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脳を鍛える読書の効果

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アメリカの大学の研究者らが、学生を対象に、本を読むことで脳にどんな反応が起きるか調べた研究があります。

論文によると、脳の活動に関係する血液の流れを5日間測定したあとで、翌日から長い小説を9日かけて読んだもらい、読書期間中も同じ検査を行いました。9日後に小説を読み終えると、そこからさらに5日間、検査を続けます。つまり、19日連続で検査したことになります。

すると、読書している期間だけでなく、読み終わって数日たっても、脳の言語、記憶、聴覚をつかさどる部分が活発に活動していることがわかりました。

 

 

脳を鍛える読書の効果

 

成人のなかでも高齢層の勉強というと、

脳を刺激するためのトレーニングを思い浮かべる人がいるかもしれません。

パズル、計算、クイズ、ゲームソフトなどさまざまな製品が開発されていて、

かなりのブームになっています。

しかし、これらのトレーニング法の効果については否定的な専門家が少なくありません。

 

イギリスでは1万人以上が参加して、思考力、記憶力、認知機能をきたえる

とうたうコンピューターゲームの効果を調べる実験が行われました。

けれども、トレーニングを6週間続けても脳の機能に変化はなく、

トレーニングの回数を変えても結果は同じでした。

 

この研究を実施した研究者らは、単純作業を繰り返す脳のトレーニングに取り組むよりも、

本を読む、絵を描く、人に会うなどの創造的な生活を送るほうが有効だろうと述べています。

これらは、いずれも「勉強」と「新しい経験」が求められる行為であり、

だからこそ長生きにつながる可能性があるのです。

 

読書については、アメリカの大学の研究者らが、学生を対象に、

本を読むことで脳にどんな反応が起きるか調べた研究があります。

2013年に発表された論文によると、

脳の活動に関係する血液の流れを5日間測定したあとで、

翌日から長い小説を9日かけて読んだもらい、

読書期間中も同じ検査を行いました。

9日後に小説を読み終えると、そこからさらに5日間、検査を続けます。

つまり、19日連続で検査したことになります。

 

すると、読書している期間だけでなく、読み終わって数日たっても、

脳の言語、記憶、聴覚をつかさどる部分が活発に活動していることがわかりました。

研究者らは、このとき「意味の具現化」が行われているのではないかと考えています。

難しそうな言葉が出てきましたが、たとえば、

約束の時間に遅れそうな場面を想像してください。

 

こんな時に限って信号がなかなか変わらず、血の気が引く思いがする。

大事な書類を忘れずに持ってきただろうか?

立ち止まって必死で確認しながら時計を見ると、

うわあ、あと7分しかない!……

こんな状況を想像するだけで冷や汗が出て、

胃が冷たくなるような気がするでしょう。

これが「意味の具現化」で、文字を目で追っているだけなのに、

実際に体験しているときと同じような反応が脳で起きることをいいます。

 

本を夢中で読んでいると、次第に登場人物になりかわって

自分が行動しているように感じることがあります。

この感覚は脳がフィクションと現実を混同することで起こります。

先ほどの研究では、読書を終えて5日たっても脳の反応が続いていました。

読書は「意味の具現化」を通じて、脳に長く影響をあたえるのです。

 

大切なのは、その場面を脳でありありと思い浮かべることなので、

漫画や、さし絵がたくさん入った本は適していないと思います。

速くたくさん読む必要もありません。

自分のペースで、周囲のものごとが耳に入らないくらい、

本の内容に集中して読んでください。

「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、

やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という

神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、

さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、

簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、

ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、

ドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な

糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、

神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも

原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、

からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの

栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、

動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

日時:2020年4月13日 PM 04:54
シニアの脳にこそ栄養が必要

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神経伝達物質を増やすにはどうしたらいいのかというと、まずこれらの主原料となるたんぱく質を十分に取ることです。

ところが、感情老化が進む年代になると日本人は肉や魚をあまり食べなくなり、たんぱく質が不足した状態になってしまいます。日本では70歳以上の5人に1人がたんぱく質不足だといわれていますから、当然セロトニンやドーパミンが不足しやすくなり、それが意欲の低下を招いて、感情老化を促進することにもなりかねません。

今のところ肉や魚、牛乳や大豆など、たんぱく質の多い食品を食べるのが、もっとも効率のよいたんぱく質の取り方ですから、栄養バランスも考えながら上手に摂取しましょう。

 

 

シニアの脳にこそ栄養が必要

 

「年を取ったら胃腸の負担を減らすよう粗食にしたほうがいい」

「肉食は動脈硬化につながるので控えたほうがいい」

 

日本では、まだまだこうした考え方を持っているシニアが少なくありません。

しかも、食料不足でもない日本で、間違ったダイエットのために栄養失調になったり、

たんぱく質を十分に取らないために筋肉が衰える人がたくさんいるのを見ると、

人生100年時代の先行きが不安になってきます。

いつもでも若々しくいるためには、健康な腸内環境や十分な筋肉量、

健康な精神状態などさまざまな要素が求められますが、

何より大切なのは元気に生きようとする意欲でしょう。

 

生きる意欲や、やる気を高めるには前頭葉の活躍が欠かせませんが、

「ときめく気持ち」と深く関わるドーパミンの存在も大切です。

脳にドーパミンが十分足りて入れば意欲的な気持ちになりますが、

不足するとどうにもやる気が膨らまないのです。

心の働きにとって大切な神経伝達物質にはドーパミンのほかに

セロトニンやノルアドレナリンがありますが、

脳内ホルモンの中でも特に重要なのがドーパミンとセロトニンです。

ドーパミンには意欲や探究心を高め、モチベーションを維持させる働きがあり、

セロトニンには不安や緊張の軽減、感情のコントロールなどの役割がありますが、

この二つは感情の励まし役となだめ役のようなもの。

両方がきちんと働くことで精神のバランスが整い、心が安定するのです。

 

では、この神経伝達物質を増やすにはどうしたらいいのかというと、

まずこれらの主原料となるたんぱく質を十分に取ることです。

たんぱく質は食事で体に取り込まれ、消化酵素によってアミノ酸に分解されますが、

ドーパミンやセロトニンをたっぷりつくるには、

主原料であるたんぱく質がたくさん必要です。

ところが、感情老化が進む年代になると日本人は肉や魚をあまり食べなくなり、

たんぱく質が不足した状態になってしまいます。

日本では70歳以上の5人に1人がたんぱく質不足だといわれていますから、

当然セロトニンやドーパミンが不足しやすくなり、それが意欲の低下を招いて、

感情老化を促進することにもなりかねません。

そんなところへ「年を取ったら菜食がいい」などといっていたら、

たんぱく質不足はますます深刻になるばかりです。

今のところ肉や魚、牛乳や大豆など、たんぱく質の多い食品を食べるのが、

もっとも効率のよいたんぱく質の取り方ですから、

栄養バランスも考えながら上手に摂取しましょう。

脳内ホルモンともいわれる神経伝達物質の合成には、

たんぱく質のほかにもさまざまな栄養素が関係しています。

脳の血流をよくして脳神経の働きを改善するビタミンB12には、

貧血を予防する働きもありますから、ぜひ積極的に取ってほしいものです。

ところが、60歳以上のおよそ20パーセントはビタミンB12不足

だともいわれていますから、要注意です。

ビタミンB12は魚介類やレバーなど動物性の食品に含まれていて、

ベジタリアンの人は必ず不足します。

本格的なベジタリアンではなくても、

日本には野菜中心の食事を好む人がいるので、気をつけてください。

 

健康にいいつもりで高たんぱく質の食品を避けていると、

脳の栄養が不足して、感情の老化を早めてしまいます。

精進料理のような食事が健康的だというのは誤解ですから、

ぜひたっぷりと肉や魚を召し上がってください。

「感情の老化を防ぐ本 より」

 

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イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、

ドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、

アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、

タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、

「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、

年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、

内因子が少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。

しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による

押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。

吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。

さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、

野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、

ビタミンB12を補った方が良いとされています。

胃の病気、ストレスなどでも不足します。

日時:2019年12月17日 PM 03:56
サケの赤い色素が若さを呼ぶ

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栄養面でサケを考えると、他の魚よりも優れた点があることに目を引かれます。なんといってもビタミンDが豊富です。100グラムのサケの身で、1日の必要な量の6倍ものビタミンDが含まれます。

ビタミンDは、カルシウムを吸収するのに必要なビタミンで、骨を丈夫にすることはよく知られていますが、それだけでなく、筋肉を維持して筋力低下を防ぐ作用も注目されています。

骨粗しょう症や加齢性筋萎縮といった、お年寄りが寝たきりになる危険性のある病気を予防するのに効果的だと考えられるのです。

 

 

サケの赤い色素が若さを呼ぶ

 

お正月の祝い魚は、土地によってちがいがあり、サケを用いるのは、主として東日本。

北陸や山陰地方では、ブリが主役となります。

サケの場合、肉質の赤さが、他の魚とはちがった、

神聖でおめでたい魚と考えられていたのです。

 

赤い色には、厄除けの効果があるとか、幸運を呼び込む力があると信じられていました。

この赤い色素は、アスタキサンチンという抗酸化成分。

紫外線などで、体内に発生する活性酸素は、ガンや動脈硬化、心臓病、

老化の原因になります。

その予防対策として、効果的なのが、カロチノイド色素をとることですが、

中でも抗酸化力が強いのがサケに含まれているアスタキサンチンです。

 

抗酸化ビタミンとしてよく知られているビタミンEの何倍もの

抗酸化力があるといわれているのです。

生涯現役で長生きする上では、大変に心強い味方といってよいでしょう。

 

アスタキサンチンは、サケの卵のスジコやイクラ、タラコ、タイやキンキ、

キンメダイなど、皮の赤い魚の皮の部分などにも含まれています。

エビやカニの赤い色素も、アスタキサンチンによるものです。

 

お雑煮の魚に赤身のサケを用いることによって、

1年間の無事を祈ると同時に、不老長寿も祝ったのです。

赤い色素の成分名は知らなくても、サケを食べて長寿を祈ることには、

ちゃんとした裏づけがあったのです。

 

サケの脂質には、物忘れを防ぐ成分や血液のサラサラ作用の強い成分も

含まれている点にも注目しましょう。

「長寿食 365日より」

 

<サケのパワー>

 

サケの一般的な旬である秋に出回るものを「秋鮭(アキザケ)」、

春の終わりから夏にかけて少量出回るものを「時鮭(トキシラズ)」などと呼びます。

時鮭は時を知らずして川に上がってきたもの、白子や卵を持っていないため脂が多く、

DHAやEPAも豊富に含んでいます。サケの卵巣を原料にしたスジコやイクラには、

サケにはない、目に良いビタミンAや抗ストレス作用をもつパントテン酸が含まれています。

 

★カロテノイド系色素の一種アスタキサンチン

サケの身のピンク色はエサとして食べたエビなどのカロテノイド色素の一種、

アスタキサンチンが筋肉にたまったもの。

ビタミンEの500倍もの強力な抗酸化作用が悪玉コレステロールの酸化を抑え、

血管壁を保護します。

 

★牛乳と組み合わせればカルシウムの吸収率アップ

サケに含まれるビタミンDには、カルシウムの吸収を促進する働きがあるため、

シチューやクリーム煮など牛乳と組み合わせると、吸収率がさらにアップします。

また、サケの水煮缶は骨も食べられるため、カルシウムやカリウム、

亜鉛などがバランスよく摂取できます。

 

★カロテノイド系色素とEPAで動脈硬化やがん予防に

アスタキサンチンの抗酸化作用は、ストレス性免疫低下の抑制や、

白内障や胃潰瘍の防止に効果があるといわれています。

多くの魚に含まれているEPAやDHAは脳細胞を活性化したり、

動脈硬化や血栓の予防に役立ったりします。

しかし、塩ザケなどは塩分に注意が必要です。

 

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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、

そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、

動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。


長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、

一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を

摂取できなくなる恐れがでてきます。

ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が

欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 

現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、

認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。

とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、

それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
 

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、

原則として植物性食品には含まれません。

植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。

また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。

胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。

このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。

日時:2019年9月30日 AM 10:11
古くて新しい栄養素「ビタミンB群」の可能性

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ビタミンBの種類によって脂質の酸化を防ぐ段階が違い、少しずつ時間をずらしながら、相互に協力し合っていることがわかってきたのです。

酸化とは、いってみれば体内をサビつかせることであり、老化の原因といわれています。しかし、酸化そのものは人体にとって必要なことなのです。もちろん、酸化が続いてしまうのはよくないことであるのは間違いありません。

ただ、急性期は酸化をさせないといけないこともあります。それがこの反応なのです。

また、ビタミンB群は、脂質代謝を改善する作用があるのと同時に、糖化抑制作用もあわせ持っています。

 

 

古くて新しい栄養素「ビタミンB群」の可能性

 

ビタミンB群は、ストレスや飲酒、糖質のとりすぎなどで

大量に消費されてしまいます。

 

これまでも神経伝達物質の合成に深くかかわっていること、

代謝ビタミンとしての役割があるなど、重要視されてはきました。

そして今、ビタミンB群は、古くて新しい栄養素として

再び注目されています。

 

ビタミンB群についておさらいすると、ビタミンB1、B2、B6、B12、

ナイアシン(B3)、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。

水溶性のビタミンでおもに補酵素として働くため、

かつては少量で十分と思われていた栄養素の代表でした。

 

ビタミンBが、「B群」としてとらなくてはならない

といわれている1つの理由は、

人間のエネルギーをつくり出すTCA回路(クエン酸回路)を回す

重要な役割があるからです。

 

そして最近になって、ビタミンB群は脂質の酸化を防止している

(脂質の抗酸化作用)ということもわかってきました。

抗酸化作用とは、炎症が起こったときに働く

活性酸素に対抗する作用のことです。

 

今まで脂質の抗酸化については、ビタミンEなどの

脂溶性ビタミンの働きが主ではないかと考えられていたのですが、

なんと水溶性ビタミンであるビタミンB群も脂質の酸化を

防いでいたのです。

 

しかも興味深いのは、時間の経過によって酸化の反応が違うことです。

ビタミンB1、B2、ナイアシン、葉酸は最初の1週間はむしろ、

脂質の酸化を促進させる。

そして2週間めは停滞状態で、

3週間めになって脂質の酸化を抑制しはじめるのです。

つまり、最初は酸化を促進して、後半は酸化を抑制している。

 

そしてB12は、1〜2週間目は酸化の抑制作用がないが、

3週目になると急に酸化を抑制しはじめる。

さらにB6は、初期から酸化を抑制している。

 

このように、ビタミンBの種類によって脂質の酸化を防ぐ段階が違い、

少しずつ時間をずらしながら、

相互に協力し合っていることがわかってきたのです。

酸化とは、いってみれば体内をサビつかせることであり、

老化の原因といわれています。

しかし、酸化そのものは人体にとって必要なことなのです。

 

もちろん、酸化が続いてしまうのはよくないことであるのは

間違いありません。

ただ、急性期は酸化をさせないといけないこともあります。

それがこの反応なのです。

まさに、人体の神秘、神の御業というしかありません。

 

さらに、ビタミンB1、B6は、抗酸化だけではなく、

同時に「抗糖化」、つまり糖化を抑制する作用がある物質

としても注目されています。

 

難治性の統合失調症の患者さんの約25%に、

ひどく糖化が進んでいる人たちがいることがわかっており、

同時にその人たちの血中ビタミンB6の数値が

極めて低いことがわかっています。

そこで今、通常の統合失調症の治療で、

ビタミンB6を補充するということが

トライアルとしてなされています。

 

このようにビタミンB群は、

脂質代謝を改善する作用があるのと同時に、

糖化抑制作用もあわせ持っています。

今後の抗酸化アプローチにおいて、

中心的存在の栄養素となる可能性が期待されています。

「「うつ」は食べ物が原因だった! より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が血管にへばりついて、

プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、

酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、

細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためには

なくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、

欠かせない存在なのです。

日時:2019年6月11日 AM 10:55
今日はお手軽にツナ缶でEPA、DHAを。

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毎日のメニューに魚料理を取り入れるといっても、毎日魚を買ってくるのは大変かもしれません。

もっと手軽かつ安価に魚を食べたいときにおすすめなのが、缶詰です。

なかでもお手頃で、スーパーでもコンビニでも売られているのが、ツナ缶。

マグロかカツオが原材料なので、EPA、DHAが豊富です。

 

 

今日はお手軽にツナ缶でEPA、DHAを。

 

■選ぶときに重視したいポイントは?

