この疫学による研究成果の一つです。

 

1日に3食を摂ることで血糖値の乱高下を防ぐ

 

これらの疫学研究の成果を認知症の予防に利用しない手はありません。

 

まず食生活の面では、1日の食事の回数が重要です。

朝ご飯や昼ご飯を抜いて“1日1食”や“1日2食”の食習慣になっている人より、

1日3回、きちんと食べている人のほうが認知症にかかりにくいことが分かったからです。

 

脳は“大飯食らい”で、ブドウ糖しか食べない“偏食”、

しかも“食い溜めはしない”というワガママな性質を持っています。

 

1日1回や2回の食事では、食間に血糖値が下がりすぎてしまい、

極度に空腹を感じます。

すると、ついつい1回の食事の量も多くなり、血糖値が一気に急上昇。

そしてまた次の食事まで時間が空けば、血糖値は再び急降下……。

 

このように、ジェットコースターのような血糖値の乱高下を繰り返すと、

インスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病を悪化させる要因となります。

血糖が血管を傷つけて動脈硬化を招き、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、

脳の神経細胞にもダメージを与えます。

 

血糖角上昇と下降の波を穏やかにするために、食事は1日3回、

できるだけ規則正しく食べること。

それが認知症の予防につながります。

 

野菜からゆっくり食べる習慣を

 

食べる“量”はもちろん、“順番”や“早さ”も大切です。

 

理想は、“腹七、八分目の食事”

栄養を摂りすぎると、糖尿病を誘発して認知症になりやすいだけでなく、

寿命が短くなるというデータもあります。

10年ほど前に行なわれたサルやチンパンジーの動物実験では、

たっぷり栄養を摂らせたグループよりも、カロリーを30%程度カットした

エサを与えたグループのほうが長生きしたという結果が出ているのです。

 

また、食事の時は、主食のごはんやパンからではなく、

野菜から先に食べる習慣をつけることが大事です。

空腹時には血糖値が下がっていて、糖分を吸収しやすい状態になっています。

そこに、いきなり炭水化物が入ると、インスリンの分泌が追いつかなくなり、

血糖値が急上昇する。

“血糖値スパイク”の状態に陥りやすくなります。

 

一方、野菜類に含まれる食物繊維には糖分や脂肪分の吸収を抑える効果があるため、

先に食べることで血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値の乱高下を防ぐことができます。

洋食のコース料理で、前菜のあとに肉などの主菜とパンまたはライスが出てくるのは、

理にかなった食べ方なのです。

 

そして、“ゆっくり食べる”ことも大切です。

忙しいビジネスマンにありがちな“早食い”も、同様に血糖値スパイラルを招きます。

つまり、早食い、一気食いもメタボや認知症の誘因になると言えます。

短い昼休みや仕事の移動中にササッと食べ物をかき込む人も多いと思います。

早食いがクセになっていると、ゆっくり食べるのは以外に難しいものですが、

一品メニューを避けて定食にする。

時間を捻出して昼休みをもう10分長くするなど工夫をして、

ゆっくり食べる習慣を心がけましょう。

 

65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

 

さらに、65歳を過ぎたら、食べ方を切り替えることを薦めます。

働き盛りの中年期までは、カロリーの摂りすぎは万病の元です。

しかし高齢になると、痩せすぎや栄養の偏りが認知症のリスクになることもあります。

なぜなら、脳の神経細胞に必要な栄養素が不足するだけでなく、

タンパク質の不足で筋肉が減ると、筋力が低下して転倒したり、

不活発な生活に陥ったりすることが、認知症の発症を早める原因になるからです。

 

高齢になると、肉料理などを敬遠する人も多いのですが、超高齢の現役ドクターが毎晩、

ステーキを食べているという実話があります。

高齢になるほど、炭水化物だけでなく、あらゆる細胞や筋肉の材料になるタンパク質を、

しっかり摂る必要があることを覚えておきましょう。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月16日 PM 03:39
認知症は“脳の生活習慣病”

2017.5.11.jpg

脳の神経細胞の栄養源として、ブドウ糖は不可欠なものですが、

増えすぎると私たちの体にとっては害を及ぼすものとなります。

糖尿病は、全身の血管にダメージを与えます。

太い血管が障害されると「心筋梗塞」「脳卒中」という生命に関わる

合併症につながりますが、細い血管にも血行障害が起きるため、

「網膜症」「腎症」「神経障害」を引き起こします。

いわゆる“三大合併症”です。

最近は、これらに加えて「認知症」と「歯周病」も、糖尿病の合併症と

見なされるようになりました。

 

認知症は“脳の生活習慣病”

 

□メタボリックシンドロームは認知症の発症を早める危険因子

□血糖値を低めに保つことが肝心

 

メタボは認知症にもなりやすい!?

 

認知症は症状が出るのを遅らせる時代から、予防する時代に入りつつあります。

認知症には、発症を早めたり、悪化させたりする危険因子があることが分かっているので、

予防のためには、それを排除するように心がけることが重要です。

 

認知症を発症する主な原因は、遺伝と加齢ですが、それらを排除することはできません。

しかし、これ以外にも危険因子はあります。

特に最近では、中年期の肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの、

いわゆる生活習慣病が認知症の発症と密接な関係にあるといわれるようになりました。

 

たとえば、肥満は「睡眠時無呼吸症候群」の引き金になることがあります。

首回りにも脂肪がついて気道が狭くなると、寝ている間に何度も呼吸が止まってしまい、

脳に十分な酸素が送れなくなり、神経細胞にダメージを与える起因となります。

また、複数の生活習慣病が重なった「メタボリックシンドローム」は、

脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険性があるだけでなく、認知症を誘発することが、

動物実験などで明らかになっています。

 

そして、生活習慣病の代表格である「糖尿病」がアルツハイマー型認知症と直接、

関係していることが明らかになってきました。

糖尿病は、血糖が増えることで血管壁が傷つき、動脈硬化を促進させるため、

脳卒中の発作によって起きる脳血管性認知症のリスクを高めるのは当然の結果です。

 

しかし、それだけではなく、糖尿病があるというだけで、

アルツハイマー型認知症になる確率が約2倍になるという研究報告があるのです。

 

また、糖尿病の人は、認知症を発症していなかったとしても、

脳の中枢の記憶装置である「海馬」の体積が、健康な人に比べて

5%ほど萎縮しているという報告もあります。

これは血糖値の高い状態が続くことによって、

神経細胞がダメージを受けて死滅してしまったためと考えられています。

実は、インスリンの分泌とアミロイドβの発生には、深い関係があるのです。

 

糖尿病から認知症に

 

そもそも、私たちの体内では、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが、

脳の栄養源であるブドウ糖の働きをコントロールしています。

ところが、食べすぎや運動不足の状態が続くと、このインスリンが不足したり、

うまく働かなくなったりして、ブドウ糖が血液中に溢れてしまいます。

これが血糖値の上昇です。

 

インスリンは、ブドウ糖とともに脳の中に取り込まれ、

神経細胞の記憶や情報の伝達に関して重要な役割を果たしています。

そして、使用済みのインスリンは、インスリン分解酵素の働きで分解されるのですが、

そのついでに、アミロイドβも分解してくれます。

インスリン分解酵素は、脳のゴミを掻き出す“掃除人”の役割をも担っているのです。

 

健康な人の場合は、ブドウ糖の量に合わせてインスリンが分泌され、

血糖値がちょうど良いレベルに保たれます。

 

ところが、血糖値が上がって、分泌されるインスリンの量が増えすぎると、

インスリン分解酵素が本業であるインスリンの分解に追われてアミロイドβの掃除まで

手が回らなくなり、アミロイドβが蓄積してしまいます。

その結果、神経細胞がダメージを受けて死滅していくのです。

 

このようなメカニズムが明らかになり、最近ではアルツハイマー型認知症を

“脳の糖尿病”と呼ぶこともあります。

 

糖尿病の合併症としての認知症

 

脳の神経細胞の栄養源として、ブドウ糖は不可欠なものですが、

増えすぎると私たちの体にとっては害を及ぼすものとなります。

 

糖尿病は、全身の血管にダメージを与えます。

太い血管が障害されると「心筋梗塞」「脳卒中」という生命に関わる合併症につながりますが、

細い血管にも血行障害が起きるため、「網膜症」「腎症」「神経障害」を引き起こします。

いわゆる“三大合併症”です。

最近は、これらに加えて「認知症」と「歯周病」も、糖尿病の合併症と見なされるようになりました。

 

空腹時血糖値は、110mg/dl以下であれば正常範囲とされています。

それを超えると、126mg/dlまでなら「糖尿病予備軍」、126mg/dlを超えると「糖尿病」と診断されます。

しかし、認知症のリスク回避という側面から考えれば、さらに厳しく管理することが必要になります。

 

実は、5年、10年というスパンで調査をした結果、血糖値が平均108mg/dlで“ギリギリセーフ”の人よりも、

平均92mg/dlと低めにコントロールできていた人のほうが、認知症になりにくいことが分かっています。

 

もちろん血糖値が下がりすぎて「低血糖」にならないように注意することは必要ですが、

糖尿病については、血糖値を基準値以内の低めに保つほど認知症を発症するリスクが低くなり、

安心だということです。

 

そして、糖尿病をはじめとする生活習慣病は、予防することが可能です。

仮にライフスタイルの改善や早期の治療によって、生活習慣病をすべて排除できれば、

アルツハイマー型認知症の患者の数を飛躍的に減らすことができるというシミュレーションデータもあります。

 

実際に、欧米では認知症の患者数が確実に減少してきています。

それは肥満や糖尿病などを減らすために、政府主導で実施してきた生活習慣病対策の効果が

現われ始めているからだと言われています。

 

正しい生活習慣は、脳にゴミやシミを作らないことに直結するのです。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月11日 PM 02:08
「認知症」と「もの忘れ」は別のもの!?

2017.5.9.jpgのサムネイル画像

 

 

認知症は、加齢による「もの忘れ」と区別がつきにくいこともありますが、いくつかのポイントを確認しながら観察すると、その違いが分かります。

「もの忘れ」は加齢による老化現象

確かに、記憶障害は認知症の代表的な症状ですが、年を重ねていけば、誰でも忘れっぽくなります。

「もの忘れ」は、体験したことの部分的な細かい記憶を忘れますが、「認知症」の記憶障害は、体験そのものの記憶が丸ごとなくなってしまいます。

同じ記憶障害でも、「もの忘れ」と「認知症」では、まったく性質が異なるものなのです。

 

 

「認知症」と「もの忘れ」は別のもの!?

 

 □ 体験の一部を思い出せないのが「もの忘れ」

 □ 体験したことを丸ごと忘れてしまうのが「認知症」

 

認知症は脳の“病気”です

 

胃腸や心臓、肝臓などの臓器が病気になるのと同じように、

当然ながら脳も病気にかかります。

脳の病気は多種多様で、罹患すれば生活機能に直接影響を及ぼし、

最悪の場合、命を落とす危険性もある重い病気がほとんどです。

 

たとえば、脳の血管が詰まって血液が流れなくなる「脳梗塞」、

脳内で出血を起こす「脳出血」、「くも膜」という脳全体を覆う薄い膜の内側で

出血が起きる「くも膜下出血」など、脳の血管に詰まりや出血が生じる病気を

「脳卒中」と呼んでいます。

 

また、ウイルス感染などが原因で脳や脊髄の膜に炎症が起きるのが「脳炎」、

脳の中に腫瘍が生じるのが「脳腫瘍」です。

 

そして、何らかの原因で脳の神経細胞が傷つき、死滅したために、

記憶障害などの症状が出る病気が「認知症」です。

 

認知症は、加齢による「もの忘れ」と区別がつきにくいこともありますが、

いくつかのポイントを確認しながら観察すると、その違いが分かります。

 

「もの忘れ」は加齢による老化現象

 

“有名人の名前が出てこない”“買物に行って、何かひとつは買い忘れる”といった

経験をすると、「いよいよ認知症の始まりか」と心配になってしまいます。

 

確かに、記憶障害は認知症の代表的な症状ですが、

年を重ねていけば、誰でも忘れっぽくなります

現役世代であっても、仕事や家事での“うっかりミス”や、

いつもメガネや携帯電話などを探している

といった症状は、年とともに増えてくるものです。

 

ただ、それだけなら病気ではなく、加齢による老化現象と考えていいでしょう。

医学的に病名をつけるとしたら、「良性の健忘症」です。

 

認知症と良性の健忘症との区別は、次のような事柄で識別することができます。

 

「もの忘れ」は、体験したことの部分的な細かい記憶を忘れますが、

「認知症」の記憶障害は、体験そのものの記憶が丸ごとなくなってしまいます。

 

たとえば、“昨日は友達と昼食を食べに行って、天ぷらそばを食べた”とします。

「もの忘れ」は、前日に食事に行ったことは覚えていても、

どんなそばを食べたか……

それが天ぷらそばだったか、とろろそばだったかを瞬時に思い出せない状態です。

一方の「認知症」の記憶障害の場合は、食事に行ったこと自体を覚えていない

状態になります。

 