 

 1. 食塩無添加のものを

 2. ノンオイル(水煮)のものを

 3. ブロックタイプのものを

 

■缶詰は、余計な油が加わっていないものを。

 

毎日のメニューに魚料理を取り入れるといっても、

毎日魚を買ってくるのは大変かもしれません。

もっと手軽かつ安価に魚を食べたいときにおすすめなのが、

缶詰です。

なかでもお手頃で、スーパーでもコンビニでも売られているのが、

ツナ缶。

マグロかカツオが原材料なので、EPA、DHAが豊富です。

 

スーパーの缶詰コーナーに行くと、

いろいろな種類の「ツナ缶」があります。

食塩無添加も、血圧が気になる人には大切なポイントですが、

良質な油を摂るという意味でいちばん大事なのは、調理法です。

 

ツナ缶の調理法には、

「油漬け」

「油入り水煮」

「水煮」

と主に3通りあります。

良質な油を摂りたいと思ったら、必ず「水煮」タイプを選んでください。

ということで、正解は「2.ノンオイル(水煮)のものを」です。

「油漬け」タイプや「油入り水煮」タイプで使われている油は、

大豆油や綿実油など、リノール酸が多いオメガ6系が多いのです。

オメガ3系の油(EPA、DHA)を摂りたくてツナを食べているのに、

一緒にオメガ6系の油をたっぷりいただいてしまったら、台無しです。

 

ツナ缶だけではなく、サバ缶、サンマ缶など、

ほかの魚系缶詰でもおすすめはシンプルな「水煮」です。

もし、水煮タイプのツナ缶はサッパリしすぎていて物足りないと感じるなら、

最近では、健康志向の高まりから、オメガ3系やオメガ9系の油を使った

タイプも出ているので、原材料をチェックして、アマニ油やエゴマ油、

あるいはオリーブオイルなどを使っているものを選びましょう。

 

そのほか、かたまりのまま入ったものやフレーク状に細かくほぐされたものなど、

形状の違いもありますが、それはお好みでどうぞ。

 

◎魚別EPA・DHAの含有量

調理食の場合(可食部100g当たりの含有量)

 

マイワシ(缶詰・水煮):EPA 1200mg DHA 1200mg

サバ(缶詰・水煮):EPA 930mg DHA 1300mg

ウナギ(蒲焼き):EPA 750mg DHA 1300mg

さんま(焼き):EPA 560mg DHA 1200mg

マアジ(開き干し・焼き):EPA 560mg DHA 1300mg

ブリ(焼き):EPA 1000mg DHA 1900mg

「体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! より」

 

《サバ缶の炊き込みご飯》

 

米 1.5合(270cc)

水 同量〜1割増し(270〜300cc弱)

サバ水煮缶 1缶(固形量140g 内容量190g位)

酒 大さじ1

しょう油 少々 ※香り付けに

しょうが 1片(千切り)

※お好みで大葉、ゴマ、紅しょうがなど

 

炊く30分くらい前に米を研ぎ、ザルに上げる。

炊飯器に米、水、酒、しょう油、しようが(千切り)を入れひと混ぜ、

サバ缶を汁ごと加えスイッチオン。

炊き上がったら混ぜ、茶碗に盛る。

お好みでゴマ、大葉の千切り、紅しょうがなどをトッピングしてください。

日時:2018年3月14日 PM 03:13
脳も体も健康で長生きできるかどうかは、10の生活習慣で決まる

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家族に心臓疾患やがんになった人がいて、自分もそのような資質を持っていたとしても、生活習慣でそうした病気にならずにすむことは可能です。

脳の働きについても、生まれつき、遺伝がかかわっていることは確かです。しかし、脳は、その使い方次第でいくらでも力を発揮するようにできるのです。

体の健康を維持して脳がフルに力を発揮できるような土台を整え、頭を使う生活を習慣にすることで可能になります。科学的な根拠をもとにして、具体的にどのような生活を心がければいいのかを、誰でもできる10の基本を、挙げておきましょう。

 

 

脳も体も健康で長生きできるかどうかは、10の生活習慣で決まる

 

遺伝的な要素で、男に生まれるか、女に生まれるかのように、

生まれつき絶対に自分の力では変えられないこともあります。

しかし、家族に心臓疾患やがんになった人がいて、

自分もそのような資質を持っていたとしても、

生活習慣でそうした病気にならずにすむことは可能です。

脳の働きについても、生まれつき、遺伝がかかわっていることは確かです。

しかし、凡人であっても、レオナルド・ダ・ヴィンチやアインシュタイン

などのような天才になることはできないとしても、その使い方次第で、

脳はいくらでも力を発揮するようにできるのです。

体の健康を維持して脳がフルに力を発揮できるような土台を整え、

頭を使う生活を習慣にすることで可能になります。

科学的な根拠をもとにして、具体的にどのような生活を心がければいいのかを、

誰でもできる10の基本を、挙げておきましょう。



1. 週に2〜3回以上、1回30分以上運動をする

若くて体力がある方なら、できれば自分のペースでのジョギングがおすすめですが、

速歩でも充分です。

健康な人なら50代までは、腹筋、背筋などの筋力運動も織り交ぜるようにしてください。

高齢な方は無理は禁物です。

軽い農作業や趣味として庭仕事や家庭菜園などをすれば、筋力も使います。

有酸素運動として、手軽なのはウォーキングです。

できれば毎日30分以上は歩くようにしましょう。

年齢次第ですが、無理して早く歩かなくても、自分のペースで散歩でいいのです。

運動不足の30〜40代の方は、とりあえず、

速歩でのウォーキングからはじめるのがベストです。



2. 食生活のバランスに気をつけ、食べ過ぎない

バランスも大事ですが、もう一つ指摘しておきたいのは、

食べ過ぎないようにすることです。

昔から「腹八分目」と、多少もの足りない程度が健康にいいといわれてきました。

動物実験では、食事制限をすることで寿命が延びることが報告されています。

さらに最近では、空腹のときに出る消化管ホルモンである「グレリン」が出ると、

脳に作用して、脳の働きがよくなるということも報告されています。



3. ストレスをうまく受け流す

人間生きている限り、日々、いろいろなストレスを受けざるを得ません。

同じようにストレスを受けても、それほどこたえない人と、

いつまでも悩み続けたりする人がいます。

楽観的で、あまり悩まない人はそれだけトクをしていることになるのでしょうね。

気持ちのもち方生活習慣で、ストレスをうまく処理することはできるのです。

散歩や運動、趣味などで気分転換をはかったり、

ある人との関係がストレスのもとになっているのならば、

その人となるべく距離をあけるといった方法をとることです。

そうはいっても、自分ではどうにもできない状況というものもあるでしょう。

そんなときは、自分がちょっと変わればいいのではないでしょうか。

神経質な人は、人や状況にとらわれすぎて振り回されることで

ストレスが大きくなるのですから、

多少自分勝手に振る舞うといったことも必要です。



4. 人とのコミュニケーションのある生活

仕事をしていれば必然的に日常的に脳を使います。

しかし、定年退職して現役を退いたとたんに、それまで仕事以外のつき合いが

他にない人は、人間関係がさらにそれまで仕事一筋で家族との会話も少なかった

となると、一日中家にいても家族との会話もほとんどないことになります。

それでは、脳の老化を招き、認知症への道を歩むことにもなりかねません。

もっとも大切なのは家族との会話です。

夫婦や親子の間は、リラックスして話ができます。

それが脳にとってもいいのです。

さらに、趣味などのサークル活動を広げて、近所の人たちなどとのつき合い、

コミュニケーションをはかることも大切です。
 

5. 好奇心を持って、新たなことに挑戦する

6. 学習習慣を続ければ記憶力は保たれる

7. 目標をもつ

 

8. 自分に報酬を与える

報酬を期待することで、ドーパミン神経が活発になるのです。

これを活用して、脳が活発に働くようにすればいいのです。

人から、あるいは社会から報酬が与えられないならば、何かを達成したら、

自分で自分に報酬を与えて、モチベーションを高めるというのも一つの方法です。

人間は叱られたりけなされたりしたら、やる気が起こりません。

怒ればノルアドレナリン、アドレナリンが出て、

精神的にだけでなく体にも悪影響を及ぼしかねません。

できれば、つねに自分の気持ちをいい状態にもっていって、

やる気が起こり、脳も活性化するようにしましょう。



9. 本を読む習慣を維持する

言語野が活動しますし、それだけでなく脳の各部位が活動します。

言語は脳の活動の基本です。この基本能力を維持することは、

脳の基礎体力の維持につながります。

 

10. 意識的に段取りをする

たとえば、料理をするには、まず、野菜や肉を切って、

それを煮たり炒めたりして、味付けをする。

さらに、それをしながら、別の料理の準備をするといったように、

段取りが必要です。

料理に慣れている女性(もちろん男性でもそういう人はいますが)ならば、

それほど意識しなくても順番どおり、段取りよくできますね。

日常的な仕事であれば、女性が料理をするように、それほど意識しなくても、

能率的にこなしているでしょう。

何でも慣れればあまり意識せずにうまくできるようになりますが、

それは脳のシナプス(神経細胞と神経細胞の間)のつながりがよくなって

その段取りが脳の中に組み込まれていて素早く反応するようになっているのです。

そのとき、脳は省力化するようになっています。

しかし、複雑なことや新しい仕事をする、新しい料理をつくるとなれば、

意識的に段取りを考えなければなりません。

それが脳にとってはいいことなのです。

ときには脳に負担を与える必要もあるのです。

そして、その新たなことに慣れれば、それほど意識しなくても

素早くできるようになります。

 

ほかに脳にいい生活習慣としては、同じ睡眠時間であれば、

早寝早起きのほうが、食事も規則的になり、健康にはいいので、

朝型の規則正しい生活のほうが脳にいいことはいうまでもありません。

睡眠時間については、かなり個人差があります。

人によって眠りの深さが違いますから、

短時間でも深い睡眠がとれればそれでいいのです。

時間にこだわる必要はありません。

「いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 より」

日時:2018年3月 8日 PM 03:07
認知予備脳―脳は使わないと衰える

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脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質

というものが行き来します。

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を

行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、

この交差点をシナプスと言います。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、

脳や神経の働きはよくなります。

このシナプスは、歳をとっても増加し、

より成熟した結合が進行するとされています。

 

認知予備脳―脳は使わないと衰える

 

□死滅した神経細胞の働きは十分カバーできる

□使っていない脳を呼び覚ますのは若い頃からの活動的な生活

 

脳の予備能力を最大限に生かすには

 

皮膚や筋肉などの細胞には“再生能力”があります。

たとえば指にケガをしてしまっても、小さい傷であれば、

いつの間にか治癒して元通りになります。

ところが、脳の神経細胞の場合は、そうはいきません。

いったん神経細胞にダメージを受けると、

その細胞の再生はきわめて難しいのです。

いったん認知症を発症してしまうと完治させることができないのは、

そういう理由からです。

 

しかし、一生のうちで使われる脳の機能は20%程度です。

脳にゴミが溜まって神経細胞が死滅してしまったとしても、

残りの80%の機能を活用すれば、認知症を発症せずに済むと考えられます。

つまり、脳の神経細胞には、再生能力がない代わりに、

それを補って余りある“代償能力”が備わっているのです。

 

脳の神経細胞の代償能力が働くシステム――これが「認知予備能」です。

 

認知症の治療法と予防に関する研究の過程で、高齢で亡くなった人たちの脳を

調べたところ、アルツハイマー型認知症に特徴的な脳の萎縮が起きていた場合でも、

認知症を発症していない人がいることが分かりました。

さらに、その人たちの生前の暮らしぶりについて調べたところ、

身体活動をはじめ、生活全般が非常に活発だったのです。

ちなみに、脳に同じような特徴があって認知症を発症していた人は、

活発な生活をしていなかった人が多いという研究結果も出ています。

 

脳は使えば使うほど開発される!

 

これらの事例から、認知症にならなかった人たちの脳では、

神経細胞が傷ついてしまっても、認知予備能が十分に機能していた

という仮説が成り立ちます。

つまり、活発な生活をしていれば、脳に溜まるゴミやシミに

打ち勝つことができると言えるのではないでしょうか。

 

脳を使えば使うほど、神経伝達物質は活発に働き、神経細胞同士の

ネットワーク化が盛んになります。

歩くときも、話すときも、脳では、あちこちの部分がネットワークを巡らせ、

連動し合っているのです。

 

脳にゴミが溜まるのを防いで、認知症の発症を遠ざけるには、

「認知予備能」をできるだけ働かせることが重要です。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

 

*******************************************

 

脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、

新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

ビタミンB12は、シナプス形成に重要な栄養成分です。

 

また、認知症の3割〜5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が

順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー型認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

日時:2017年5月21日 PM 05:19
認知症予防にはイタリアン!?

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アルツハイマー型認知症は、20年以上もの長い時間をかけて、脳の中に“老人斑”が溜まっていくことによって発症します。

高齢になり、もの忘れの兆候が見られるようになってから、慌ててイタリア料理やスペイン料理を食べても、すでに始まっている認知症の進行を止めることはできません。

若い頃から、地中海食のような食事を意識して食べるような食スタイルを実践することが大切なのです。

厚生労働省でも、認知症を含む生活習慣病の予防のために、この地中海食に注目し、日本人の健康的な食事のお手本にすることを提案しています。

 

認知症予防にはイタリアン!?

 

□地中海式の食事には認知症予防に効果的な食材が豊富

□塩分控えめの和食も同等の効果アリ

 

認知症予防にはイタリアン!?

 

脳にゴミを溜めにくい食事とは、具体的に、

どのような食事を摂ればよいのでしょうか。

 

これまでの研究成果として、“週に1回以上、魚または海産物を食べる人”や

“週に3回以上、野菜と果物のジュースを飲む人”は認知症になりにくい

という報告があります。

 

最も有名なものは、“地中海式の食事を摂っている人は

アルツハイマー型認知症になりにくい”という研究です。

 

「地中海食」とは、スペインやイタリア、ギリシャ、モロッコなど、

地中海沿岸の国々の人たちが日常、食べている食事のこと。

この「地中海食」は伝統的な食スタイルとして、2010年11月に、

世界無形文化遺産に登録されました。

 

具体的には、野菜や果物、豆類、穀類を基本に、

肉よりも魚介を多く食べ、赤ワインを少々。

チーズやヨーグルトなどの乳製品とオリーブオイルを

たくさん使うことが地中海食の特長です。

これらは、どれも細胞を若々しく保つ働きのある食べ物なのです。

 

野菜や果物のビタミンCやβカロテン、豆類のビタミンE、

赤ワインのポリフェノールは、細胞をサビつかせる活性酸素を除去する

抗酸化力が強い栄養素です。

魚介類にも、酸化しにくいDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富です。

また、乳製品は、細胞の元になるタンパク質とともにカルシウムも摂取できます。

そして、地中海食の特徴でもあるオリーブオイルは、

酸化しにくいオレイン酸を豊富に含んでいます。

 

反対に、アルツハイマー型認知症になった人たちの食生活を調べてみると、

“若い頃から肉類の摂取量が多く、魚と野菜の摂取量が少ない”

“甘いものの摂取が極端に多い”“食事以外に水分をほとんど摂らない”

“カロリー不足(女性の場合)”などの共通点が見られます。

やはり、動物性脂肪や糖質に偏った食事は、認知症の危険因子になるようです。

 

では、たとえば芸能人の名前が思い出せなくて不安になった人が、

今日から毎日、イタリアンを食べ続ければ、もの忘れがすぐに回復するでしょうか?

 

残念ながら、答えはノー。

アルツハイマー型認知症は、20年以上もの長い時間をかけて、

脳の中に“老人斑”が溜まっていくことによって発症します。

高齢になり、もの忘れの兆候が見られるようになってから、

慌ててイタリア料理やスペイン料理を食べても、

すでに始まっている認知症の進行を止めることはできません。

若い頃から、地中海食のような食事を意識して食べるような食スタイルを

実践することが大切なのです。

 

和食も塩分を控えれば理想的な食事に

 

厚生労働省でも、認知症を含む生活習慣病の予防のために、この地中海食に注目し、

日本人の健康的な食事のお手本にすることを提案しています。

なぜなら、地中海食は、乳製品とオリーブオイルを多用することを除けば、

私たちの馴染みのある和食との共通点が多いからです。

 

“魚に野菜のおひたし、汁物、煮物、米飯”という昔ながらの和定食は、

生活習慣病全般を遠ざける食スタイルです。

そして、日本の食卓に多く登場する、納豆をはじめとする大豆製品やイワシやサバなどの

青背魚、緑黄色野菜などは、地中海食に置き換えられる健康的な食材と言えるでしょう。

 

ただし、和食にはひとつだけ欠点があります。

 

それは、塩分が多くなりがちなこと。

味噌汁や漬け物など、塩辛いものが多いのです。

塩分の多い食事は、言うまでもなく高血圧の原因になります。

最近では、病院での入院食にも、味噌汁やスープがほとんど出されなくなりました。

認知症を予防したいなら、塩や醤油を控えめにした薄味の和食がオススメです。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月18日 PM 04:32
65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

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血糖値の乱高下を繰り返すと、インスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病を悪化させる要因となります。

血糖が血管を傷つけて動脈硬化を招き、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、脳の神経細胞にもダメージを与えます。

また、高齢になると、痩せすぎや栄養の偏りが認知症のリスクになることもあります。

高齢になるほど、炭水化物だけでなく、あらゆる細胞や筋肉の材料になるタンパク質を、しっかり摂る必要があることを覚えておきましょう。

 

65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

 

□1日3回、規則正しく食事を摂ることを心がける

□食事は野菜から食べるようにして腹七、八分目の量をゆっくり食べる

 

データから導き出された疫学的予防法

 

認知症の中で最も多いアルツハイマー型認知症を防ぐためには、

脳の神経細胞にシミやゴミ、つまり「アンドロイドβ」や「リン酸化タウ」が

溜まらないようにする、あるいは溜まったものを掃除することが重要なのですが、

その作用を持つ治療薬は、2017年初めの時点では、まだ開発途上です。

 

しかし、認知症は予防することのできる病気です。

疫学的な研究によって、“認知症になりやすい生活習慣”と、

“認知症になりにくい生活習慣”のポイントも、

いろいろと解明されてきています。

 

「疫学」とは、ある集団の健康に関するデータを集計することによって、

病気が発生する要因を追及する研究方法です。

研究対象となる人たちが10年後、20年後に認知症になったかどうかを調べれば、

科学的なメカニズムを完全には解明できなくても、

どういう生活を目指せばよいのかを知ることができます。

“血糖値の高い人はアルツハイマー型認知症になりやすい”という報告も、

この疫学による研究成果の一つです。

 