同じ記憶障害でも、

「もの忘れ」と「認知症」では、まったく性質が異なるもの

なのです。

 

「老化によるもの忘れ」と「認知症による記憶障害」の違い

 

<老化による物忘れ>

 □ 体験の一部を忘れる

 □ 時間や場所などの見当がつく

 □ 日常生活に支障はない

 □ もの忘れに対して自覚がある

 □ 進行しない、もしくはゆるやかに進行

 

<認知症による記憶障害>

 □ 体験の全体を忘れる

 □ 新しい出来事を記憶できない

 □ 時間や場所などの見当がつかない

 □ 日常生活に支障がある

 □ もの忘れに対して自覚がない

 □ 進行する

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月 9日 PM 04:09
脳や神経に不可欠なビタミンB12 栄養化学研究所所長 村上幸雄

2017.4.25.jpg

 

数々のユニークさを持つことから、ビタミンB12に着眼し、40年以上研究を続けてきました。その結果、ビタミンB12は作用の点でも、ほかに類を見ないビタミンであることがわかりました。

ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。それと同時に、脳神経系への働きにも深くかかわっています。

元京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な高齢者の脳と比較して、認知症の方の脳では、含まれるビタミンB12が4〜6分の1に低下していたと報告しています。

 

 

脳や神経に不可欠なビタミンB12 栄養化学研究所所長 村上幸雄



ビタミンというと、一般には、野菜など植物性食品に多く含まれる

というイメージが強いようです。

しかし、実は、動物性食品にしか含まれないビタミンもあります。

それはビタミンB12です。

 

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には

広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。

 

ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、

日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的に

ビタミンB12が含まれています。

これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。

 

ビタミンB12を電子顕微鏡で見ると、鮮やかな赤色の結晶が見えます。

こんな鮮やかな色のビタミンは、ほかにありません。

 

また、ビタミンB12は、ほかのビタミンとはケタ違いに分子量が大きいのです。

たとえば、ほかのビタミンを人間一人が乗る飛行機にたとえると、

ビタミンB12は、それが何機も飛びたてる航空母艦なみの大きさです。

 

こういった数々のユニークさを持つことから、ビタミンB12に着眼し、

40年以上研究を続けてきました。

その結果、ビタミンB12は作用の点でも、

ほかに類を見ないビタミンであることがわかりました。

 

ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。

血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。

それと同時に、脳神経系への働きにも深くかかわっています。

 

根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、

体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。

とりわけ、脳や神経には、ビタミンB12は不可欠なのです。

 

脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質

というものが行き来します。

二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。

 

ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、

シナプスは次々にこわれていきます。

ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。

 

ビタミンB12は、水溶性(水に溶ける)ですが、

脂肪成分となじみやすい構造をもっています。

脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。

そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、修復作用を発揮します。

 

元京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な高齢者の脳と比較して、

認知症の方の脳では、含まれるビタミンB12が4〜6分の1に

低下していたと報告しています。

認知症とビタミンB12の深い関係を示唆する研究結果といえます。

 

大量にとるほど効果を発揮

 

ビタミンB12の必要所要量は、厚生労働省によると、

成人で1日2.4マイクログラム(1マイクログラムは百万分の1グラム)

とされています。

これは悪性貧血を起こさないための最低量で、少し余裕をみて、

必要量を1日5マイクログラムとする説もあります。

 

これらは「欠乏症を防ぐ」ための摂取量ですが、まったく違う観点から、

1日に3000マイクログラムのビタミンB12をとるよう提唱しています。

脳神経系への積極的な作用を期待するには、このレベルのとり方が必要だからです。

 

これだけ多量のビタミンB12は、食品からは到底とれません。

そこで、おすすめしたいのが、大量のビタミンB12が手軽にとれる

「脳ビタミン食品」です。

 

この食品は、朝晩1包ずつとれば、1日に3000マイクログラムの

ビタミンB12がとれるようになっています。

なお、大量にとっても、弊害がないことが、医学的にハッキリ確認されています。

 

水溶性ビタミンであるビタミンB12を大量にとっても、

体内で働かずに排泄されるのではないかという見方もありますが、

それは違います。

 

ビタミンB12は、最終的には尿中に排泄されますが、

それまでの間、体内でさまざまな働きをします。

ビタミンB12の場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、

一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、

吸収率が増す効果)により、吸収、利用率が高まります。

 

脳を活性化する成分として、近ごろではダイズなどに含まれる

PS(ホスファチジルセリン)というものが話題になっていますが、

ビタミンB12には、脳内でPSを作る働きもあることがわかっています。

 

脳ビタミン食品には、ビタミンB12とともに、他のビタミンB群、ビタミンE、

セレン、コエンザイムQ10、イチョウ葉エキスといった多種類の有効成分や

機能性食品が配合されています。

それらにの相乗作用によっても、脳神経系への幅広い効果を発揮するものと思われます。

 

脳ビタミン食品は、物忘れや認知症、記憶力や集中力の向上に役立ちます。

また、腰痛や手足のしびれなどが改善した人もいます。

 

超高齢社会を目前にしたいま、元気でイキイキと年を重ねるために、

ビタミンB12に注目していただきたいと思います。

「健康雑誌安心 より」

日時:2017年4月25日 PM 04:54
ホモシステインと動脈硬化

2017.4.13.jpg

 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞になるといわれています。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

 

ホモシステインと動脈硬化

 

ビタミンB6、B12、葉酸などはホモシステインの代謝に関していることが

明らかになっています。

ホモシステインとは、タンパク質の代謝過程でできるアミノ酸の一種であり、

血液中に堆積して動脈硬化を引き起こすため、心筋梗塞などの心臓疾患や

脳卒中を招く危険因子とされています。

 

代謝の過程でビタミンB6が不足するような状態になると、

ホモシステインからシステインへと分解する代謝の流れにトラブルができて、

肝臓でホモシステインが余ってしまい、

結果的に血中に流入するホモシステイン酸が上昇してしまいます。

その結果、血液を固める血小板を凝集したり、単球の吸着を進めたりして、

動脈硬化を促進してしまいます。

 

多くできた血中ホモシステインが動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中のリスクが

高くなることが報告をされていて、関心を集めています。

 

肝臓の中で、葉酸やビタミンB12が不足してもホモシステインからメチオニンが

つくられる代謝の流れが低下して血中ホモシステイン値が上昇してしまいます。

 

女性では閉経後にホモシステイン酸の値が高くなりやすいと言われていますし、

腎不全があるとホモシステインの排泄障害もおこるので血中のホモシステイン濃度は

高くなりやすいとも言われています。

 