1日に3食を摂ることで血糖値の乱高下を防ぐ

 

これらの疫学研究の成果を認知症の予防に利用しない手はありません。

 

まず食生活の面では、1日の食事の回数が重要です。

朝ご飯や昼ご飯を抜いて“1日1食”や“1日2食”の食習慣になっている人より、

1日3回、きちんと食べている人のほうが認知症にかかりにくいことが分かったからです。

 

脳は“大飯食らい”で、ブドウ糖しか食べない“偏食”、

しかも“食い溜めはしない”というワガママな性質を持っています。

 

1日1回や2回の食事では、食間に血糖値が下がりすぎてしまい、

極度に空腹を感じます。

すると、ついつい1回の食事の量も多くなり、血糖値が一気に急上昇。

そしてまた次の食事まで時間が空けば、血糖値は再び急降下……。

 

このように、ジェットコースターのような血糖値の乱高下を繰り返すと、

インスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病を悪化させる要因となります。

血糖が血管を傷つけて動脈硬化を招き、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、

脳の神経細胞にもダメージを与えます。

 

血糖角上昇と下降の波を穏やかにするために、食事は1日3回、

できるだけ規則正しく食べること。

それが認知症の予防につながります。

 

野菜からゆっくり食べる習慣を

 

食べる“量”はもちろん、“順番”や“早さ”も大切です。

 

理想は、“腹七、八分目の食事”

栄養を摂りすぎると、糖尿病を誘発して認知症になりやすいだけでなく、

寿命が短くなるというデータもあります。

10年ほど前に行なわれたサルやチンパンジーの動物実験では、

たっぷり栄養を摂らせたグループよりも、カロリーを30%程度カットした

エサを与えたグループのほうが長生きしたという結果が出ているのです。

 

また、食事の時は、主食のごはんやパンからではなく、

野菜から先に食べる習慣をつけることが大事です。

空腹時には血糖値が下がっていて、糖分を吸収しやすい状態になっています。

そこに、いきなり炭水化物が入ると、インスリンの分泌が追いつかなくなり、

血糖値が急上昇する。

“血糖値スパイク”の状態に陥りやすくなります。

 

一方、野菜類に含まれる食物繊維には糖分や脂肪分の吸収を抑える効果があるため、

先に食べることで血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値の乱高下を防ぐことができます。

洋食のコース料理で、前菜のあとに肉などの主菜とパンまたはライスが出てくるのは、

理にかなった食べ方なのです。

 

そして、“ゆっくり食べる”ことも大切です。

忙しいビジネスマンにありがちな“早食い”も、同様に血糖値スパイラルを招きます。

つまり、早食い、一気食いもメタボや認知症の誘因になると言えます。

短い昼休みや仕事の移動中にササッと食べ物をかき込む人も多いと思います。

早食いがクセになっていると、ゆっくり食べるのは以外に難しいものですが、

一品メニューを避けて定食にする。

時間を捻出して昼休みをもう10分長くするなど工夫をして、

ゆっくり食べる習慣を心がけましょう。

 

65歳以上になったら、タンパク質をしっかり摂る

 

さらに、65歳を過ぎたら、食べ方を切り替えることを薦めます。

働き盛りの中年期までは、カロリーの摂りすぎは万病の元です。

しかし高齢になると、痩せすぎや栄養の偏りが認知症のリスクになることもあります。

なぜなら、脳の神経細胞に必要な栄養素が不足するだけでなく、

タンパク質の不足で筋肉が減ると、筋力が低下して転倒したり、

不活発な生活に陥ったりすることが、認知症の発症を早める原因になるからです。

 

高齢になると、肉料理などを敬遠する人も多いのですが、超高齢の現役ドクターが毎晩、

ステーキを食べているという実話があります。

高齢になるほど、炭水化物だけでなく、あらゆる細胞や筋肉の材料になるタンパク質を、

しっかり摂る必要があることを覚えておきましょう。

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月16日 PM 03:39
「認知症」と「もの忘れ」は別のもの!?

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認知症は、加齢による「もの忘れ」と区別がつきにくいこともありますが、いくつかのポイントを確認しながら観察すると、その違いが分かります。

「もの忘れ」は加齢による老化現象

確かに、記憶障害は認知症の代表的な症状ですが、年を重ねていけば、誰でも忘れっぽくなります。

「もの忘れ」は、体験したことの部分的な細かい記憶を忘れますが、「認知症」の記憶障害は、体験そのものの記憶が丸ごとなくなってしまいます。

同じ記憶障害でも、「もの忘れ」と「認知症」では、まったく性質が異なるものなのです。

 

 

「認知症」と「もの忘れ」は別のもの!?

 

 □ 体験の一部を思い出せないのが「もの忘れ」

 □ 体験したことを丸ごと忘れてしまうのが「認知症」

 

認知症は脳の“病気”です

 

胃腸や心臓、肝臓などの臓器が病気になるのと同じように、

当然ながら脳も病気にかかります。

脳の病気は多種多様で、罹患すれば生活機能に直接影響を及ぼし、

最悪の場合、命を落とす危険性もある重い病気がほとんどです。

 

たとえば、脳の血管が詰まって血液が流れなくなる「脳梗塞」、

脳内で出血を起こす「脳出血」、「くも膜」という脳全体を覆う薄い膜の内側で

出血が起きる「くも膜下出血」など、脳の血管に詰まりや出血が生じる病気を

「脳卒中」と呼んでいます。

 

また、ウイルス感染などが原因で脳や脊髄の膜に炎症が起きるのが「脳炎」、

脳の中に腫瘍が生じるのが「脳腫瘍」です。

 

そして、何らかの原因で脳の神経細胞が傷つき、死滅したために、

記憶障害などの症状が出る病気が「認知症」です。

 

認知症は、加齢による「もの忘れ」と区別がつきにくいこともありますが、

いくつかのポイントを確認しながら観察すると、その違いが分かります。

 

「もの忘れ」は加齢による老化現象

 

“有名人の名前が出てこない”“買物に行って、何かひとつは買い忘れる”といった

経験をすると、「いよいよ認知症の始まりか」と心配になってしまいます。

 

確かに、記憶障害は認知症の代表的な症状ですが、

年を重ねていけば、誰でも忘れっぽくなります

現役世代であっても、仕事や家事での“うっかりミス”や、

いつもメガネや携帯電話などを探している

といった症状は、年とともに増えてくるものです。

 

ただ、それだけなら病気ではなく、加齢による老化現象と考えていいでしょう。

医学的に病名をつけるとしたら、「良性の健忘症」です。

 

認知症と良性の健忘症との区別は、次のような事柄で識別することができます。

 

「もの忘れ」は、体験したことの部分的な細かい記憶を忘れますが、

「認知症」の記憶障害は、体験そのものの記憶が丸ごとなくなってしまいます。

 

たとえば、“昨日は友達と昼食を食べに行って、天ぷらそばを食べた”とします。

「もの忘れ」は、前日に食事に行ったことは覚えていても、

どんなそばを食べたか……

それが天ぷらそばだったか、とろろそばだったかを瞬時に思い出せない状態です。

一方の「認知症」の記憶障害の場合は、食事に行ったこと自体を覚えていない

状態になります。

 

同じ記憶障害でも、

「もの忘れ」と「認知症」では、まったく性質が異なるもの

なのです。

 

「老化によるもの忘れ」と「認知症による記憶障害」の違い

 

<老化による物忘れ>

 □ 体験の一部を忘れる

 □ 時間や場所などの見当がつく

 □ 日常生活に支障はない

 □ もの忘れに対して自覚がある

 □ 進行しない、もしくはゆるやかに進行

 

<認知症による記憶障害>

 □ 体験の全体を忘れる

 □ 新しい出来事を記憶できない

 □ 時間や場所などの見当がつかない

 □ 日常生活に支障がある

 □ もの忘れに対して自覚がない

 □ 進行する

「認知症にならない人がやっている脳のゴミ掃除 より」

日時:2017年5月 9日 PM 04:09
老化を感じ始めたら脳と神経のビタミン

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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

老化物質(ホモシステイン)が動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の危険性が高まるといわれています。

 

老化を感じ始めたら脳と神経のビタミン

 

今から60余年前、アメリカの月刊誌『リーダーズダイジェスト』は、

“赤いビタミン(ビタミンB12)が悪性貧血の患者を救う特効薬だ”と報じて

センセーショナルな話題を提供しました。

以来、“ビタミンB12”は、世界的に研究者の注目を集め、

それに関連した研究にはいくつものノーベル賞が与えられてきました。

そして今では、ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも

効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に

利用されています。

 

食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。

胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。

このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血を

おこすことがあります。

 

また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、

認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。

とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、

それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。

近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、

そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、

動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。

長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、

一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる

恐れがでてきます。

 

ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が

欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

 

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、

原則として植物性食品には含まれません。

植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。

 

ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善

あるいは促進する作用があります。

同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると

体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を少なくする働きも持っています。

 

ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、

年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、

内因子が少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。

しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果

によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。

吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と

考えられています。

さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、

野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、

ビタミンB12を補った方が良いとされています。

胃の病気、加齢、ストレスなどでも不足します。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、

動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと

核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの

栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

日時:2017年4月15日 PM 02:35
欧州で広まる完全菜食主義の弊害

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お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸が

バランスよく豊富に含まれています。
 
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を
 
私達の体に提供できる野菜はありません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、
 
果物、種実はありませんが、動物性食品以外
 
では、発酵食品、海苔に含まれています。
 
毎日の食事に加えるようにしまょう。
 
食事で重要なのは一にも二にもバランスです。
 
お肉を食べずに体を健康的に保つには、
 
それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
 

 

 
 
 
 

◆◆ 欧州で広まる完全菜食主義の弊害 ◆◆

 
今年8月、イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与える
 
という変わった法案が議会に提出されました。
 
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、
 
肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を
 
完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
 
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、
 
法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
 
 
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
 
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、
 
動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
 
 
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、
 
時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
 
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などが
 
ビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
 
「Yahoo!ニュース(2016.9.27) より」
 
 
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、
 
健康的なベジタリアンとは呼べません。
 
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
 
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、
 
お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、
 
ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
 
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
 
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
 
 
ビタミンB12は、加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、
 
腸で吸収されます。
 
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、
 
欠乏症状が現われやすくなります。
 
ビタミンB12は細胞の生成にとって重要な、核酸とたんぱく質の合成に関わっているため、
 
健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
 
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、
 
「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
 
その結果若返りにもつながることにもなります。
 
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、
 
ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
日時:2016年10月 6日 PM 03:14
ビタミンB12はどのような人に必要?

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ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると

サビの原因物質(ホモシステイン、活性酸素など)が

増えるといわれています。

さらに、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、

ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため

一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

 

◆◆ ビタミンB12はどのような人に必要? ◆◆

 

ビタミンB12は、アメリカのフォルカースなどによって、

1948年「悪性貧血予防因子」として決勝が分解され、

ビタミンB12と名づけられました。

1955年にX線による結晶解析法で化学構造が明らかになりました。

 

ビタミンB12は腸で吸収されます。

しかし、その前に胃の内因子と結合することで

吸収される状態をつくっているため胃の病気などの場合は、

胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を

補給する必要があるそうです。

ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって

胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。

吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と

考えられています。

 

高齢で胃の粘膜が萎縮している人や膵臓に病気のある人も同様です。

また、透析を行っている人にも欠かせません。

糖尿病になると食べ物からビタミンB12のほか、葉酸・ビタミンB6の

吸収が阻害されるので栄養補助食品(サプリメント)やビタミン剤などで

補う必要があるとされています。

 

その他にビタミンB12が必要な人は?

肝臓機能維持強化、貧血、末梢神経の修復や中枢神経の脳にも

関係することが知られており、記憶力や精神のバランスにも

関与しているとされています。

 

スポーツをする人にもビタミンB12は必要。

筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、

ビタミン群の仲間が必要です。

筋肉や神経を動かすエネルギーを作るのがB1、神経伝達物質の生成に

働くのがB6、そしてB12の役目は神経細胞内の核酸(DNA)やタンパク質

などを合成、修復するところにあります。

どのビタミンが不足しても神経は正常には働いてくれません。

 

ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないビタミン。

野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、

ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

 

誰でも脳は年齢とともに萎縮します。
 
これは人間が生き物である以上は避けられないことなのですが、
 
統計的に、何歳であればどれくらい小さくなる、ということもわかっています。

年代による脳の違いは明らかですが、この過程が「老化」という現象なのです。

しかし、この萎縮の度合いは、まさに人それぞれで、60〜70歳代ながら
 
ある程度の体積を保っている人もいれば、40〜50歳代でずいぶん萎縮が
 
進んでいる方もいらっしゃいます。

 

脳の萎縮を先送りするには、脳細胞のタンパク合成、核酸(DNA)合成が

順調に行われることが好ましいのです。

ビタミンB12は、タンパク合成と核酸(DNA)合成の両方に役立っている

ことが判っています。

 

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなるとサビの原因物質

(ホモシステイン・活性酸素など)が増えるといわれています。

さらに、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの

栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要です。

「環境農業新聞 より」

 

 

日時:2016年9月23日 PM 04:37
動脈硬化になる時期を、先送りすることを心がける

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動脈硬化が起こる最大の原因は、

なんといっても「加齢」。

これは、誰もが動脈硬化の原因を持っている

ということになります。

動脈硬化が「遅く起こるか」「早く起こるか」

という違いだけなのです。

ですから、「動脈硬化になる時期を、出来るだけ

先送りにする」ということが大切なのです。

 

◆◆ 動脈硬化になる時期を、先送りすることを心がける ◆◆

 

「血管が衰えること」とは、いったいどのような状態なのでしょうか。

 

わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

 

動脈硬化とは、血管の弾力性が失われて硬くなったり、

血管内にさまざまな物質が沈着して「血液の流れが滞る状態」です。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、

50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

動脈硬化は全身の動脈で起こり得るのですが、特に多い部位と、その特徴は次の通りです。

 

1.

脳や首の血管で動脈硬化が起こると、「脳梗塞」や「脳出血」などが引き起こされます。

これらの血管トラブルをまとめて「脳卒中」と呼びます。

 

2.心臓

心臓に血液を供給する冠動脈で動脈硬化が起こると、

「狭心症」や「心筋梗塞」が引き起こされます。

 

3.胸やおなかなどの大血管

胸やおなかの大動脈の一部で動脈硬化が起こると、

血管がふくれ、こぶのようになります。

これを「大動脈瘤」と呼びます。

血管が裂けると「大動脈解離」です。

 

4.腎不全、慢性腎臓病(CKD)

高血圧や糖尿病が長い間続いて、腎臓の中の細い血管で動脈瘤が起こると、

腎機能が衰えてきます。

これを「腎不全」、最近では慢性腎臓病(CKD)と呼びます。

 

5.下肢閉塞性動脈硬化症

下肢の血管に動脈硬化が起こると、足がしびれたり、

冷たく感じたり、歩行中に痛くなったりします。

これを「下肢閉塞性動脈硬化症」と呼びます。

 

動脈硬化をやさしく説明してみると、次の3つの言葉で定義できます。

 

血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

 

その結果、血液や酸素の運搬に支障が出て、細胞を死に至らしめ、

「臓器に障害を与える」、つまり「深刻な悪影響を与える」わけで、

とても恐ろしいことです。

 

ではなぜ、動脈硬化は起こるのでしょうか。

 

動脈硬化が起こる最大の原因は、なんといっても「加齢」です。

これは、たとえどんなに健康な人であっても、避けて通れない要因です。

ショッキングに聞こえるかもしれませんが、

人間は「産まれた瞬間から老化が始まっている」と言えます。

 

つまり、誰もが動脈硬化の原因を持っているということになります。

それが「遅く起こるか」「早く起こるか」という違いだけなのです。

 

だから「動脈硬化を完全に予防する」というのは、

どんなに健康な人であっても不可能な話です。

厳しく聞こえるかもしれませんが、

「動脈硬化になる時期を、出来るだけ先送りにする」

という考え方が正しいのです。

 

そのためには、危険因子(リスクファクター)を、少しずつでも減らしていくことです。

危険因子とは、「その病気になる確率を高める原因」のことです。

 

動脈硬化の危険因子として、日常の診察でチェックする項目は、高血圧、糖尿病、

高コレステロール血症、高中性脂肪血症、肥満、喫煙、遺伝的な素因(家族暦)などがあります。

 

これらの原因を抱えている人は、そうでない人より「動脈硬化になるのが早い」のは明らかです。

便利でラクな暮らしをしていると、生活スタイルそのものが、危険因子になっていることもあります。

たとえば偏った食生活や、運動不足などです。

「しなやかな血管が健康の10割 より」

日時:2016年9月16日 PM 02:26
脳梗塞を防ぐことは、元気な老後を送るうえで不可欠

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 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、
 その原因の多くが脳梗塞です。
 脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が
 数個出現します。
 これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
 隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、
 40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 脳梗塞・隠れ脳梗塞をはじめとする脳血管障害を
 生活習慣病の一つと捉え、脳の血管を健康に保つ
 生活を心がけましょう。

 

 

 

◆◆ 脳梗塞を防ぐことは、元気な老後を送るうえで不可欠 ◆◆

 

2014年の厚生労働省のデータによれば、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)は

死因の第4位で、9.0%の方が命を落としています。

 

脳血管疾患を軽視してはいけません。

 

脳血管疾患の死亡者数は脳出血が激減しているのに対し、

脳梗塞は、大きく減っていません。

 

かつて、日本人は塩分を多くとる食事をしていました。

魚や魚卵、野菜などを塩漬けにし、保存食として常備しました。

さらに、しょうゆや味噌、塩がすべての味つけのベースになっていたのです。

日本高血圧学会は、理想的な塩分摂取量を1日6gと定めていますが、

1950年代後半〜60年代前半の東北地方では、

平均で20g以上も塩分を取っていたといわれています。

 

塩分の多い食事は血圧を高めます。

その結果、細い血管が切れる脳出血が起こりやすかったのです。

昔は脳血管疾患といえば脳出血がほとんどで、

1950年代まで脳梗塞はほとんどありませんでした。

 

ところが、1970年代に入り食生活が欧米化すると、

事情が変わり始めました。

塩分摂取量は劇的に減少し、それに呼応するように

脳出血で亡くなる人の数も減少し出したのです。

 

しかし、逆に肉が多く、魚や野菜が少ない欧米流の食事は、

脂質やコレステロールの過剰摂取を招きました。

1980年代になると女性の進出が顕著になり、外食やコンビニ食が増え、

その傾向に拍車がかかります。

その結果、増えてきたのが脳梗塞というわけです。

 

脳血管疾患で亡くなる人が減ったもう1つの理由として、

医療の進歩が挙げられます。

かつては発作を起こしたら動かさないほうがいい、と信じられていましたが、

現代医療では一刻も早く処置をするように改められています。

そして、最新の緊急医療によって命を取り留めることができるようになりました。

 

その一方で、新たな問題が浮上してきました。

脳梗塞の後遺症によって、介護生活に陥る人が増えたのです。

介護が必要になった原因の24.3%、男性に限れば、

実に41.2%を脳血管疾患が占めているのです。

脳梗塞を防ぐことは、長生きはもちろん、

要介護状態にならず元気な老後を送るためにも不可欠なのです。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

 

日時:2016年9月 1日 PM 04:30
健康寿命をのばすということ

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「健康寿命」をのばす、という考え方。

健康寿命とは、一生のうちで、介護などを受けずに、

自立して日常の生活を送れる期間のことです。

生きている間は、自分の力で動き、

自分で身のまわりのことができ、

自分で食事をし、自分で思いを伝え、

生活を楽しみたい。

「健康な状態」で「長生き」することこそ、大切に!