ホモシステイン酸は、酸素や水と反応し活性酸素が発生します。

酸化される過程が進行し、そのプロセスでフリーラジカルがさらに多く発生してしまい、

そうなってくると、これが血管内皮にトラブルを起こし、血管拡張物質の働きを抑えるので、

血管の柔軟性を薄い血管を硬直させます。

 

動脈瘤などがあると状況は一層深刻になってきます。

血中ホモシステイン濃度が高い場合、血小板が過剰に凝集し、

血管内壁を埋めてしまう場合があります。

 

こうした状態で血液は破裂するリスクも生じてしまいます。

心臓の血管がつまれば心筋梗塞、脳の血管がつまれば脳梗塞という重篤な症状を

招いてしまいます。

このようにして血栓症が引き起こされると血管壁の平滑筋細胞の増殖が引き起こされ、

血管の動脈硬化が進行していきます。

 

<ホモシステインとは>

ホモシステイン(homocysteine)は、血中に存在するアミノ酸の一種です。

必須アミノ酸であるメチオニンを代謝していく上で産生される中間代謝物で、

ホモシステインからは再度メチオニンが作られたり、美白に関わるシステインや、

エネルギー産生に関わるα-ケト酪酸の前駆体になる等、重要な役割を担っています。

しかし、1969年にボストンの医師が先天的に血中ホモシステイン濃度の高い患者において

若年期に動脈硬化や血栓性病変があることを発見して以降、多くの学者が 研究を始め、

ホモシステインが心疾患等の危険因子になり得ることを明らかにしました。

文部科学省の大規模コホート研究においても、血清ホモシステイン値が高い人ほど

循環器疾患による死亡率が高くなることがわかりました

(基準値は3.7〜13.5μmol/L ファルコバイオシステムズHPより)。

 

<ホモシステイン代謝を高めるための栄養素>

ホモシステイン濃度を上げない(蓄積させない)ためには、ホモシステインから

先の代謝経路へと誘導していく必要があります。

代謝の補佐役を担うのが、「葉酸、ビタミンB12」、「ビタミンB6」等の

栄養素だと言われているため、これらの栄養素が不足すると

ホモシステイン値が高くなると考えられています。

 

<腸内環境も大事>

腸内細菌はヒトと異なり「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等の

ビタミンを産生することが知られています。

ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、

細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。

さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して

吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。

 

アルツハイマー型認知症の本当の原因とは?

 

1990年にアミロイドβを脳神経細胞に溜め込む原因は、悪玉アミノ酸である血中の

ホモシステイン酸であることがマウスの研究や認知症患者のデータから解明されました。

そしてその原因は、高齢化に伴い、肝臓や腎臓の機能障害により、

有害物質のホモシステイン酸が腎臓でろ過されず、血液と一緒に脳内へ運ばれ、

認知症の原因となるアミロイドβを誘導、脳に蓄積させるということが明らかになりました。

米国で実施された研究結果では70歳以上の高齢者で血中のホモシステイン酸値が高い人は、

アルツハイマーを発症する危険性が8年間で2倍になると報告しています。  

日時:2017年4月13日 PM 04:47
脳の萎縮を食い止めるにはアセチルコリンの合成が重要

2016.10.18.jpg

アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少している
ことから、アセチルコリン不足がアルツハイマーの
ひとつの原因とも考えられています。
 
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、
ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを
増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)の
かたちで、食材から摂取されます。
 
また、レシチンをアセチルコリンに合成するには、
ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが
望ましいのです。
 
 

◆◆ 脳の萎縮を食い止めるにはアセチルコリンの合成が重要 ◆◆

 
脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。
 
ドーパミン、GABA、セロトニンがよく知られていますが、
 
アセチルコリンも重要な役割をもつ神経伝達物質のひとつです。
 
 
記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、
 
記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、
 
脳の海馬という組織であることはよく知られています。
 
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
 
 
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、
 
アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、
 
アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
 
 
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
 
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
 
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
 
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
 
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
 
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、
 
神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
 
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
 
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
 
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、
 
同時にとることが望ましいのです。
 
 
老人の認知症の3割〜5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
 
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、
 
核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
 
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
 
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、
 
「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
 
その結果若返りにもつながることにもなると考えられます。
 
 
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの
 
栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

日時:2016年10月18日 PM 04:48
日々少しずつ進行する隠れ脳梗塞

2016.9.19.jpg

隠れ脳梗塞は、年齢とともに誰にでも起こり得る

脳の老化現象の一つです。

脳をMRIで診断すると、実に40代の3人に1人、

50代の2人に1人、60代の8割以上に隠れ脳梗塞が

あることが確認できるそうです。

しかし、予防に関しても大いに進歩し、症状が出る前の

病気の把握や予知により、初期の段階で、的確に予防

することが可能となってきています。

 

◆◆ 日々少しずつ進行する隠れ脳梗塞 ◆◆

 

脳梗塞は、高血圧(血圧が高く、血管が痛む病気)や糖尿病(血液中のブドウ糖がふえて

血管が痛む病気)などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって

血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の毛細血管が徐々に詰まって進行していきます。

 

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさが数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、

段階をへることにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

そしてついには本格的な脳梗塞へと発展していくのです。

 

このような症状のないごく小さな梗塞を、「隠れ脳梗塞」としています。

隠れ脳梗塞は、医学用語では「無症候性脳梗塞」や「一過性虚血発作」などとされ、

その名のとおり、あまり大きな症状は現れません。

また、たとえ症状があっても、ふつうは一時的で、短時間で回復するため、軽視されがちです。

 

しかし、症状がないからといってこの隠れ脳梗塞を放置することは、非常に危険です。

実際、隠れ脳梗塞が見つかってから数年以内に約3割の人が脳梗塞の発作を起こす

というデータがあることからも、あなどれないものなのです。

 

脳梗塞は、それまで比較的元気そうに見えた人が、ある日突然、

意識を失って倒れることが多いため、

予告なしに突然襲い掛かる病気のように考えがちですが、

実は、目に見えないところで少しずつゆっくりと、

長い年月をかけて進行していく病気なのです。

ふだんの生活の中で、徐々に血管が傷つけられていくこともあれば、

身内の死のような大きなストレスが降りかかった場合、

血管が一気に傷ついてポロポロになってしまうこともあります。

 

したがって、脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、

ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけることが非常に大切なのです。

 

隠れ脳梗塞は、いわば皮膚のシミやシワのようなもので、

年齢とともに誰にでも起こり得る脳の老化現象の一つです。

実際、脳をMRI(磁気共鳴画像)で診断すると、実に40代の3人に1人、50代の2人に1人、

60代の8割以上に隠れ脳梗塞があることが確認できます。

 

ボケ症状の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くのボケを防ぐことができます。

一昔前は、脳血管障害(脳卒中、脳溢血、中風など)は、いったん起こってしまったらしかたがないもの、

とあきらめていましたが、最近では脳血管障害の治療や管理が飛躍的によくなり、

少々痛んだからといって、必ずしも死に至る病ではなくなりつつあります。

加齢とともにだれにでも起こり得る脳血管障害は、現代では軽い脳の血管障害ならば、

かなりのところまで予防が可能なのです。

 

平均寿命の上昇に伴い、増加傾向にある軽い脳血管障害は、マヒや認知症、寝たきりなどの

後遺症のおそろしさから、だれもがその不安を抱えつつ生活している部分があります。

しかし、予防に関しても大いに進歩し、症状が出る前の病気の把握や予知により、

大きなダメージをもたらす前の初期の段階で、的確に予防することが可能となってきたのです。

「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」

日時:2016年9月19日 PM 03:31
健康寿命をのばすということ

2016.8.26.jpg

「健康寿命」をのばす、という考え方。

健康寿命とは、一生のうちで、介護などを受けずに、

自立して日常の生活を送れる期間のことです。

生きている間は、自分の力で動き、

自分で身のまわりのことができ、

自分で食事をし、自分で思いを伝え、

生活を楽しみたい。

「健康な状態」で「長生き」することこそ、大切に!

 

  ◆◆ 健康寿命をのばすということ ◆◆

 

「人間は血管とともに老いる」

 

これは、約100年前に、医学者のウイリアム・オスラー博士が言った言葉です。

 

言い換えれば、「血管を老いさせなければ死なない」ともいえるわけです。

 

“不老長寿”は、人々に共通する願いなのかもしれませんが、

やはり、人間は年齢とともに老いていくのが、自然の流れなのだと思います。

 

医療の進歩で、命を“生かしておく”ことはできるようになりました。

 

しかし、それは、本当に幸せなことなのでしょうか。

 

「健康な状態」で「長生き」することこそ、大切にすべきだと考えています。

 

「健康寿命」をのばす、という考え方です。

 

健康寿命とは、一生のうちで、介護などを受けずに、

自立して日常の生活を送れる期間のことです。

 

生きている間は、自分の力で動き、自分で身のまわりのことができ、

自分で食事をし、自分で思いを伝え、生活を楽しみたい。

それは、誰もが望むことでしょう。

 

脳卒中は、後遺症が残る確立が高い病気です。

もしも発症した場合、今の段階では約3割の人に、

介護が必要な後遺症が残るといわれています。

 

もちろん、実際に発症しても、その後何事もなかったかのように生活できる人や、

軽度の後遺症のみで、それほどの不自由なく暮らしている人も多数います。

相当な覚悟と努力で後遺症と闘い、障害を抱えながらも、

すばらしい人生を送っている人も多くいます。

 

しかし、やはり脳卒中にはならないでほしい。

 

「脳卒中にならない生き方」

 

「脳卒中の危険因子」を、しっかり遠ざけ、あるいは管理すれば、8割は防げます。

 

ところが、そうはいっても、発症する人を完全になくすことができないのも事実です。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2016年8月26日 PM 03:13
脳にはまだ知られていない「驚くべき力」がある

2016.8.8.jpg

死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかの

ルートで代用できれば、言葉がある程度話せるように

なり、失語症もよくなっていくということです。

言語障害はその期間を過ぎても、新たなルートを

開拓できるわけですから、運動麻痺にもその可能性が

ないとは言い切れないと考えられています。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、

新たな試みがされています。

可能性のあるかぎり、あきらめずに努力する、

ということが大事なのではないかと思います。

 

◆◆ 脳にはまだ知られていない「驚くべき力」がある ◆◆

 

脳卒中は、脳の一部を壊してしまう病気です。

 

しかし、脳には驚くべき力が眠っています。

運動麻痺は6ヶ月を過ぎると改善が見られなくなるのに対し、言語障害が回復するのは

脳のすごさを物語る、一つの事例です。

 

たとえば、死んでしまった神経細胞が「言葉を話す」という役割を担っていた場合、

脳からの指令がうまく伝わらなくなるので、しゃべれなくなってしまうのです。

 

ちょっとイメージしてみましょう。

 

脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、

という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、

死んでしまって、その指令も届かなくなる。

 

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、

スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

 

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、

言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

運動麻痺に関しては、6ヶ月間、新たなルートを探したり、バトンの練習をしたりしたけれど

ダメだったという場合には、麻痺がそのまま残ってしまいます。

しかし、言語障害はその期間を過ぎても、新たなルートを開拓できるわけですから、

運動麻痺にもその可能性がないとは言い切れないと考えています。

 

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

あきらめずにチャレンジし続ければ、復活の日はいつか訪れるかもしれません。

 

ものごとに“絶対”はありません。

だから「絶対に治る」こともなければ「絶対に治らない」ということもないのです。

可能性のあるかぎり、あきらめずに努力する、ということが大事なのではないかと思います。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2016年8月 8日 PM 04:37
認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!

2016.4.6.jpg

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、

その原因のほとんどが脳梗塞です。

脳梗塞の前兆である「隠れ脳梗塞は、早い人だと30代から

あらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つと

とらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、

脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。

 

 

◆◆認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!◆◆

 

■脳卒中や心筋梗塞と同じメカニズムで発症してくる

「認知症とは、どんな病気だと思いますか?」と聞くと、ほとんどの方は

「(頭が)ボケて何もわからなくなる病気」と答えます。

つまり、人間のメンタルな部分に問題を生じてしまう病気である、

と答える方が圧倒的多数を占めます。

 

これは、ほとんどの方にとって、認知症が「精神疾患のひとつ」として

認識していることを示しているのでしょう。

 

確かに医学的にも認知症は精神疾患のひとつとして分類されていますし、

最近では対応する診療科もほとんどのケースで精神科となりつつあります。

 

しかし実は、認知症は同じ精神科で扱う他のさまざまな精神疾患とは、

かなり趣を異にする病気です。

 

上記のように「認知症とはどんな病気だと思いますか?」と聞かれたとすれば、

「認知症は生活習慣病の終着駅です」と答えます。

 

認知症は確かに精神疾患のひとつでもありますが、より本質的には

生活習慣病であると考えられるからです。

 

しかもさまざまな生活習慣病が、年をとって最後により大きな問題として

表に出てくるときの形態のひとつが、認知症だと考えます。

 