 

  ◆◆ 健康寿命をのばすということ ◆◆

 

「人間は血管とともに老いる」

 

これは、約100年前に、医学者のウイリアム・オスラー博士が言った言葉です。

 

言い換えれば、「血管を老いさせなければ死なない」ともいえるわけです。

 

“不老長寿”は、人々に共通する願いなのかもしれませんが、

やはり、人間は年齢とともに老いていくのが、自然の流れなのだと思います。

 

医療の進歩で、命を“生かしておく”ことはできるようになりました。

 

しかし、それは、本当に幸せなことなのでしょうか。

 

「健康な状態」で「長生き」することこそ、大切にすべきだと考えています。

 

「健康寿命」をのばす、という考え方です。

 

健康寿命とは、一生のうちで、介護などを受けずに、

自立して日常の生活を送れる期間のことです。

 

生きている間は、自分の力で動き、自分で身のまわりのことができ、

自分で食事をし、自分で思いを伝え、生活を楽しみたい。

それは、誰もが望むことでしょう。

 

脳卒中は、後遺症が残る確立が高い病気です。

もしも発症した場合、今の段階では約3割の人に、

介護が必要な後遺症が残るといわれています。

 

もちろん、実際に発症しても、その後何事もなかったかのように生活できる人や、

軽度の後遺症のみで、それほどの不自由なく暮らしている人も多数います。

相当な覚悟と努力で後遺症と闘い、障害を抱えながらも、

すばらしい人生を送っている人も多くいます。

 

しかし、やはり脳卒中にはならないでほしい。

 

「脳卒中にならない生き方」

 

「脳卒中の危険因子」を、しっかり遠ざけ、あるいは管理すれば、8割は防げます。

 

ところが、そうはいっても、発症する人を完全になくすことができないのも事実です。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2016年8月26日 PM 03:13
認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、

その原因のほとんどが脳梗塞です。

脳梗塞の前兆である「隠れ脳梗塞は、早い人だと30代から

あらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つと

とらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、

脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。

 

 

◆◆認知症は「生活習慣病の終着駅」。だから、予防するには食生活の改善も必須!◆◆

 

■脳卒中や心筋梗塞と同じメカニズムで発症してくる

「認知症とは、どんな病気だと思いますか?」と聞くと、ほとんどの方は

「(頭が)ボケて何もわからなくなる病気」と答えます。

つまり、人間のメンタルな部分に問題を生じてしまう病気である、

と答える方が圧倒的多数を占めます。

 

これは、ほとんどの方にとって、認知症が「精神疾患のひとつ」として

認識していることを示しているのでしょう。

 

確かに医学的にも認知症は精神疾患のひとつとして分類されていますし、

最近では対応する診療科もほとんどのケースで精神科となりつつあります。

 

しかし実は、認知症は同じ精神科で扱う他のさまざまな精神疾患とは、

かなり趣を異にする病気です。

 

上記のように「認知症とはどんな病気だと思いますか?」と聞かれたとすれば、

「認知症は生活習慣病の終着駅です」と答えます。

 

認知症は確かに精神疾患のひとつでもありますが、より本質的には

生活習慣病であると考えられるからです。

 

しかもさまざまな生活習慣病が、年をとって最後により大きな問題として

表に出てくるときの形態のひとつが、認知症だと考えます。

 

生活習慣病というと、一般的には糖尿病や高血圧、脂質異常症、

肥満、メタボなどを想像されるでしょう。

 

これらの生活習慣病を持っている患者さんでは、突然死を招く脳卒中や

心筋梗塞などの怖い病気が発症しやすいことがよく知られています。

実はそれと同じように、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、

メタボなどの生活習慣病を持っている患者さんでは、

健康な状態の人より認知症の発症リスクが高まります。

 

その理由は、主に血管にあるのでしょう。

 

生活習慣病を持っている人では、長い年月のあいだに血管が

大きなダメージを受けるので、脳卒中や心筋梗塞などの血管が詰まったり、

破れたりする病気が起きやすくなります。

 

認知症でも基本は同じで、脳内の血管がダメージを受け、次第にそこから

栄養や酸素を受け取りづらくなると同時に、老廃物を効率よく回収できなくなって、

脳の細胞が弱ってしまうのが発症の遠因として考えられます。

 

また、そもそも認知症は「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」

「レビー小体型認知症」「その他のタイプの認知症」の4つに大きく分けられますが、

このうち、全体の2割程度を占める脳血管性認知症は、

脳内での梗塞や出血が直接の原因となって発症する認知症です。

ですから、血管性認知症に限って言えば、脳梗塞や心筋梗塞と発症のメカニズムが

ほとんど変わらないのです。

 

また、全体の6割程度と多数を占める「アルツハイマー型認知症」の発症の背景にも、

こうした脳内血管の機能低下があると考えられており、認知症が脳卒中や

心筋梗塞と同じ「生活習慣病の終着駅」であることを裏付けています。

 

脳卒中や心筋梗塞ではあるとき急激に症状が出てくるのに対し、

認知症ではそれがゆっくりと進行して、人間の認知機能を奪っていく、

という症状の表れ方の違いがあるだけなのです。

 

■食事の影響は大きい

ということは、認知症を予防するための方法は、

各種の生活習慣病を予防するための方法とほぼ一致しています。

そして生活慣病予防ということは、日々の食習慣改善についても

意識することが非常に大切になります。

「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」

日時:2016年4月 6日 PM 02:40
血管壁の老化が招く高齢者の脳梗塞

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ラクナ梗塞が、低栄養の高齢者に起きやすい脳梗塞です。

今では、低栄養、低コレステロールで脳梗塞が起きることは、医学界の常識となっています。

ただ、脳梗塞というと、あまりにも栄養過剰、高コレステロールが原因だという印象が強いために、なかなか一般の人にはなじみがないのが実情です。

また、LDLコレステロールが、100を切ると、高齢者では逆に心血管病が増えてくることがわかっています。

一方、HDLコレステロール(「善玉)は、高いほどよく、低いほど問題があるようです。

 

 

◆◆ 血管壁の老化が招く高齢者の脳梗塞 ◆◆

 

心血管病に対する一般のイメージは、栄養のとりすぎによってコレステロール値が高くなり、

血液がドロドロになって血管が詰まるというものでしょう。

それが脳の血管で起きると脳梗塞になるわけです。

 

このタイプの脳梗塞は、医学的にはアテローム血栓性脳梗塞と呼ばれています。

血管の内部にアテロームと呼ばれる粥状の物質が沈着するために、

血管の内側が狭くなって血流が悪くなって起きる症状です。

これは欧米に多いタイプの脳梗塞で、脳の表面を覆っている太い血管(皮質枝)が詰まり、

皮質下に大きな梗塞ができるのです。

 

ところが、これとは別に、ラクナ梗塞と呼ばれるタイプの脳梗塞があります。

これこそが、低栄養の高齢者に起きやすい脳梗塞なのです。

 

これは、血管が弱くなり壊死して血管壁に傷がつき、そこに小さな動脈瘤ができ、

やがてそれが破裂すると脳出血、詰まると脳梗塞が起きるというものです。

脳内を貫通している細い血管(穿通枝)に起こりやすく、神経の信号を伝える通り道に

出血や梗塞が起きるため、大脳から脊髄の神経に行く道が断たれてしまい、

半身不随といった症状が起きます。

脳出血はだいぶ減少してきましたが、ラクナ脳梗塞は日本の高齢者では

まだまだ多いのです。

 

2003年ごろに、脳卒中の患者さんを200人ほど集めて調査をしたことがあります。

そのときに、患者さんをいろいろなタイプに分類したところ、やはり血管が

弱くなって起こるラクナ梗塞が脳梗塞全体の五割を占めていました。

 

この二つの血管病を混同して、どちらも脳卒中、脳梗塞として扱っていることに

大きな問題があると思います。

欧米や都会に多いアテローム型を予防することばかりを重視して、

コレステロールがいけない、脂質がいけない、動物性食品がいけないと、

医師もメディアも声を揃えているわけです。

 

おかげで、日本の一般的な高齢者まで、肉、脂肪が血管を詰まらせるという

強迫観念にかられているのが現状ではないでしょうか。

そのために、今度は逆の問題として、高齢者に低栄養状態が起きてしまっているのです。

 

実は、「日本に多い脳梗塞は、欧米型のものとはタイプが違う」

「低栄養が脳梗塞の原因となる」という事実は、

かなり以前から報告されていました。

疫学データをもとにして1960年代からそうした発表をしていたのです。

 

ところが、その論文をアメリカの有名な医学ジャーナルに投稿しても、

受け付けてもらえなかったといいます。

肉や油を大量にとる食生活のなかで、アテローム梗塞ばかりを見ていた欧米の

学者にとっては、低栄養で脳梗塞が起きることなど信じられなかったのでしょう。

 

もちろん今では、低栄養、低コレステロールで脳梗塞が起きることは、

医学界の常識となっています。

ただ、脳梗塞というと、あまりにも栄養過剰、高コレステロールが原因だという印象が

強いために、なかなか一般の人にはなじみがないのが実情です。

 

ところで、コレステロールにも二つの種類があることは、よく知られるようになりました。

 

「同じコレステロールでも、HDLコレステロール(善玉コレステロール)はいいけれど、

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は限りなく少ないほうがいいのではないか」、

そう考えている方も多いでしょうが、必ずしもそうとは限りません。

一般に、LDLコレステロールは140以下にすべきというガイドラインがあるのですが、

これが100を切ると、高齢者では逆に心血管病が増えてくることがわかっています。

ですから、LDLコレステロールを「悪玉」と呼ぶことが正確であるかという点にも

疑問が残ります。

 

一方、HDLコレステロールが「善玉」であることは間違いなく、こちらは高いほどよく、

低いほど問題があるようです。

「50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」

日時:2016年3月29日 PM 05:25
からだこそ、日々の積み重ねが大切です!

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 年齢を重ねると体力は落ちてくるかもしれませんが、

 実際に年齢を重ねることで自分に関するさまざまなことを

 経験として知って、次の行動に活かせます。

 それによって、その先の生活も含めてきちんと対策を

 立てられます。

 年齢からくる疲れは、排泄がスムーズに行なわれるような

 生活を送ること、自分なりのメンテナンスをしていくこと。

 効果を発揮するには、日々の積み重ねが大切です。

 

  ◆◆ からだこそ、日々の積み重ねが大切です! ◆◆

 

非常に当たり前のことを淡々ときちんとやっていくことこそが

「疲れないからだ」をつくるということです。

 

普段からできるだけ自分の筋力を使って、そうじも洗濯も料理も

階段の上がり下がりも自力でやっていくと、

年齢を重ねてからだがしだいに衰えていっても、

よりイキイキと快適に過ごしていくことができます。

 

そうやって排泄がスムーズに行なわれるような生活を送ることに加えて、

冷え性が気になるんだったらこまめに歩くようにするとか、

むくみが続くと思ったら腰湯をするとか、

そういう自力でできる範囲のからだのそうじを、そのつど、

その局面に合わせて適切にやっていけばいいわけです。

年とともに疲れやすくなるのはしかたがないといわれることも

多いですが、20代で毎日疲れを感じる人がいる一方で、

40代でも50代でもめちゃくちゃ元気な人もいます。

日々の積み重ねで、それだけの差が出るのです。

 

★年をとるほど素敵になれる人

 

また、女性が年をとることで悩まされるもののひとつに

更年期障害がありますが、これだって、

つらくてどうしようもない人もいれば、

「いったい、いつが更年期だったんだろう?」

なんていう人もいます。

 

よく「40歳を過ぎたとたんにラクになった」という人がいます。

実際に年齢を重ねることでラクになることはたくさんあるのです。

生きてきた分だけ自分自身に関する知識と経験が増えていくのですから。

自分のからだはどういうときに調子がよくて、

どうなると調子が崩れるのかということにはじまって、

自分は何が好きで何が嫌いで、どんなことで感情が盛り上がり、

何によって気分が落ちるか、とか。

自分に関するさまざまなことを経験として知って、次の行動に活かせます。

それによって、その先の生活も含めて自分のスタイルを

確立していくことができるわけです。

 

「若さ」だけで行動するのは、体力だけで天気予報を調べないで

十分な装備ももたずに冬山登山に臨むのと同じようなものです。

それでは無理でしょう。

確実に安全に登るには、やっぱり天候を知ることも、

地図やコンパスや防寒具も必要なわけです。

 

年齢を重ねると体力は落ちてくるかもしれませんが、

そのぶん「この季節は厳しい」とか、

「今日は天気でこの季節であれば、この装備で大丈夫だろう」とか、

きちんと対策を立てられます。

それで、必要最低限にして十分な軽装で、ぶらりと登って、

楽しんで帰ってくることができるのです。

 

年齢からくる疲れは、そのことに早く気づいて自分なりのメンテナンスを

していくことが大事です。

メンテナンスが効果を発揮するためには、日々どんどんたまっていくものを

きちんと捨て切れていることが大切です。

結局はそこに尽きます。

 

ですから、生活のひとつひとつをちゃんとしていくと、自分自身のからだが

すっきりするということを体感してもらえると思います。

 

そうやって自分のからだをリニューアルしなから格好よく年齢を重ねていけば、

いくつになってもフレッシュでいられるはずです。

「『疲れないからだ』のつくり方 より」

日時:2016年3月17日 PM 03:30
からだにゴミ(老廃物)をためていませんか?

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ビルやマンションの老朽化は、まず配水管からくるものです。

配水管にこってりとついたゴミを放置してしまったあとにクリーニングをしようとすると、負担がかかりすぎて、配水管が破裂してしまうことだってあります。

からだも建物と一緒で、コレステロールなどがたまった血管壁というのは、どんどんクリーニングしづらくなり、もろくなってきます。そうすると、必然的に病気になる確率が高まっていくわけです。

 

 

 

 

  ◆◆ からだにゴミ(老廃物)をためていませんか? ◆◆

 

疲れやすい人は、頻繁に風邪を引いたり、すぐ熱を出したり、便秘や下痢をしたり、

湿疹が出たり、普段からいつも何かしらトラブルを抱えることになりやすいのです。

 

それは、疲れに対して、根本的な解決をしていないからです。

だらだら疲れて、さらに次の疲れのもととなる症状が出てきてしまっている状態です。

 

不調を感じるときは、日々からだにたまっていった「ゴミ」がきちんと排泄されず、

目詰まりを起こしているのです。

そして、それはこれ以上放っておくと病気になってしまいますよ、ってサインでもあります。

 

からだの目詰まりがなぜ病気につながるのかは、

たとえば建物の配水管について考えていただけばわかりやすいと思います。

 

ビルやマンションの老朽化は、まず配水管からくるものです。

配水管にこってりといろいろなゴミがついてしまって、1年目のクリーニングなら

きれいにとれるものでも、10年後だと大違いになってきます。

さらに、それ以上たってしまったあとに同じレベルのクリーニングをしようとすると、

負担がかかりすぎて、逆に配水管が破裂してしまうことだってあります。

 

もっと身近なところでいえば、たとえばトイレが1週間流れなかったらどうなるか、

想像してみてください。

これと同じことがからだの中で起こって、それが病気につながらないわけがありません。

 

からだも建物と一緒で、コレステロールなんかがたまった血管壁というのは、

どんどんクリーニングしづらくなり、もろくなってきます。

そうすると、必然的に病気になる確率が高まっていくわけです。

 

疲れをあまり感じない人を観察していると、本当にからだを日常的によく使っています。

自分のための勉強をして、運動もする。

まわりから見たら「疲れちゃうんじゃないの?」と思うくらい活動的に動いているのです。

 

でもそのおかげで、たとえ睡眠時間は短くなっても、ぐっすり深く眠れるし、

からだをよく使うからサビつきません。

体内の循環もいいですから排泄もぱっちりです。

ひと晩でリセットできて、結果、疲れ知らずの毎日になっているのです。

 

ということは、疲れない美しいからだを手に入れるには、

からだの「サビ」をとることに加えて「ゴミ」を捨てていく作業が必要になります。

 

つまり、日常的に「からだのそうじ」をしていく必要があるわけです。

 

これは、家のそうじと同じです。

部屋がきれいな人は、そうじを大切に考えていて日々きちんとそうじをするからきれいですが、

イマひとつっていう人は、そうじをおろそかにしておきながら、

部屋が汚いって不満をいっているようなものです。

そのうち、部屋がどうしようもない状態になって、大そうじが必要になるわけです。

「『疲れないからだ』のつくり方 より」

日時:2016年3月15日 PM 05:24
アンチエイジングと食事

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 長寿時代だからこそアンチエイジングの視点を

 長くなった寿命をどう生きるのかということが、

 ますます問われてきます。

 アンチエイジングとは、単に若く見せる

 ということではなく、いかにして健康を保つか、

 そのための予防医学であるといっていいでしょう。

 

 

 

      ◆◆ アンチエイジングと食事 ◆◆

 

《「今ある健康を維持する」ために》

 

人間の生理機能は、成熟期以降衰えてゆきます。

「アンチエイジング」という言葉をよく耳にしますが、

これは「抗老化」の意味で使われています。

 

現実には老化を止めたり時間を元に戻したりすることはできません。

しかし、老化の速度を緩やかにし、健康な体でいられるようにすることは可能です。

毎日の食事によって、美しく年を重ね、いつまでも若々しい体でいられるように、

「今ある健康を維持すること」がこれからのアンチエイジングの基本的な考え方です。

 

《老化の原因は活性酸素》

 

◆老化は体内の活性酸素が原因

老化は、遺伝的要因に加えて、体成分の酸化が原因だといわれています。

 

なかでも老化のスピードを左右するのは、体内の活性酸素です。

われわれは、呼吸によって酸素をとり込んで栄養素を燃焼していますが、

この過程で活性酸素が生じます。

活性酸素は体を作っている脂質やたんぱく質、核酸などを傷つけ、

過酸化脂質を発生させます。

 

◆活性酸素が増える原因

活性酸素が増える原因は、栄養の偏った食事やストレス、タバコ、

大量のアルコールなど生活習慣のみならず、

紫外線や排気ガスなども関係します。

 

過酸化脂質は血管を傷つけて動脈硬化を起こし、

DNAを傷害してがんなどの病気の元になります。

また、シミやしわ、くすもなどの肌の変化を引き起こします。

つまり、外見の老化は体内の老化によって起こっているのです。

 

◆抗酸化物質が老化を防ぐ

体内の活性酸素補減らすには、抗酸化物質を含む食品が有効です。

緑黄色野菜、果物、色の濃い野菜や果物を積極的にとりましょう。

 

「栄養の教科書 より」

日時:2016年2月20日 PM 03:57
多発脳梗塞性認知症を防ぐためには

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 大切なことは、1日ボーッとしていることではなく

 脳を活発に動かすこと。

 手を動かしたり、運動したり、本や新聞を読んだり、

 人と交わりたくさん話をするなどして、

 脳を活発に動かすことが認知症を予防・改善する、

 という報告が増えています。

 

 

 

 

     ◆◆ 多発脳梗塞性認知症を防ぐためには ◆◆

 

認知症を防ぐためには、規則正しい生活を送り、適度の運動・食事をとることですが、

これが簡単なようで最も難しいことです。

 

・ 認知症を予防するには

多発脳梗塞性認知症を防ぐためには、脳梗塞の原因となる高血圧、不整脈、糖尿病、

高脂血症、肥満を治療し、動脈硬化および脳梗塞を予防することです。

禁煙を行い、アルコールのとりすぎにも、注意する必要があります。

 

また、これらの動脈硬化因子は、アルツハイマー病にも関連していることが、

最近わかってきています。

 

外来で高血圧の薬や高脂血症の薬を出すと、「一生薬を飲むのですか?」とよく聞かれます。

運動療法や食事療法で高血圧や高脂血症が改善する人もいますが、

脳梗塞・認知症を予防するためには、やはり薬は必要です。

 

脳血栓症では、一般的には抗血小板剤であるアスピリンやパナルジンなどを服用します。

 

また、不整脈(心房細動)がある場合には、循環器内科で不整脈の原因について精査する必要があり、

抗凝固薬のワーファリンを服用し、血液を固まりにくくすることが必要になります。

 

適度な運動・睡眠は、肥満の予防とともに、疲労回復のためにも大切です。

偏食を避け、魚や緑黄色野菜を十分に摂取することは悪玉コレステロール(LDL-C)を下げ、

高脂血症を防ぎます。

とくに魚の中でも、いわしやさんまなどにはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサキサエン酸(DHC)などの

多価不飽和脂肪酸がたくさん含まれていて、中性脂肪の低下や血圧降下に作用があります。

 

また、ビタミンB群や抗酸化物、ミネラルを十分に摂取することも大事と考えられています。

 

最近では音読や計算など、認知症を防ぐための教材も書店で見かけるようになりました。

本や新聞を読んだり、人と交わりたくさん話をするなどして、脳を活発に動かすことが

認知症を予防・改善する、という報告が増えています。

 

「手を動かしたり、運動したりすることも効果がありますか?」とよく聞かれますが、

大切なことは、1日ボーッとしていることではなく脳を活発に動かすことですから、

音読や計算同様、認知症予防に効果があると思います。

 

≪認知症を防ぐためには≫

1. 規則正しい生活、適度の運動、食事休息

2. 高血圧、不整脈、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙の治療

3. 脳を活発に動かす!(会話、社会活動、読書、音読、計算なども有効)

「脳の病気 より」

日時:2016年1月17日 PM 03:17
最も注意しなくてはいけないのは血管障害

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 私達が日常気をつけなければならないのは、

 血管を健康に保つということです。

 高齢になれば脳の細い血管などは、

 知らず知らずに小さな梗塞を起こしています。

 それがあちこちに起これば、

 脳梗塞や脳卒中にも結びつきます。

 

 

 

   ◆◆ 最も注意しなくてはいけないのは血管障害 ◆◆

 

脳の老化で怖いのは、認知症になってしまうことです。

年齢相応に記憶力が低下したり、発想力が低下するのは、

ある程度仕方ないこととあきらめてください。

それは、40歳以上になると脳細胞が年々死んでいくからです。

 

ただし人によって、その減り方を遅くすることは、

生活習慣や頭をうまく働かせることによって可能だということです。

 

もちろんもって生まれた体の丈夫さ、頭の働きのよさなど、

遺伝的な形質は無視できないものです。

たとえば、筋肉がつきやすいかつきにくいかなどは、遺伝的な要素が大きいものですし、

親が糖尿病であれば自分も糖尿病になりやすい、

つまりインスリンが出にくい体質をもっているということもあります。

 

それでは脳のほうはといえば、たとえば頭のよさの遺伝子というものは、

頭のよさといってもいろいろな要素があるだけに、これだと特定することはできませんが、

一卵性双生児に相関性が高いことから、ある程度遺伝的な影響が大きいこともわかっています。

 

ただし、かなり大雑把な言い方になりますが、頭も体も性格も、

遺伝に左右されるものが半分だとしたら、

環境など生活習慣に左右されるものが半分とみることもできます。

糖尿病では、食生活と運動の習慣によって、インスリンの働きを活発にすることで

血糖値を下げることができるように、生活習慣で、

遺伝子の働きを変えることができるわけです。

 

ですから、私たちが日常生活でまずできることは、頭を通常以上に老化させたり、

体を老化させる危険因子を極力少なくすることです。

 

認知症の多くは血管性とアルツハイマー病です。

アルツハイマー病のもとである脳の老人斑は、

年をとればある程度増えていくのは仕方ないことです。

それがどうして過剰に増えてしまうのか、現在のところ、わかりません。

 

ですから、いまのところ、生活習慣でアルツハイマー病にならないようにする

というのはできないのですが、もう一方の血管性のほうは、

血管を健康に保つことで、ある程度予防できるわけです。

そして、脳梗塞などを起こしていないとしても、

血流が悪いことが脳の老人斑を増やす要素にはなり得るので、

血管性とアルツハイマー病は関連がなくもないわけです。

 

となると、私達が日常気をつけなければならないのは、血管を健康に保つということです。

ことに、高齢になれば脳の細い血管などは、知らず知らずに小さな梗塞を起こしています。

それでも問題が起こらないのは、体の中でバイパスをつくってくれているからです。

しかし、それがあちこちに起これば、脳細胞は死んでいくことになりますし、

脳梗塞や脳卒中にも結びつきます。

 

脳梗塞や脳卒中は脳の働きだけでなく、体の機能にも影響します。

ですから、血管を健康に保つことが、脳の老化を遅くするだけでなく、

体の老化を防ぐためにも大切だということです。

 

そして、異常を見つけたら、早い段階に病院へ。

早い段階であれば、梗塞部分を溶かしたり、パイパス手術などを行えば、回復できます。

 

また、これはすべての人に当てはまるわけではありませんが、

頭に打撃を受けることが脳にダメージを与えます。

転倒して頭を強く打ったり、ボクシング、サッカー、ラグビーなどをしている人は、

充分注意したほうがいいと思います。

「いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 より」

日時:2016年1月16日 PM 04:19
血液の状態が悪いと、病的老化が進行する

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 自然老化だけではそう関単に脳梗塞を起こすような

 深刻な事態は招きません。

 問題は、血管内皮が傷ついていく血管の病的老化。

 生活習慣病・加齢・ストレス・活性酸素……

 ただでさえ過酷な労働を強いられている血管を

 さらに痛めつけているのです。

 

 

 

 

  ◆◆ 血液の状態が悪いと、病的老化が進行する ◆◆

 

確かに自然老化が動脈硬化の原因ではありますが、

それだけではそう簡単に脳梗塞を起こすような深刻な事態は招きません。

問題は、生理的な範囲を超えて血管内皮が傷ついていく、

血管の病的老化なのです。

病的老化、すなわち動脈硬化は、高血圧、高血糖、脂質異常などの

劣悪な血管内環境により発生します。

これらの生活習慣病は、ただでさえ過酷な労働を強いられている血管を、

さらに痛めつけているのです。

 

高血圧の状態が続くと、血管内皮に小さな傷や炎症が起こりやすくなります。

その傷から、血液中を流れる白血球の中の単球や悪玉のLDLコレステロールが

血管壁に入り込みます。

血管壁に入ったLDLコレステロールは活性酸素(体内でつくられる、

細胞を傷つける力が強い物質)の影響を受けて、

さらに悪玉化した酸化LDLコレステロールとなります。

酸化LDLコレステロールは異物と判断され、免疫細胞によって処理されます。

免疫の要である単球はマクロファージに変わり、

酸化LDLコレステロールを食べて処理します。

すると脂質で満腹状態のマクロファージは、泡沫細胞と呼ばれる泡状の細胞に変わり、

血管の内膜にコブを作ります。

このコブはプラークと呼ばれます。

 

人は動脈硬化と呼ばれるくらいですから、プラークは硬いと思われがちですが、

実はおかゆのように柔らかいのです。

ちょうど中にスープがたっぷり入った小籠包のような状態です。

柔らかいプラークは不安定で、破れやすい状態にあります。

そして、プラークが敗れると、血小板が集まって血を固まらせようとします。

この血の塊が血栓の元なのです。

 

なお、プラークの周囲では、平滑細胞や線維成分が増加して、

血管壁全体が病的に硬くなります。

これが血管の病的な老化であり、動脈硬化と呼ばれる理由です。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2016年1月 9日 AM 10:59
良質な睡眠は、体のダメージを修復してくれる

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 睡眠中に分泌される成長ホルモンは、

 体内の新陳代謝を促し、

 体のダメージを回復する働きがあります。

 睡眠はただ単に疲れをとるだけではありません。

 だから、良質な睡眠が不可欠なのです!

 

 

 

 

  ◆◆ 良質な睡眠は、体のダメージを修復してくれる ◆◆

 

良質な睡眠が健康の礎となることに異論はないでしょう。

 

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、体内の新陳代謝を促し、

体のダメージを回復する働きがあります。

睡眠はただ単に疲れをとるだけではありません。

 

また、睡眠中は血圧や心拍数が上がり、働き者の血管が一息つくときでもあります。

 

逆に夜間に血圧が下がらなかったり、昼夜が逆転した生活をしていると、

睡眠によるダメージ回復が十分に行われないことになります。

 

良質な睡眠のためには体内時計のリズムを規則正しくすることが必要です。

そのためには起きる時間をできるだけ一定に保つことが大切です。

 

睡眠を司っているのが、脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンで、

別名、睡眠ホルモンと呼ばれます。

 

メラトニンは体内時計と密接な関係を持っています。

朝、太陽の光を感じるとメラトニンは分泌を止め、それから14〜16時間後に

体内時計の指令によって分泌を再開します。

朝の7時に起きると夜の10時か11時に眠くなるのは、ごく健康的な体のメカニズムなのです。

 

良質な睡眠の条件は、寝つき、寝覚めがいいことです。

毎日同じ時刻に起床することを心がけ、日中を活動的に過ごせば、

おのずと夜10時頃にはリラックスして眠くなるはずです。

 

寝つきが悪いという方は、まず、夕食後に軽いウォーキングか体操をしてください。

そして、入浴。

さっぱりするとともに、体温の上昇を誘います。

その体温が下がり切らないうちにベッドに入ると、体は体温を上げようとして

リラックスモードに入り、自然な入眠が可能になります。

ぜひ、試してみてください。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2015年12月22日 PM 03:53
意外!歯周病は脳梗塞の危険因子 毎日の歯磨きはしっかりと

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みなさん、歯は健康ですか?

歯周病はありませんか?

 

 歯周病は脳梗塞の危険因子に……、驚いた方もいるかもしれません。

しかし、歯周病菌が血管病に関連していることが、次第にはっきりしたのです。

 

 血管中にできた動脈硬化のプラークの中から、歯周病菌が発見されています。

そして、歯周病の患者さんは、そうでない人に比べて脳梗塞や心筋梗塞になる

確率が高いことも分かってきました。

両者にはどんな関係があるのでしょうか。

 

 歯周病にかかった人の歯のまわりには、歯周ポケットというくぼみができます。

そこには、食べかすや歯石がたまりやすくなります。

すると、そこに歯周病菌などのさまざまな細菌が入り込んでくるのです。

 

 虫歯があるからヤバイ!と思った人は安心してください。

一般の虫歯を作る菌は歯周病菌とは別のものです。

 

 歯周ポケットの周囲では炎症が起こって、毛細血管が切れやすくなっています。

歯磨き粉の宣伝でも、歯茎から出血したら歯周病の可能性がある、と警告していますね。

 

 つまり、歯周病菌は切れた毛細血管が入り込み、血管の中を流れていくのです。

 

 実際に歯周病菌がどのような悪さをするかはまだ研究段階ですが、

血管内皮を傷つけて内部に入り込むものと考えられています。

 

 いずれにしても、これ以上、危険因子を増やす必要はありません。

毎日の歯磨きをしっかりし、できれば歯間ブラシやデンタルフロスも利用して

歯周病を予防しましょう。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2015年12月19日 PM 03:34
一生懸命働く血管自然老化は避けられない

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人は血管とともに老いる、と表現されます。

健康の鍵を握る血管はなぜ傷つくのでしょうか。

血管老化の原因を考えていきましょう。

 

ところで、動脈硬化とはいいますが、静脈硬化とはいいませんね。

このあたりに血管老化のポイントがありそうです。

 

血液はいうまでもなく、心臓のポンピング運動によって体に送られています。

しかし、約40秒〜2分間で体を1回りするパワーが、心臓の力だけで与えられるものでしょうか。

 

心臓の左心室から送り出された血液は、動脈の壁を押し広げます。

これが収縮時血圧、または上の血圧です。

空になった左心室は次の血液を吸い込みます。

このときに心臓と動脈の間の弁が閉じます。

この状態で動脈にかかっている弱い圧力が拡張時血圧、または下の血圧です。

 

つまり、収縮時、拡張期というのは、心臓の左心室の状態を表しているわけです。

 

では、なぜ拡張時に血圧はゼロにならないのでしょうか。

 

それは、動脈自身が自分の力で収縮して血液を先へ先へと送り出しているからです。

この力こそが血液を生み、血液の状態を健康に保つポイントです。

若々しい動脈はこの力が旺盛で、わずか1分間に60〜70回も拍動しています。

そのたびに心臓は血液を送り出し、動脈はしなやかに膨らんでこの血液を一度受け止め、

続いて収縮して、さらに抹消の血管へと血液を循環させているわけです。

血管はただの管ではありません。

休むことなく働き続けているのです。

 

動脈は常に圧力を受け、伸縮運動を繰り返しています。

その回数は1日に10万回、1年で3650万回です。

50年も60年も生きていれば、いくら健康な血管でも疲れてきます。

 

血管は疲れてくると硬くなり、弾力性を失います。

それが自然老化です。

高齢者に動脈硬化が多いのは、自然老化がベースにあるからです。

 

心臓から送り出された血液はまず直径3〜4cmの大動脈を流れます。

その後、体の各部位に至る大動脈、動脈、より細い動脈へと流れ、

直径2〜3mmの最小動脈へと送られます。

そして、さらに枝分かれしながら毛細血管へ到達し、体のすみずみに酸素と栄養素を供給します。

加齢に伴う動脈硬化はまず、抹消の細い動脈から徐々に始まります。

そして50代を過ぎた頃からは、抹消の細い動脈ともに、中枢の大動脈の硬化も始めるのです。

動脈硬化は血液のスムーズな流れを防げるので、加齢とともに血圧も高くなります。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2015年12月17日 PM 03:56
脳梗塞の危険は軽減できる生活習慣を改めて血管力をアップ

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脳梗塞を防ぐためには血管の健康を維持することが最善かつ唯一の方法です。

もしも、MRI検査などにより隠れ脳梗塞が見つかったとしても、落胆する必要はありません。

死滅した脳細胞自体は元に戻せませんが、この段階ではまだそれほど大きなダメージは

受けていないからです。

大切なことはそれ以上の血管事故を起こさないようにすることです。

幸いなことに、血管は一度老化したとしても、若返らせることが可能なのです。

血管内皮は、肌と同様の新陳代謝により、日々新しく生まれ変わっています。

心を入れ替えて生活習慣を改めれば、血管内皮細胞は本来の機能をとり戻し、

動脈硬化を予防し血栓を防ぐことによって、脳梗塞の危険は減少していきます。

 

循環器を専門とする病院には、頚動脈超音波検査(エコー)という機械があります。

これは頚動脈に超音波を当てることで、動脈硬化が起きていないかを

画像として見ることができる画期的なシステムです。

 

頚動脈は脳に大量の血液を送っている、負担のかかりやすい血管です。

この血管の状態を知ることで、おおよそ体全体の血管の様子を推測することができます。

また、頚動脈は6〜7mmと太いため、様子を調べやすいともいえます。

 

プラークを血管事故に結びつけないようにするためには、柔らかくて不安定なプラークの表面を安定させ、

血栓を作らないようにすることが大切です。

そのために何をすればいいか?