生活習慣病というと、一般的には糖尿病や高血圧、脂質異常症、

肥満、メタボなどを想像されるでしょう。

 

これらの生活習慣病を持っている患者さんでは、突然死を招く脳卒中や

心筋梗塞などの怖い病気が発症しやすいことがよく知られています。

実はそれと同じように、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、

メタボなどの生活習慣病を持っている患者さんでは、

健康な状態の人より認知症の発症リスクが高まります。

 

その理由は、主に血管にあるのでしょう。

 

生活習慣病を持っている人では、長い年月のあいだに血管が

大きなダメージを受けるので、脳卒中や心筋梗塞などの血管が詰まったり、

破れたりする病気が起きやすくなります。

 

認知症でも基本は同じで、脳内の血管がダメージを受け、次第にそこから

栄養や酸素を受け取りづらくなると同時に、老廃物を効率よく回収できなくなって、

脳の細胞が弱ってしまうのが発症の遠因として考えられます。

 

また、そもそも認知症は「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」

「レビー小体型認知症」「その他のタイプの認知症」の4つに大きく分けられますが、

このうち、全体の2割程度を占める脳血管性認知症は、

脳内での梗塞や出血が直接の原因となって発症する認知症です。

ですから、血管性認知症に限って言えば、脳梗塞や心筋梗塞と発症のメカニズムが

ほとんど変わらないのです。

 

また、全体の6割程度と多数を占める「アルツハイマー型認知症」の発症の背景にも、

こうした脳内血管の機能低下があると考えられており、認知症が脳卒中や

心筋梗塞と同じ「生活習慣病の終着駅」であることを裏付けています。

 

脳卒中や心筋梗塞ではあるとき急激に症状が出てくるのに対し、

認知症ではそれがゆっくりと進行して、人間の認知機能を奪っていく、

という症状の表れ方の違いがあるだけなのです。

 

■食事の影響は大きい

ということは、認知症を予防するための方法は、

各種の生活習慣病を予防するための方法とほぼ一致しています。

そして生活慣病予防ということは、日々の食習慣改善についても

意識することが非常に大切になります。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2016年4月 6日 PM 02:40
多発脳梗塞性認知症を防ぐためには

2016.1.17.jpg

 

 大切なことは、1日ボーッとしていることではなく

 脳を活発に動かすこと。

 手を動かしたり、運動したり、本や新聞を読んだり、

 人と交わりたくさん話をするなどして、

 脳を活発に動かすことが認知症を予防・改善する、

 という報告が増えています。

 

 

 

 

     ◆◆ 多発脳梗塞性認知症を防ぐためには ◆◆

 

認知症を防ぐためには、規則正しい生活を送り、適度の運動・食事をとることですが、

これが簡単なようで最も難しいことです。

 

・ 認知症を予防するには

多発脳梗塞性認知症を防ぐためには、脳梗塞の原因となる高血圧、不整脈、糖尿病、

高脂血症、肥満を治療し、動脈硬化および脳梗塞を予防することです。

禁煙を行い、アルコールのとりすぎにも、注意する必要があります。

 

また、これらの動脈硬化因子は、アルツハイマー病にも関連していることが、

最近わかってきています。

 

外来で高血圧の薬や高脂血症の薬を出すと、「一生薬を飲むのですか?」とよく聞かれます。

運動療法や食事療法で高血圧や高脂血症が改善する人もいますが、

脳梗塞・認知症を予防するためには、やはり薬は必要です。

 

脳血栓症では、一般的には抗血小板剤であるアスピリンやパナルジンなどを服用します。

 

また、不整脈(心房細動)がある場合には、循環器内科で不整脈の原因について精査する必要があり、

抗凝固薬のワーファリンを服用し、血液を固まりにくくすることが必要になります。

 

適度な運動・睡眠は、肥満の予防とともに、疲労回復のためにも大切です。

偏食を避け、魚や緑黄色野菜を十分に摂取することは悪玉コレステロール(LDL-C)を下げ、

高脂血症を防ぎます。

とくに魚の中でも、いわしやさんまなどにはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサキサエン酸(DHC)などの

多価不飽和脂肪酸がたくさん含まれていて、中性脂肪の低下や血圧降下に作用があります。

 

また、ビタミンB群や抗酸化物、ミネラルを十分に摂取することも大事と考えられています。

 

最近では音読や計算など、認知症を防ぐための教材も書店で見かけるようになりました。

本や新聞を読んだり、人と交わりたくさん話をするなどして、脳を活発に動かすことが

認知症を予防・改善する、という報告が増えています。

 

「手を動かしたり、運動したりすることも効果がありますか?」とよく聞かれますが、

大切なことは、1日ボーッとしていることではなく脳を活発に動かすことですから、

音読や計算同様、認知症予防に効果があると思います。

 

≪認知症を防ぐためには≫

1. 規則正しい生活、適度の運動、食事休息

2. 高血圧、不整脈、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙の治療

3. 脳を活発に動かす!(会話、社会活動、読書、音読、計算なども有効)

「脳の病気 より」

日時:2016年1月17日 PM 03:17
最も注意しなくてはいけないのは血管障害

2016.1.16.jpgのサムネイル画像

 

 私達が日常気をつけなければならないのは、

 血管を健康に保つということです。

 高齢になれば脳の細い血管などは、

 知らず知らずに小さな梗塞を起こしています。

 それがあちこちに起これば、

 脳梗塞や脳卒中にも結びつきます。

 

 

 

   ◆◆ 最も注意しなくてはいけないのは血管障害 ◆◆

 

脳の老化で怖いのは、認知症になってしまうことです。

年齢相応に記憶力が低下したり、発想力が低下するのは、

ある程度仕方ないこととあきらめてください。

それは、40歳以上になると脳細胞が年々死んでいくからです。

 

ただし人によって、その減り方を遅くすることは、

生活習慣や頭をうまく働かせることによって可能だということです。

 

もちろんもって生まれた体の丈夫さ、頭の働きのよさなど、

遺伝的な形質は無視できないものです。

たとえば、筋肉がつきやすいかつきにくいかなどは、遺伝的な要素が大きいものですし、

親が糖尿病であれば自分も糖尿病になりやすい、

つまりインスリンが出にくい体質をもっているということもあります。

 

それでは脳のほうはといえば、たとえば頭のよさの遺伝子というものは、

頭のよさといってもいろいろな要素があるだけに、これだと特定することはできませんが、

一卵性双生児に相関性が高いことから、ある程度遺伝的な影響が大きいこともわかっています。

 