それは、やはり生活習慣の改善なのです。

 

できて間もないプラークは柔らかく、血管の内側の壁の表面に存在します。

時間が経過し、プラークが大きくなったり、新たなプラークが次々とできるようになったりすると、

次第に血管の壁全体が厚く硬くなっていきます。

動脈硬化の原因となる悪しき生活習慣を改めなければ、血管内壁にはいつまでも不安定で

傷つきやすいプラークが存在し続けることになります。

動脈硬化の対策は、早ければ早いほどよいのです。

 

生活習慣の改善とは、大きく分けて食生活の改善、運動療法、ストレス解消が挙げられます。

近道はありませんが、効果的に進めるテクニックはあります。

 

生活習慣の改善というくらいですから、毎日の積み重ねが大切です。

短距離走ではなく、長距離走のつもりで始めましょう。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2015年12月16日 PM 03:13
ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ。血圧が高い人の強い味方

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野菜や果物が体にいいことは、もはや周知の事実です。

では、野菜のなかでも脳卒中の予防に役立つものは何でしょうか。

答えは、「ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ」という十字花科植物の野菜です。

 

ハーバード大学医学部公衆衛生部門の研究グループが、約11万4000人の健康な男女を対象に

果物や野菜の摂取量と脳卒中の発症の関連を調べた疫学調査があります。

女性で14年、男性で8年もの追跡調査をしたところ、女性は7万5596人中366人、

男性は3万8683人中204人が脳卒中を起こしました。

その結果、毎日5〜6皿野菜や果物を食べていた人は、

脳卒中を起こす危険が31%も低いという結果が出たのです。

 

そのうち、脳卒中の危険が最も低かったグループがよく食べていたのが、

「ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ」という十字花科植物の野菜だったのです。

また、大きな葉を持つ、ほうれん草や柑橘類もよく食べられていたそうです。

残念ながら、この調査では女性が好む芋類には脳卒中の予防効果は低いという結果だったそうです。

「血圧と血液サラサラの常識が変わった! より」

日時:2015年12月13日 PM 05:18
魚の王様はサケ

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朝食に出てくる魚といえば、鯵などの干物が多いかもしれませんが、

ぜひ食べてもらいたいのが、サケです。

じつは、朝食だけでなく、お昼の定食でも夕食の食卓にも載せていただきたい。

 

サケは、抗加齢という目的で食してもらいたい魚のナンバーワンなのです。

サケの身は、ご存じのように赤い。

この赤い身に、抗加齢効果があるのです。

 

サケの赤身をつくっているのは、アスタキサンチンという天然色素です。

アスタキサンチンは、元々は海藻の色素で、それを食べたオキアミを、

さらにサケが食べて、サケの赤い身をつくっています。

 

蟹やエビも茹でると赤くなりますが、これもアスタキサンチンによります。

蟹やエビに含まれているアスタキサンチンは、

たんぱく質と結合しているために通常は黒い色をしているのですが、

焼いたり茹でたりしていったん熱が加わると、

アスタキサンチンがたんぱく質を分離するので赤く発色します。

 

オキアミ、蟹、エビはともに、アスタキサンチンの元となる海藻を食べているのでしょう。

 

サケは、産卵のために故郷の川を遡上していきますが、

その間食べものはまったく口にしないといいます。

海にいるときは回遊していますので、ゆったりと泳いでいますが、いったん故郷の川に入ると、

流れに逆らって昇っていきます。

相当の運動量と思われます。

その運動量によるダメージから身を守っているのも、アスタキサンチンです。

 

ここでアスタキサンチンを紹介したい一番の理由は、その抗酸化力です。

わたしたちが生きていく上で酸素は欠かせません。

しかし、酸素の一部が活性酸素という有毒のものにつきません。

除去しきれなかった活性酸素が、体の中のコレステロールを酸化したり、

細胞そのものを酸化したりしていきます。

これが動脈硬化や老化の原因になります。

 

老化を遅らせるためにも、酸化を防ぐ必要があります。

そのために、酸化を防ぐ抗酸化作用のある食べものをとることが大切なのです。

 

アスタキサンチンは、抗酸化作用がたいへん強いのです。

抗酸化作用のあるものというと、ビタミンEや天然色素(カロテノイド、

とくに赤い色のもの)が代表ですが、

アスタキサンチンはビタミンEの500倍、トマトのリコピン(トマトを赤くしている色素)などより働きが強く、

いまのところ「史上最強のカロテノイド」といわれています。

 

故郷の川をさかのぼるサケは思い切り体を動かしています。

活性酸素もたくさんできているはずです。

それをアスタキサンチンが抑えこんでいるのでしょう。

 

アスタキサンチンのいいところは、血液脳関門を通り抜けられることです。

血液脳関門は、脳に有害な物質が入り込んでくるのを防いでいますが、

反面、脳にいいと思われるものも通過することができません。

ところが、アスタキサンチンは脳関門を通過できると報告されていて、

認知症の予防に期待が持たれています。

 

サケの栄養はアスタキサンチンだけではありません。

ビタミンA、B2、D、Eなどのビタミン類や、EPAやDHAも豊富です。

中高年の生活習慣病を予防するには最適です。

 

最近、スーパーなどで養殖ものが多いようですが、エサの添加物や薬なども気になりますので、

できれば天然のものを求めたいところです。

「100歳までホケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング より」

日時:2015年12月 5日 PM 03:38
老化しない頭と体をつくる14項目

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毎日の食べ物が高齢者の健康寿命を大きく左右します。

元気老人を目指して、ぜひ食生活を一度見直してみてください。

 

そのヒントとして、東京都健康長寿医療センター研究所ではこれまでの膨大な

疫学調査の結果に基づいて、「老化予防を目指した食生活指針」をまとめました。

これは、日本の元気老人の食生活の秘訣を14項目に凝縮したものです。

日本人の高齢者(調査)による日本人の高齢者のための食生活指針といってよいでしょう。

 

【老化予防を目指した食生活指針】

1    食事は1日に3回バランスよくとり、食事は絶対に抜かない。

2    動物性タンパク質を十分にとる

3    魚と肉は1対1の割合でとり、魚に偏らないようにする

4    肉は、さまざまな種類や部位を食べるようにする

5    油脂類の摂取が不足しないように注意する

6    牛乳は毎日200ミリリットル(1本)以上飲む

7    野菜は、緑黄色野菜や根菜類など、たくさんの種類を食べ、火を通して調理し、摂取量を増やす

8    食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯を残す

9    調味料を上手に使い、おいしく食べる

10  食材の調理法や保存法を覚える

11  和風、洋風、中華など、さまざまな料理をつくるようにする

12  家族や友人と会食する機会を増やす

13  かむ力を維持するため、義歯の点検を定期的に受ける

14  健康情報を積極的に取り入れる

 

実際に、この食生活指針に基づいて、高齢者用集合住宅に入居している高齢者や

東北地方のある自治体に住む高齢者を対象に食生活の指導を実施したところ、

対象者の血液中のアルブミン、ヘモグロビンの値が改善し、体力が向上。

健康寿命が延びるという効果が得られました。

 

50代、60代の比較的若い人はもちろん、70代以上の高齢者にとっても、

ふだんの食事に注意を払うことで十分に低栄養状態が払拭でき、

元気老人になることが可能なのです。

 

項目が多いので、一度に実現するのは難しいかもしれません。

少しずつでもいいですから習慣化していただきたいと思います。

「50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」

日時:2015年11月28日 AM 11:21
栄養素は助け合って作用している

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糖質、たんぱく質、ビタミン類、……。

体に必要な栄養素は多種多様。

各栄養素にはそれぞれ役割があり、

互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。

 

《ヒトはひとつの栄養素だけでは生きられない》

 

栄養素は現在、知られているだけでも約50種類あるといわれています。

まだ着たら期が解明されていない成分も多数あると考えられるため、

実際はそれ以上になるでしょう。

多種類の栄養素が機能を発揮し、

効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。

しかしこれは、裏を返せばヒトはひとつの栄養素だけでは生きていけない

ということにほかなりません。

 

たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、

ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、

…というように、

栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。

よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、

栄養素もひとつだけでは機能しません。

 

《組み合わせで食べることで栄養素のバランスが整う》

 

それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、

多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。

そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。

ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、

組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、

一度に多種類の栄養素をとることができます。

食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。

 

★小さいけれど大きなパワー

 せっかくとったよい栄養成分もひとつだけではきちんと働いてくれない!

 だから、いろいろな栄養素が一度に取れるバランス食が大切!

「安全においしく食べるためのあたらしい栄養学 より」

日時:2015年11月23日 PM 03:45
老化を早めないために役立つ成分ビタミン

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どのビタミンも老化を防止しますが、とくにビタミンB類はもっとも重要なビタミンとされます。

ビタミンB類には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、

そして葉酸などが含まれています。

ビタミンB類は、1つが欠乏しているときには、他のビタミンも欠乏していることが多いようです。

 

食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。

胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。

このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。

 

また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

 

血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、

認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。

とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、

記憶障害をおこすことが知られています。

 

※ビタミンB12は、葉酸とともに赤血球の生成を助け、貧血を予防します。

また、たんぱく質や核酸(DNAやRNA)の合成、中枢神経機能の維持や脂肪の代謝など

さまざまな働きを担っています。

 

葉酸は文字通り野菜に含まれるビタミンです。

これもビタミンB12と同じように貧血を防ぐビタミンとされてきました。

もちろんその作用もありますが、現在では、血栓の防止と脳機能の維持が注目されています。

 

ロンドンのキングスカレッジの研究で、高齢者で精神に変調をきたしている人は、

そうでない人に比べて、葉酸の血中濃度が低いことが発見されました。

葉酸を十分摂取している人は、記憶の減退、うつ状態、認知症になる率が低いこともわかりました。

 

こうしたことから、50歳以上の人には、積極的に葉酸を摂ることが勧められます。

とくに喫煙をする人は、そうでない人の3倍摂るようにといわれます。

 

※葉酸(上限値:1mg)は、ビタミンB12とともに造血に働きます。

また、たんぱく質や細胞新生に必要な核酸(DNAやRNA)の合成に関わります。

 

ビタミンB6も脳機能の向上に重要です。

オランダの研究では、70歳の人に1日20ミリグラムのビタミンB6を3ヶ月投与したところ、

長期記憶が改善されました。

 

高齢者の場合には消化管からのビタミンB6の吸収が悪いので、

若い人に比べて20パーセント以上多く摂取する必要があります。

 

※ビタミンB6は、たんぱく質代謝の要です。

体に必要なたんぱく質の再合成に働き、糖質の代謝にも重要な役割を果たします。

皮膚炎予防や精神安定にも。

「脳の栄養失調 より」

日時:2015年11月10日 PM 04:50
“強い血管”を食べてつくる3つの食習慣

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「食べることは生きること、生きることは食べること」と言われますが、

まさしくそのとおりで、何をどう食べるかで私たちの体は大きく変わってきます。

 

血管を若返らせるケアで一番大切なのも、毎日の食事です。

なかでも、血管を強くする決め手である内皮細胞は、食事の内容がいいと、

イキイキと丈夫に生まれ変わりますが、悪い食生活のままでは、

いっそう弱くもろくなり、血管の老化が進んでしまいます。

 

では、どういう食事が内皮細胞を元気にさせ、血管を強くするのでしょうか?

 

その大きな柱は、

1. 塩分を減らす

 塩は、とり過ぎると、内皮細胞をはじめとする血管の組織を傷めてしまう成分です。

2. 魚や大豆製品をとる

 魚や大豆製品に含まれる良質なたんぱく質は、内皮細胞が元気に生まれ変わる材料となるもの。

3. 野菜をたくさん食べる

 体内の活性酸素を減らす抗酸化成分を多く含み、血管内に酸化LDLコレステロールなどの

 悪玉物質が増えないよう働きます。

の3つです。

 

この“悪いものを減らし、良いものを増やす”食習慣が、強い血管をつくるのです。

 

≪強い血管をつくる食習慣≫

3つの食習慣を実践することで内皮細胞が元気によみがえり、血管自体も強くなります。

1. 塩分を減らす

 塩は血管の組織を傷めてしまう成分、“攻め”と“守り”の減塩で、血管を傷めない体内環境をつくる。

2. 魚や大豆製品をとる

 血管若返りに必要な栄養素“良質なたんぱく質”を豊富に含む魚と大豆製品を積極的に摂取する。

3. 野菜をたくさん食べる

 血管の老化をくいとめ、血管病を防ぐ抗酸化成分を豊富に含む緑黄色野菜を積極的に摂取する。

「一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本 より」

日時:2015年11月 8日 PM 04:56
脳に必要な「三大栄養素」って何?

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頭を効率よく働かせるには、食生活に気を配ることも大切です。

脳には、どんな栄養素が必要かを知り、献立を考えて食べていくと、

自然に頭が動くようになるはずです。

 

脳にはさまざまな栄養素が必要ですが、とりわけ重要なのは、ぶどう糖です。

ぶどう糖は、体を動かすエネルギー源ですが、それは脳にとっても同じことです。

ぶどう糖が足りないと、脳はまともに動きません。

 

ぶどう糖をきちんと摂取するのは、さほどむずかしいことではありません。

毎日3食きちんと食べていれば、十分に補給できます。

それでも足りないと思ったら、ジュースを飲んだり、チョコレートを食べたりすればいいのです。

 

ぶどう糖以外で重要なのは、アミノ酸とコレステロールです。

この両者は、脳のコンディションを整えてくれます。

まず、コレステロールは、感情をコントロールするために欠かせません。

脳神経には、情報を伝達するための電気が流れていますが、電気が流れすぎると、

感情を制御できなくなります。

そこで、コレステロールは脳の神経の周りを覆って、電気が流れすぎないように、

いわば絶縁体の役目を果たしているのです。

このコレステロールは、脂肪分のある食べ物から摂取できます。

 

アミノ酸は、暗い気分から抜け出すため、また陥らないようにするため欠かせません。

とくに重要なのは、アミノ酸からできるセロトニンと呼ばれる成分です。

鬱状態を改善するのにも投与されるくらい、セロトニンは脳の健康に大きな役目を果たしています。

やる気物質とも言われるセロトニンは、肉を食べれば吸収できます。

 

要は、炭水化物と肉、魚類をバランスよく食べていれは、頭はきちんと働いてくれるのです。

「脳(あたま)にいいこと全部やってみよう! より」

 

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仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、

イライラしやすくなります。

また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。


こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、

脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、

ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。


それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、

情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。

しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、

落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが

不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分や

ビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働く

カルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 

また、体内でブドウ糖が不足して血糖値が低くなると、血液中にあるトリプトファンやコリンなどの

アミノ酸の吸収が悪くなるため、それらから作られる神経伝達物質のセロトニンやアセチルコリン、

ドーパミンなどが不足してしまいます。

良質のたんぱく質(アミノ酸)が含まれる肉や魚介、卵、牛乳などをとりましょう。

神経伝達物質の生成に欠かせないビタミンB12はレバーや肉、魚介など、動物性食品に多く含まれています。
 

日時:2015年11月 5日 PM 04:31
よく噛んで食べるだけで、頭はよくなる

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食事を摂るときは、脳のためにも、よく噛んで食べるようにしましょう。

それだけのことで、脳の働きはよくなっていきます。

 