ただし、かなり大雑把な言い方になりますが、頭も体も性格も、

遺伝に左右されるものが半分だとしたら、

環境など生活習慣に左右されるものが半分とみることもできます。

糖尿病では、食生活と運動の習慣によって、インスリンの働きを活発にすることで

血糖値を下げることができるように、生活習慣で、

遺伝子の働きを変えることができるわけです。

 

ですから、私たちが日常生活でまずできることは、頭を通常以上に老化させたり、

体を老化させる危険因子を極力少なくすることです。

 

認知症の多くは血管性とアルツハイマー病です。

アルツハイマー病のもとである脳の老人斑は、

年をとればある程度増えていくのは仕方ないことです。

それがどうして過剰に増えてしまうのか、現在のところ、わかりません。

 

ですから、いまのところ、生活習慣でアルツハイマー病にならないようにする

というのはできないのですが、もう一方の血管性のほうは、

血管を健康に保つことで、ある程度予防できるわけです。

そして、脳梗塞などを起こしていないとしても、

血流が悪いことが脳の老人斑を増やす要素にはなり得るので、

血管性とアルツハイマー病は関連がなくもないわけです。

 

となると、私達が日常気をつけなければならないのは、血管を健康に保つということです。

ことに、高齢になれば脳の細い血管などは、知らず知らずに小さな梗塞を起こしています。

それでも問題が起こらないのは、体の中でバイパスをつくってくれているからです。

しかし、それがあちこちに起これば、脳細胞は死んでいくことになりますし、

脳梗塞や脳卒中にも結びつきます。

 

脳梗塞や脳卒中は脳の働きだけでなく、体の機能にも影響します。

ですから、血管を健康に保つことが、脳の老化を遅くするだけでなく、

体の老化を防ぐためにも大切だということです。

 

そして、異常を見つけたら、早い段階に病院へ。

早い段階であれば、梗塞部分を溶かしたり、パイパス手術などを行えば、回復できます。

 

また、これはすべての人に当てはまるわけではありませんが、

頭に打撃を受けることが脳にダメージを与えます。

転倒して頭を強く打ったり、ボクシング、サッカー、ラグビーなどをしている人は、

充分注意したほうがいいと思います。

「いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 より」

日時:2016年1月16日 PM 04:19
魚の王様はサケ

2015.12.5.jpg

 

朝食に出てくる魚といえば、鯵などの干物が多いかもしれませんが、

ぜひ食べてもらいたいのが、サケです。

じつは、朝食だけでなく、お昼の定食でも夕食の食卓にも載せていただきたい。

 

サケは、抗加齢という目的で食してもらいたい魚のナンバーワンなのです。

サケの身は、ご存じのように赤い。

この赤い身に、抗加齢効果があるのです。

 

サケの赤身をつくっているのは、アスタキサンチンという天然色素です。

アスタキサンチンは、元々は海藻の色素で、それを食べたオキアミを、

さらにサケが食べて、サケの赤い身をつくっています。

 

蟹やエビも茹でると赤くなりますが、これもアスタキサンチンによります。

蟹やエビに含まれているアスタキサンチンは、

たんぱく質と結合しているために通常は黒い色をしているのですが、

焼いたり茹でたりしていったん熱が加わると、

アスタキサンチンがたんぱく質を分離するので赤く発色します。

 

オキアミ、蟹、エビはともに、アスタキサンチンの元となる海藻を食べているのでしょう。

 

サケは、産卵のために故郷の川を遡上していきますが、

その間食べものはまったく口にしないといいます。

海にいるときは回遊していますので、ゆったりと泳いでいますが、いったん故郷の川に入ると、

流れに逆らって昇っていきます。

相当の運動量と思われます。

その運動量によるダメージから身を守っているのも、アスタキサンチンです。

 

ここでアスタキサンチンを紹介したい一番の理由は、その抗酸化力です。

わたしたちが生きていく上で酸素は欠かせません。

しかし、酸素の一部が活性酸素という有毒のものにつきません。

除去しきれなかった活性酸素が、体の中のコレステロールを酸化したり、

細胞そのものを酸化したりしていきます。

これが動脈硬化や老化の原因になります。

 

老化を遅らせるためにも、酸化を防ぐ必要があります。

そのために、酸化を防ぐ抗酸化作用のある食べものをとることが大切なのです。

 

アスタキサンチンは、抗酸化作用がたいへん強いのです。

抗酸化作用のあるものというと、ビタミンEや天然色素(カロテノイド、

とくに赤い色のもの)が代表ですが、

アスタキサンチンはビタミンEの500倍、トマトのリコピン(トマトを赤くしている色素)などより働きが強く、

いまのところ「史上最強のカロテノイド」といわれています。

 

故郷の川をさかのぼるサケは思い切り体を動かしています。

活性酸素もたくさんできているはずです。

それをアスタキサンチンが抑えこんでいるのでしょう。

 

アスタキサンチンのいいところは、血液脳関門を通り抜けられることです。

血液脳関門は、脳に有害な物質が入り込んでくるのを防いでいますが、

反面、脳にいいと思われるものも通過することができません。

ところが、アスタキサンチンは脳関門を通過できると報告されていて、

認知症の予防に期待が持たれています。

 

サケの栄養はアスタキサンチンだけではありません。

ビタミンA、B2、D、Eなどのビタミン類や、EPAやDHAも豊富です。

中高年の生活習慣病を予防するには最適です。

 

最近、スーパーなどで養殖ものが多いようですが、エサの添加物や薬なども気になりますので、

できれば天然のものを求めたいところです。

「100歳までホケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング より」

日時:2015年12月 5日 PM 03:38
ぼけとは何か?単なる老化と認知症との違いは?

2015.8.16.jpg

 

 とかく「年のせい」にされがちなお年寄りのボケ症状。

単なる老化現象なら心配ないのですが、認知症の始まりということもあります。

それぞれの違いを知っておきましょう。

 

≪ぼけという言葉をどんな場合に使う?≫

 

 「うちのおじいちゃん、このごろ、物忘れがひどくなって・・・・・・年でぼけたのかな?」。

ぼけという言葉は、よくこんなふうに使われます。

 

 ただし、ぼけというのは通俗語ですから、医学的な定義はありません。

いろいろな使われ方をされますが、知的な機能をあらわす意味としては、

次のように分けて考えられるでしょう。

 

(1) 脳や体の病気のために、知能が異常に衰えてしまった、認知症の状態をあらわす。

(2) 年齢とともに、ほとんどの人に出てくる知的な機能の衰え(ものわすれ、度忘れなど)をあらわす。

(3) (1)と(2)の意味も含め、漠然と頭の働きや感覚などが鈍くなっている状態をあらわす。

 

 ここで気をつけたいのは、同じように見えても(1)と(2)のぼけはまったく違うものだということです。

 

 人間の知的能力は、40〜50代のあたりまでは伸びつづけるとされますが、

その後はだんだん下降線をたどるようになります。

年をとれば、骨も筋肉も内臓も、体のさまざまな部分が衰えてくるように、脳の働きも低下します。

新しいことを覚えにくくなったり、物忘れしたりするのは、多かれ少なかれ誰にでも見られるもの。

病的なものではありません。

 

 一方、(1)の認知症の場合、これは脳の病気です。

認知症は、医学的には次のように定義されています。

「いったんは正常に発達した脳の機能が、脳の障害で不可逆的に(元に戻らないこと)そこなわれていって、

記憶、思考、判断などの知的機能に支障をきたし、社会活動を営むことがむずかしくなっている状態」

 

 認知症になっても、かつて持っていた「発達した知能」を一度にすべて失うわけではなく、

部分的に残している人は多いのです。

 

 このことは、認知症の人を理解するうえで非常に大切です。

 

≪老化現象と病的なもの。同じ物忘れでも違いがある≫

 

 いわゆる「年のせい」によるぼけは、健忘症と呼ばれる良性の「物忘れ」がほとんどで、

自然な老化現象なので心配はいらないものです。

 

 やっかいなのは、老化による「物忘れ」と、認知症による悪性の「物忘れ」が、

初期のうちはあまり区別がつかないことです。

 

 アルツハイマー型の認知症は、記憶の衰えで始まることが多いのですが、周囲にいる家族は、

おかしいと気づいても、認知症と認めたくないという心理が働き、

「年のせい」ですませてしまうことがあるかもしれません。

 

 たとえば、冒頭に述べたおじいちゃんのようなぼけが、はたして「年のせい」なのかどうか。

周囲の人が早く病気を見つけるためにも、認知症と老化による健忘症との違いは

知っておく必要があるでしょう。

 

 両者の違いは、ひと言で言うと「体験したことを覚えているかどうか」です。

 

 ふつう私たちは、何を食べたか、その献立(内容)は忘れてしまっても、

食事をしたことまで忘れることはありません。

しかし認知症では、食べたという体験そのものがすっぽり抜け落ちて、

「まだ食べていない」と騒いだりすることもあるわけです。

 

 それでも初期のうちは、忘れっぽくなっていると自覚し、不安に感じる人もいますが、

進んでいくと、忘れたこと自体忘れるようになります。

 

このように、認知症では、「物忘れ」がしだいに悪化していって、日常生活にも支障が出るようになります。

逆に老化による「物忘れ」は、多少は変化しますが、病的に進行することはありません。

 

 単なる老化現象と認知症による記憶障害との違いは、下記のようになっています。

 

★「物忘れ」――老化現象と認知症の違い★

 

<老化の場合>

・体験したことの一部分を忘れる

・物忘れをしている自覚がある

・忘れっぽさは、あまりひどくならない(進行しない)

・日常生活には、差し支えない程度

 

<認知症の場合>

・体験したこと全体を忘れる

・物忘れしているという自覚がない

・忘れる度合いがふえ、悪化していく(進行していく)

・判断力の低下なども加わり、日常生活に支障が出てくる

「認知症・アルツハイマー病 より」

日時:2015年8月16日 PM 04:35
≪脳血管性の認知症≫認知症の6割は脳血管障害が原因 なかでも脳梗塞が圧倒的に大きい

2015.8.5.JPG

 

脳梗塞や脳出血などが原因で、

自分のおかれている状況や自宅がわからなくなるなどの症状が出ます。

単なる老化ではなく、れっきとした病気です。

 

歳をとるともの覚えが悪くなり、昔のことはよく覚えているのに、

つい昨日のことが思い出せなくなったり、

人や物の名前が出てこなくなったりします。

老化現象によって脳の神経細胞が減ってくるからです。

 

認知症はこうした老化現象とは違い、

脳の神経細胞の減少が通常よりも早く消滅してしまう病気です。

物忘れは歳をとれば誰にでも起こりますが、認知症は脳や身体の疾患が原因となり、

記憶や判断力などの障害が起こって、普通の社会生活が送れなくなる状態です。

 

ですから、物忘れが激しくなってきたことを自覚しなくなったら、

認知症が始まっていると考える必要があります。

認知症は病気であり、単なる物忘れではないからです。

認知症の初期には物忘れとの区別が難しいこともありますが、

物忘れでは記憶障害のみであるのに関わらず、

認知症では物忘れ以外にも時間や判断が不確かになるといったことも起きてきます。

 

例えば、自分が置かれている状況がわからなくなったり、

外出しても自分の家がわからなくなる、

言語障害を起こして話ができなくなるということもありますし、

怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動が見られたりすることもあります。

 

認知症の原因となる病気はたくさんありますが、脳の血管が破れることによって、

脳細胞に壊死した部分ができる脳血管障害による認知症が約60パーセント、

アルツハイマー病による認知症が約30パーセントとなっています。

そして、脳血管障害による認知症の原因の70〜80パーセントは脳梗塞によるもので、

脳梗塞を繰り返しているうちに、脳の機能に障害が起こり認知症が進行していくケースが多いようです。

症状は脳血管障害によって損失を受けた部位によって異なりますが、めまい、しびれ、言語障害などです。

知的能力低下にはむらがあり、記憶力がかなり低下していても判断力や理解力はかなり

保たれているケースもあり、これを“まだら認知症”と言ったりします。

 

なお、日本人は脳梗塞によって脳のあちこちに0.5〜15ミリ程度の

小さな梗塞巣が発生してなる認知症になることが多いといわれています。

 

<予防・治療>

 

脳血管性の認知症は、原因となる動脈硬化を治療したり、脳血管の血液循環の改善薬や、

脳細胞の働きを活発にする薬物治療などがありますが、より一般的に脳の老化を防止するには、

議論をしたり、読書をしたり、考えたりして頭を使ったり、手足を使う工夫をすることが大切です。

 

脳には主役のニューロン(神経細胞)の他に、20パーセントくらいの予備のニューロンがあります。

主役のニューロンが死んだときには、この予備のニューロンが働いてくれるようになっているのです。

頭を使うことで予備のニューロンが働くようになります。

「ビジネス脳・幸せ脳・健康脳 より」

日時:2015年8月 5日 PM 02:36
Copyrights(C) (株)トーアカンパニー ビタミンB12 2006.All Rights Reserved.