「噛む」という行為は、咬筋という頬の奥の筋肉を動かすことです。

咬筋を動かすと、脳内の血のめぐりがよくなり、頭の働きが活発化するのです。

 

脳内の血のめぐりがよくなれば、当然、脳内の新陳代謝は活発になり、

脳の働きはよくなっていきます。

さらに、噛むという行為は、脳への適度な刺激にもなります。

咬筋は脳神経と密接につながっているので、ここを動かせば、

脳へ刺激を与えられます。

加えて、モノを噛めば、歯の歯根膜が圧力を受けます。

この歯根膜への圧力も脳に伝わって刺激となります。

これもまた、脳の活性化につながります。

 

というわけで、モノを食べるときは、よく噛んで食べましょう。

逆に言えば、あまり噛まなくてもいい食べ物ばかりを摂っていると、

脳は活性化しにくいのです。

頭をよくするには、硬い食べ物を食べたほうがいいのです。

「脳(あたま)にいいこと全部やってみよう! より」

 

日時:2015年11月 3日 PM 04:45
血液をサラサラにして、血管の若返りをバックアップ

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【大豆の力】・・・・・・大豆、納豆、豆腐、厚揚げ、豆乳

 

大豆は、日本人が昔から食べてきた代表的な食品のひとつです。

 

「畑の肉」と呼ばれるように、主成分は良質の植物性たんぱく質で、動物性たんぱく質と同じように、

体の細胞が新しく生まれ変わる際の大切な材料になります。

さらに大豆には、ポリフェノールの一種である大豆サポニンや大豆イソフラボン、

良質の脂質である大豆レシチンなど、特有の成分も豊富です。

 

このようにすぐれた栄養素に富む大豆や大豆製品をたくさん食べていたことが、

ひと昔前の日本人の健康と長寿をささえていたのでしょう。

 

大豆を原料とする大豆製品は、魚や肉の加工品と比べて、塩分が少なめなのもメリット。

納豆や豆腐は、混ぜるだけ、切るだけで食べられるのも魅力です。

 

〔効能〕

良質の植物性たんぱく質である大豆たんぱくに加え、大豆サポニン、大豆イソフラボン、大豆レシチン、

植物ステロールなど、血液をサラサラにする成分が多いのが特徴です。

血液を健康に保つことで、血管の若返り効果もアップします。

また、ポリフェノールの一種である大豆サポニン、大豆イソフラボンは、悪玉のLDLコレステロールや

中性脂肪を減らすよう働きます。

良質の脂質である大豆レシチンは、血栓ができるのを予防し、植物ステロールは腸内での脂肪の吸収を阻害し、

血中のLDLコレステロールを減らします。

加えて、納豆には、発酵過程でナットウキナーゼという特有の成分が生まれます。

この成分には、血栓を溶かす作用があり、脳卒中や心筋梗塞の予防に役立ちます。

 

〔使い方&食べ方のコツ〕

●1日1回以上、大豆・大豆製品を食べるよう意識する。

●納豆、豆腐、豆乳は、調理しなくても食べられる。

 納豆は1日1パックまでが摂取の目安。

●大豆は、水煮缶などを利用し、サラダなどに入れると手軽にとれる。

●厚揚げや薄揚げは、肉の替わりに炒め物や焼き物に使うのもよい。

「一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本 より」

日時:2015年11月 1日 PM 04:54
血管は厚く、硬くなるほどもろくなる・・・

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血管は単独の器官としては、120年もの寿命を持つと考えられています。

 

人間の平均寿命は全身の組織との兼ね合いでは80歳ほどですが、

長年の生活習慣の影響で個人差が出てきます。

健康で100歳の長寿をまっとうできる人がいる一方、

40代や50代の若さで血管病で倒れる人がいるのは、生活習慣の差です。

 

“動脈硬化”という言葉をよく耳にすることからもわかるように、血管病はおもに動脈で起こります。

動脈は、心臓から押し出された血液を循環させる器官であるため、静脈に比べて厚く、

弾力に富んでいます。

しかし、私たちの体はロボットではないので、1日に約10万回動く心臓のリズムに合わせて、

動脈が収縮と拡張を繰り返すうちに、しだいに弾力を失い、硬くもろくなってしまいます。

 

この状態が、動脈硬化です。

“硬い”といっても丈夫なわけではなく、血管は硬くなるほど、もろくなるのが特徴です。

 

たとえば、長年使って老朽化したゴムホースが弾力性をなくし、硬くゴワゴワになり、

ちょっとしたキズから裂けて破れそうになってしまう状態に似ています。

とくに40代になると、肌のハリが衰え、髪が薄くなるのと同じように、

加齢によって動脈がだんだん老化してきます。

 

そこに、過食や偏食、運動不足、喫煙、ストレスなどの悪い習慣が加わると、

老化の速度がいっきに速まります。

ひと昔前に「モーレツ社員」とか「24時間戦う」というような言葉がはやりましたが、

つねに燃え盛り、生き急ぐような生活は、血管をひどく痛めつけ、動脈硬化を加速させるのです。

 

≪突然死の元凶“動脈硬化”を引き起こす3つの原因≫

 

では、動脈硬化を起こした血管、つまり老化が進んだ血管では、どんなことが起こっているのでしょうか?

 

頸動脈超音波検査での画像など、目に見える部分では、

1. 動脈壁にいろいろな物質がたまって厚くなり、血管内空腔(血管の内側の空洞)が狭くなっている、

2. 血管壁全体が厚くなっている、という状態になっています。

 

一方、目に見えない部分では、

3. 動脈が硬くなっている、

4. 血液の流れが悪くなっている、という状態が起こっています。

 

この1〜4の状態をもたらすおもな原因が、高血圧、高LDLコレステロール血症、高血糖(糖尿病)です。

「一生切れない、詰まらない「強い血管」をつくる本 より」

日時:2015年10月31日 PM 04:31
「アマニ油」作用、選び方、とり方、注意点……

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健康、美容、若返り、認知症予防にも!「アマニ油」

 

数多くある「油」の中でも、積極的に取り入れ、おすすめしているのが

オメガ3系脂肪酸を多く含む「アマニ油」です、

 

「オメガ3系脂肪酸」たっぷりの「アマニ油」は、ダイエットや若返り、美容、

健康促進に役立つ“最強の油”です。

認知症予防にも役立つと期待されていることがメディアにとりあげられ、

がぜん注目を集めています。

 

アマニ油に豊富に含まれているオメガ3系脂肪酸には、次のような作用があると言われています。

 

 ・細胞を包む「細胞膜」を健康に保ち、細胞から元気になる

 ・皮膚のハリやツヤの元になる

 ・血液をサラサラにして血栓を予防する

 ・血圧を下げる

 ・ポッコリお腹から脱出する強い味方に

 ・体内の炎症を抑え、アトピー性皮膚炎、花粉症の抑制に

 ・脳機能の若さを保つ

 ・ホルモンバランスを整える

 ・便秘改善……etc.

 

ざっとあげただけでもこれだけのメリットがあります。

 

「なぜそれがいいのか」を理解して毎日の生活に活用していただきたいと思います。

 

<選び方、とり方……「アマニ油」6つの注意点>

 

アマニ油を摂取するときの注意点をあげておきましょう。

 

 ・アマニ油は酸化しやすいので1カ月を目安に目処に使い切る

 ・アマニ油は冷暗所で保存する

 ・アマニ油は低温圧搾やコールドプレスと表示されているものがよい

 ・ローストアマニ(粒・粉末)は酸化する心配はない

 ・脂質が主成分なので摂りすぎは禁物だが、その分糖質を減らせば心配ない

 ・1日の摂取量は、アマニ油小さじ1〜2杯程度

 

<酸化しやすいので「加熱」は×>

 

アマニ油だけでなく、αリノレン酸を多く含む油全体に言えることなのですが、

酸化しやすいので加熱料理には使わないようにしてください。

 

また、光でも酸化するので、開封後は冷暗所で保存し、1カ月以内に使いきるようにしましょう。

 

開封して時間が経つと、酸化して色がにごったり、クセのある香りが出たりします。

加熱せずに搾った新鮮なアマニ油は薄い金色で透き通っていて、苦味や香りはほとんどありません。

苦味や香りが出てきたときには、油が過度に酸化してしまっている可能性があります。

 

そうなると、過酸化脂質という体に害のある脂質に変化してしまっているので、

食用にはあまりおすすめできません。

 

とはいえ、「オメガ3系脂肪酸」だって、いきなり完全に酸化するわけではありません。

 

魚のEPAで実験したところ、冷蔵庫に1週間以上おいていてもほとんど酸化していなかった

という結果も得られています。

 

少なくとも食べられる状態の魚であれば、油は酸化している心配はないと考えていでしょう。

油も同じです。

口にしたときに、がまんできない苦味や香りがほとんどないかぎりは、使用しても問題ないでしょう。

 

<「低温圧搾」「コ−ルドプレス」を選ぶ>

 

もうひとつ。

アマニ油を選ぶときには、製造方法にも注意しましょう。

 

せっかく体にいい油なのですから、低温圧搾やコールドプレスと表示されている、

高品質のものを選ぶと安心です。

 

これらは、アマニから油を絞るとき、加熱による品質の低下を最小限におさえて

つくられていると考えられるからです。

 

アマニ油はフラックスシードオイルと表記されていることがありますが、

日本語か英語かの違いだけで、中身は同じです。

 

ローストアマニは殻で保護されているので、ロースト(加熱)しても酸化する心配はありません。

安心して召し上がってください。

 

<1日にどれくらいとればいい?>

 

油をおすすめするときに必ずといっていいほど摂取量について聞かれます。

 

アマニの主成分は、脂質ですから、過剰にとりすぎるのはよくありません。

とはいえ、油や香辛料として使うのですから、いっきにたくさん食べることはないでしょう。

 

アマニ油であれば、1日にスプーン1〜2杯を目安にとりましょう。

 

ローストアマニは食事に加える程度であれば、とりすぎの心配はありません。

 

美容、健康によく、若返りの効果が得られるだけでなく、

加えると風味や食感がアップしておいしくなるのですから、やってみないと損ですよ。

 

厚生労働省は「オメガ3系脂肪酸」を、1日に1.8〜2.4グラム以上とるようすすめていますが、

毎日活用すれば不足する心配はないでしょう。

「血管の名医が教える15歳若返る習慣 より」

 

日時:2015年10月27日 PM 03:46
「老化」とは?

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 「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?

 

 顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。

それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。

 

 わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

 

 動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に

動脈硬化が見られるようになります。

 

 動脈硬化が起こる最大の原因は、なんといっても「加齢」です。

これは、たとえどんなに健康な人であっても、避けて通れない要因です。

ショッキングに聞こえるかもしれませんが、人間は「産まれた瞬間から老化が始まっている」

と言えます。

 

 つまり、誰もが動脈硬化の原因を持っているということになります。

それが「遅く起こるか」「早く起こるか」という違いだけなのです。

 

 だから「動脈硬化を完全に予防する」というのは、どんなに健康な人であっても不可能な話です。

厳しく聞こえるかもしれませんが「動脈硬化になる時期を、出来るだけ先送りにする」

という考え方が正しいのです。

 

 けれども、悲観的になることはありません。

反対に言えば「血管が若々しく保たれていれば、いつまでも健やかに過ごせる」ということだからです。

「しなやかな血管が健康の10割 より」

 

 老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。

老化と上手く付き合うためにご活用いただければ幸いです。

日時:2015年10月11日 PM 03:25
【基礎体温を上げて免疫力アップ】 低体温や冷えは万病のもと。基礎体温を上げ、体温を温めよう

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◆36.5℃前後の体温時に免疫機能は最も活発化◆

 基礎体温と免疫力は深く関係しています。

低体温では免疫機能が低下し、体のだるさが続いたり、かぜやインフルエンザにかかりやすくなったり、

アレルギーが出やすくなったりします。

ガンの発症者には、低体温の人が多いという報告もあります。

人の体が最もスムーズに機能するのは、体温温度が37.2℃前後であると考えられています。

これは脇の下では36.5℃前後です。

体温がこの状態にあると、免疫機能を担う白血球のリンパ球と顆粒球のバランスが保たれ、

その動きが活性化されます。

逆に、36.2℃以下の低体温では、リンパ球と顆粒球のバランスがくずれ、働きもにぶくなります。

さらに内臓の活動を支える各酵素の働きもにぶり、細胞の新陳代謝も低下します。

そのため、対外から進入するウイルスや細菌を攻撃する力や、体内での細胞のガン化を防ぐ力が衰え、

体の不調や病気を招いてしまうのです。

基礎体温が低めの人は、脇の下の体温を36.5℃前後まで上げるよう、取り組んでみましょう。

 

◆軽めの筋力トレーニングで基礎体温が上がる◆

 基礎体温を上げるもっとも効果的な方法は、軽めの筋力トレーニングです。

適度な運動によって筋肉を増やすと、基礎体温が上がり、さらに基礎代謝もアップします。

基礎代謝量がアップすると、安静時のエネルギー消費量が増えるので、やせやすく、太りにくい体がつくれます。

筋力トレーニングを行いにくい場合は、ラジオ体操やストレッチ、ウオーキングなど、

軽めの運動を習慣にするといいでしょう。

なお、体に負担をかけるハードな運動は逆効果になるので、気をつけてください。

加えて、体を温める生活を心がけることも大事です。入浴はシャワーだけですまさず、

体がポカポカ温まるまで湯ぶねにつかりましょう。

冷たい飲み物を取りすぎないことや、寒い場所や冷房がききすぎた部屋に長時間いないこともポイントです。

 

≪基礎体温を上げる腹横筋トレーニング≫

 基礎体温と基礎代謝量を上げるには、体幹(体の中央部)にある筋肉を鍛えるのが効果的です。

その一例として、寝たまま簡単に行える腹部の筋力トレーニングを紹介します。

腹式呼吸もかねているので兼ねているので、リラックス効果もあります。

この運動に、自分に向く複数の筋力トレーニングを組み合わせると、いっそう効果的です。

 

1. 床に仰向けに寝て、両膝を立て、両手をおなかの上に重ねてのせる。

 おなかから息を吐き出すイメージで、口から息をふ〜っと吐きながら、おへそを背中に近づけるようにへこませる。

2. 息を吐ききったら、おなかの力を一気にゆるめ、今度は鼻から息を吸って、おなかをふくらます。

 息を吸う時間より、吐く時間を長くするよう意識しながら、ゆっくりと10回繰り返す。

 

☆Point

おなかの動きを手で確認しながら行う。

全身の力を抜いて、できるだけリラックスした状態で行う。

「病気にならない人の食べるクスリの本 より」

日時:2015年9月 1日 PM 05:18
【脳卒中】 高血圧と動脈硬化の進行阻止がかなめ。血管を丈夫にする栄養素も欠かさずに!

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◆発作から突然死の危険大。助かっても、重い後遺症が残ることが◆

 脳卒中は、脳の血管に異常が生じ、脳細胞に酸素や栄養を取り込めなくなり、

脳に重大なダメージをもたらす病気です。

「卒中(突然生じる)」という言葉が表すとおり、自覚症状がほとんどないまま、

突然、意識喪失や感覚麻痺、けいれんなどの発作にみまわれて死にいたったり、

また、命をとりとめたとしても、言語障害や半身麻痺などの重い後遺症が残るケースが

少なくありません。

 

 脳卒中は発症のメカニズムによって、脳出血と脳梗塞に分かれます。

脳出血は、脳の細い動脈に硬化が進み、コブ状の動脈瘤ができ、それが破裂して起こります。

致死率が高い病気として知られる、くも膜下出血は、脳出血の一種です。

 

 一方、脳梗塞は、起こり方によって脳血栓症と脳塞栓症に分かれます。

脳血栓症は脳の動脈に硬化が進み、そこに血栓がつまって血流が途絶え、

酸素と栄養を補給できなくなった細胞が壊死を起こす病気です。

脳塞栓症は、心臓などでできた血栓が血管内を流れ、それが脳の動脈につまって血流が途絶え、

酸素と栄養不足から脳細胞が壊死を起こします。

 

◆減塩と内臓脂肪を減らす食事量がポイント。禁煙もぜひ実行を◆

 脳卒中はある日突然起こる病気ですが、発症の危険因子が重なり、

それらが体の中で静かに進行することがベースになっています。

よって、危険因子をなくしていくと、この怖い病気を予防できます。

 

 脳出血の最大危険因子は高血圧です。

血圧が高い状態が続くと、血管に強い負担がかかり、そこに動脈瘤ができ、

血管の圧力にその瘤が耐えられなくなると、破裂して脳出血を起こします。

そのため、高血圧の放置はとても危険です。

塩分のとりすぎをひかえ、血圧を調整する食品を意識してとり、血圧を下げましょう。

 

 脳梗塞のおもな危険因子は動脈硬化です。

動脈硬化を進めるのは、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、ストレスなど。

そのうち、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満は、メタボリック・シンドロームの危険因子と同じです。

よって、メタボリック・シンドロームと、それに関わる内臓脂肪、脂質異常、高血圧、

高血糖を予防・改善するケアが、脳梗塞の予防につながります。

摂取エネルギーを適正にし、軽めの運動を習慣化することで内臓脂肪を減らし、

体内の余分な脂肪・糖分などの排出を促す食物繊維、活性酸素を減らす抗酸化成分をとることが最も大事です。

 

 加えて、喫煙も動脈硬化を急速に進めます。

喫煙者の脳卒中のリスクは、非喫煙者と比べて約1.7倍も高いと報告されています。

動脈硬化から起こる怖い病気を防ぐため、禁煙はぜひとも必要です。

 

 脳出血、脳梗塞をともに予防するには、しなやかで丈夫な血管を保つこともポイントです。

それには、血管の細胞の材料となるたんぱく質を過不足なくとりましょう。

肥満を防ぐため、飽和脂肪酸の少ない良質なたんぱく質がよく、魚介、赤身の牛肉、豚肉、羊肉、

大豆・大豆製品が代表的な食品です。

 

 なお、脳梗塞では発症の前に、一時的に軽度の発作が起こることがあります(一過性脳虚血発作)。

症状は、片方の目が一時的に見えなくなる、ろれつがまわらない、左右どちらかの顔や手足がしびれるなど。

これは大きな発作の前触れとなるサインなので、早めの受診が必要です。

「病気にならない人の食べるクスリの本 より」

日時:2015年8月31日 PM 03:31
食べ物で健康寿命が決まる

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●ブラジルの短命村と長寿村のお話

 

≪肉ばかり食べている村では心筋梗塞とガンが急増≫

 

 人は顔や体つきこそ違え、同じような体の機能を持って生まれてきます。

しかし、健康度や寿命は一様ではなく、年齢を重ねるにつれて、その差は鮮明になります。

健康なまま百歳の長寿をまっとうする人もいれば、40〜50代の中年期に生活習慣病の

合併症などで亡くなる人もいます。

この差はなぜ生まれるのでしょうか?

 

 大きな要因のひとつは、何をどう食べているか、です。

私たちの体は、細胞や血液が新しいものにつくり変えられることで、日々変化しています。

そのもとになるのが、“食べ物”です。

食生活の内容によって、人は健康にも、不健康にもなります。

そのことを物語る、面白いエピソードを紹介しましょう。

 

 ブラジル南部のポルトアレグレ郊外に、20世紀前半に当地に移民した日本人が築いた村があり、

その子孫たちが暮らしています。

そこから車で数時間のところには同時期にイタリア移民が築いた村があり、

イタリア系の人たちが暮らしています。

 

 2つの村は気候も土壌も同じような環境ですが、ひとつ、まったく異なる点があります。

それは“食生活”です。日系人の村では、移民当時から肉をたくさん食べる現地の食習慣になじみ、

動物性脂肪中心の食生活を送っています。

一方、イタリア系の村では、移民当時から自国の食文化を守り、トマトやルッコラなどの

野菜をたくさん栽培したり、イタリアから携えたブドウの木を植えて赤ワインを醸造したり、

自家製チーズを作ったりして、日々の食事にあてています。

 

 この食生活の違いが、2つの村の健康度と寿命をはっきり分けています。

日系人の村では、中年期に心筋梗塞やガンになる人が多く、50〜60代で人生の幕を閉じていきます。

イタリア系の村では、健康なまま高年期を迎える人が多く、人生を謳歌しながら

80代や90代の長寿をまっとうしています。

 

 日本は「寿命が長い国」として知られていますが、このエピソードが示すように、

民族固有の体質が長寿をもたらすのではなく、毎日の食生活が決定的なカギを握っています。

健康寿命を延ばすには、何をどう食べるかを知り、習慣化することがいちばんです。

“病気にならない”食生活を身につけることは、人生を楽しく、幸せに生き、長寿をまっとうする

大きなベースになるのです。

 

★  健康寿命

平均寿命から重いケガや病気、要介護などの障害機関を差し引いた年数、

つまり、健康に暮らせる機関を指します。

2000年からWHO(世界保健機関)が、約200カ国を調査対象に「健康寿命世界ランキング」を

発表しており、日本はそのトップに位置しています。

しかし、日本の健康寿命と平均寿命との間には7年の差があり、それは要介護などの健康でない

期間の長さを表しています。

また、糖尿病、高血圧、糖質異常症、ガンなどの生活習慣病が急増していることから、

日本人の健康寿命は今後、急落するとの予想もあります。

 

★  動物性脂肪

肉類やバターなどに含まれる脂肪を指し、脂肪酸の種類としては、飽和脂肪酸が多く含まれます。

飽和脂肪酸をとりすぎると、血中のコレステロールや中性脂肪が増え、

脂質異常やメタボリック・シンドローム、血管の老化である動脈硬化を進行させます。

健康を守るためには、とりすぎをひかえるほうがいい栄養素です。

「病気にならない人の食べるクスリの本 より」

日時:2015年8月30日 PM 04:01
ぼけとは何か?単なる老化と認知症との違いは?

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 とかく「年のせい」にされがちなお年寄りのボケ症状。

単なる老化現象なら心配ないのですが、認知症の始まりということもあります。

それぞれの違いを知っておきましょう。

 

≪ぼけという言葉をどんな場合に使う?≫

 

 「うちのおじいちゃん、このごろ、物忘れがひどくなって・・・・・・年でぼけたのかな?」。

ぼけという言葉は、よくこんなふうに使われます。

 

 ただし、ぼけというのは通俗語ですから、医学的な定義はありません。

いろいろな使われ方をされますが、知的な機能をあらわす意味としては、

次のように分けて考えられるでしょう。

 

(1) 脳や体の病気のために、知能が異常に衰えてしまった、認知症の状態をあらわす。

(2) 年齢とともに、ほとんどの人に出てくる知的な機能の衰え(ものわすれ、度忘れなど)をあらわす。

(3) (1)と(2)の意味も含め、漠然と頭の働きや感覚などが鈍くなっている状態をあらわす。

 

 ここで気をつけたいのは、同じように見えても(1)と(2)のぼけはまったく違うものだということです。

 

 人間の知的能力は、40〜50代のあたりまでは伸びつづけるとされますが、

その後はだんだん下降線をたどるようになります。

年をとれば、骨も筋肉も内臓も、体のさまざまな部分が衰えてくるように、脳の働きも低下します。

新しいことを覚えにくくなったり、物忘れしたりするのは、多かれ少なかれ誰にでも見られるもの。

病的なものではありません。

 

 一方、(1)の認知症の場合、これは脳の病気です。

認知症は、医学的には次のように定義されています。

「いったんは正常に発達した脳の機能が、脳の障害で不可逆的に(元に戻らないこと)そこなわれていって、

記憶、思考、判断などの知的機能に支障をきたし、社会活動を営むことがむずかしくなっている状態」

 

 認知症になっても、かつて持っていた「発達した知能」を一度にすべて失うわけではなく、

部分的に残している人は多いのです。

 

 このことは、認知症の人を理解するうえで非常に大切です。

 

≪老化現象と病的なもの。同じ物忘れでも違いがある≫

 

 いわゆる「年のせい」によるぼけは、健忘症と呼ばれる良性の「物忘れ」がほとんどで、

自然な老化現象なので心配はいらないものです。

 

 やっかいなのは、老化による「物忘れ」と、認知症による悪性の「物忘れ」が、

初期のうちはあまり区別がつかないことです。

 

 アルツハイマー型の認知症は、記憶の衰えで始まることが多いのですが、周囲にいる家族は、

おかしいと気づいても、認知症と認めたくないという心理が働き、

「年のせい」ですませてしまうことがあるかもしれません。

 

 たとえば、冒頭に述べたおじいちゃんのようなぼけが、はたして「年のせい」なのかどうか。

周囲の人が早く病気を見つけるためにも、認知症と老化による健忘症との違いは

知っておく必要があるでしょう。

 

 両者の違いは、ひと言で言うと「体験したことを覚えているかどうか」です。

 

 ふつう私たちは、何を食べたか、その献立(内容)は忘れてしまっても、

食事をしたことまで忘れることはありません。

しかし認知症では、食べたという体験そのものがすっぽり抜け落ちて、

「まだ食べていない」と騒いだりすることもあるわけです。

 

 それでも初期のうちは、忘れっぽくなっていると自覚し、不安に感じる人もいますが、

進んでいくと、忘れたこと自体忘れるようになります。

 

このように、認知症では、「物忘れ」がしだいに悪化していって、日常生活にも支障が出るようになります。

逆に老化による「物忘れ」は、多少は変化しますが、病的に進行することはありません。

 

 単なる老化現象と認知症による記憶障害との違いは、下記のようになっています。

 

★「物忘れ」――老化現象と認知症の違い★

 

<老化の場合>

・体験したことの一部分を忘れる

・物忘れをしている自覚がある

・忘れっぽさは、あまりひどくならない(進行しない)

・日常生活には、差し支えない程度

 

<認知症の場合>

・体験したこと全体を忘れる

・物忘れしているという自覚がない

・忘れる度合いがふえ、悪化していく(進行していく)

・判断力の低下なども加わり、日常生活に支障が出てくる

「認知症・アルツハイマー病 より」

日時:2015年8月16日 PM 04:35
【動脈硬化症】動脈硬化症とは?

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●動脈硬化症を知る

 動脈硬化は、動脈が硬く脆くなった状態です。

血管を傷める何かしらの因子により、弾力性が失われて硬化したり、

内部にさまざまな物質が沈着して血管の内腔が狭くなったり詰まってしまったり、

動脈瘤ができたり、全体的に拡張したり、裂けてしまったり、出血したりすることにより、

組織や臓器全体に血行障害を起こす病態を総称して、動脈硬化性病変といいます。

 

 動脈硬化には動脈硬化の起き方、起こる部位により、次の3タイプに分類されます。

 

 アテローム(粥状 いくじょう)硬化は大動脈、脳動、冠動脈の比較的太い動脈に起こるもので、

内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロとした粥状物質が蓄積して、

粥状硬化斑ができて次第に肥厚することで、動脈の内腔を狭めてしまいます。

 

 細動脈硬化は脳や腎臓の細い動脈に起きやすく、血管構造の禅僧に対して脆く

破れやすくなってしまった状態で、閉塞したり、壁全体が破裂して出血したりするものです。

 

 中膜硬化は大動脈や下肢、頸部の動脈に起こりやすく、動脈の中膜にカルシウムが蓄積して

硬くなり、中膜が脆くなってしまったものです。

 

●動脈硬化を助長する原因

 動脈硬化を助長する原因は肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙、高ホモシステイン血症、

運動不足、ストレス、加齢などですが、このごろよく耳にする内臓脂肪による肥満は、

インスリン抵抗性を生じて代謝異常を起こし、高脂血症、糖尿病、高血圧を誘発しますが、

これにより動脈硬化の進行がさらに進んでしまうといった悪循環を引き起こします。

 

 肥満にともなう動脈硬化、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などを引き起こす症候を、

メタボリックシンドローム(代謝症候群)と呼びます。

 

 動脈硬化による疾患の代表例が心筋梗塞や脳梗塞ですが、この2つの疾患をあわせると

日本の死亡原因の30%以上を占めることになります。

これは、動脈硬化がいかに人体にとって有害であるかを示しているのではないかと思います。

 

 動脈硬化の進行を食い止めるには、危険因子と呼ばれる糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙などの

コントロールが重要となります。

「脳の病気 より」

日時:2015年8月14日 PM 03:20
脳の老化は個人差が大きく“年相応”はない

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 20代くらいの若いときにくらべて、年をとると私たちの脳はどのくらい萎縮するのでしょうか?

実は、これこそ驚くほど個人差が大きいのです。

80歳くらいのおおぜいの人の脳の画像をみくらべるとよくわかりますが、萎縮が小さく若い脳もあれば、

アルツハイマー病でずいぶん萎縮が進んでしまっている脳もあります。

 

 よく“年相応”といいますが、脳にはそのような平均値はありません。

年をとると脳が萎縮して働きが低下するのは確かですが、年齢とともに平均的に脳の働きが

どう変化していくかという研究は行われていません。

脳とは使い方によってそれほど個人差がでてくるものなのです。

 

 脳の研究が進むにつれ、昔は常識とされていたが覆されることも珍しくなくなりました。

その1つに、「年をとると脳は発達しない」という“常識”があります。

ごく最近までは、脳の神経細胞は生まれたときから数が決まっていて、

年とともに少しずつ減っていくために、年をとったら脳の働きも落ちてくるのは当然である、

年をとって脳の働きをよくするのは不可能だと思われていました。

しかし、これは間違いであることが、最近の脳研究によって明らかになりました。

「脳の機能は使わなければ落ちる、使えば伸びる。それは年齢には関係ない」というのが、

いまや常識です。

 

 脳を使えば、その働きは確実に向上します。

使った部分の神経細胞は分裂して数が増え、シナプスをたくさん作り、

脳の中にしっかりとネットワークを築きます。

脳を使えば、そのネットワークはさらに強固なものとなります。

これが脳が発達するということです。

逆に、脳を使わなければ、ネットワークも弱くなります。

脳とはそういうものです。

 

 たとえば、手や指を使って何かをすると、それに対応している脳の部分が発達します。

指先を使って細かい作業をする職人さんやピアニストなどは、

手からの情報を受け取る脳の部分が発達して、広い範囲を占めているはずです。

そのために手を器用に使えるのです。

 

 しかし、そんな人たちでも、現役を引退して、手をあまり使わないようになると、

脳の中にしっかり築かれたネットワークは退化していきます。

手を使わなくなったからといって、足を動かす部分まで退化するわけではありませんが、

今まで広い領域を占めていた、脳の中の手に対応している部分は、確実に領域か狭くなります。

 

 ですから、脳を発達させようと思ったら、脳をまんべんなく使わないといけません。

俳句を作ったり、本を読んだり、ゲームをしたりという知的作業だけが脳を発達させるわけではありません。

手も使わなければいけないし、足を使って歩くことも、走ることも大事です。

要するに、脳を鍛えるには、体全体をまんべんなく使って、

脳のあらゆる場所に刺激を送ってやらなければいけないのです。

年をとっても、このようにして脳を使えば、萎縮のスピードを遅らせて若々しい脳を保つことができます。

 

★  脳の老化は個人差が大きく“年相応”はない。

★  脳の機能は使わなければ落ちる、使えば伸びる。

★  脳全体を発達させようと思ったら、体全体をまんべんなく使うことが大事。

「脳ボケはNO!脳を悦ばせて生涯現役 より」

日時:2015年8月12日 PM 02:41
老化の速度は生活習慣によって大きく変わってくる

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<POINT>

生活環境を改善すれば、悪い遺伝も発現しないようにできる

血管の老化を遅らせることが健康の秘訣

冷えは血行を悪くし、免疫力も低下させる

 

老化の速度は人によってかなり違います。

その個人差はどのような要素で決まってくるのでしょうか。

 

白髪になる、老眼になる、耳が聴こえにくくなるといったことは、

遺伝の要因のほうが大きいと考えられます。

もちろん、いつも騒音のもとで仕事をするような環境にいれば

難聴になるといったように、多少は環境の要因も入りますが。

 

環境要因については自分で何とかできますが、遺伝となると、

自分で何とかすることはできないと思われるかもしれません。

しかし、遺伝子の発現をライフスタイルによって変えることも可能なのです。

 

また、遺伝よりも環境要因が大きいものです。

たとえば血管や骨の老化などは、

食生活、生活習慣によって大きな違いが出てきます。

 

血管は体中の60兆の細胞に栄養を送る大切な臓器です。

その血管の老化が高血圧をはじめ、心筋梗塞、脳梗塞など

さまざまな病気を引き起こすことは、ご存知のとおりです。

 

ですから、食生活をはじめ生活習慣に気をつけて、血管を老化させない、

老化のスピードを少しでも遅くするようにすることが、

健康を保つ上では大切なわけです。

 

血行が悪くなるのは、食べ物、そして体を動かさないことによります。

肉類など飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物を食べ過ぎると、

コレステロール値が上がり血管が詰まりやすくなります。

 

ですから、タンパク質を取るならば、DHA(ドコサヘキサエン酸)や

EPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が

多く含まれる魚のほうがいいといわれているのです。

 

不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸とは逆に、血液をさらさらにして、

コレステロール値を下げる働きがあります。

血液が詰まりにくくなるのですから、当然、心筋梗塞の危険が低くなります。

魚をたくさん食べるイヌイットの人たちには心筋梗塞がほとんどないといわれています。

 

そうはいっても、バランスですから、肉をまったく食べないほうがいいというわけではありません。

ただし、脂肪部の多い肉を多く食べると、中性脂肪がふえるので注意が必要でしょう。

 

また、冷えが血行を悪くすることもご承知のとおりです。

血行が悪くなるということは、体内の細胞の隅々に栄養が行き渡りにくくなり、

免疫力を担っている白血球の働きも低下することになります。

 

DHAやEPAは、心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害の危険を低くします。

血管障害によって脳の血流が悪くなって認知症になるという危険性も減らすことになります。

 

いつまでも元気に頭を働かせたいと思えば、魚をたくさん食べて

DHAを取ることはとてもいいことです。

「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」

 

日時:2015年8月 6日 PM 02:33
まだ大丈夫は、もう危ない 自分の中のストレスサインに気づく

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ストレスは気づかぬうちにたまるもの。体の声に耳を傾けて

 

ストレスに対する耐性には、個人差があります。

また、そのときどきの体調や心理状態によっても違ってきます。

仕事が忙しくて疲れがたまっていたり、つらい出来事の直後だったりすると、

体の防御システムもパワーダウン。

ふだんはうれしいはずの上司の期待がプレッシャーになったり、

小さなトラブルをいつまでも引きずってしまったりするものです。

 

気づかないうちにストレスがたまりにたまり、うつ病になってしまった……

なんてことのないよう、寝る前のひととき、体の声に耳を澄ませる習慣をつけましょう。

自分の防衛能力を超えた状態が続けば、必ず、自律神経の異変を示す症状が現れます。

体がだるい、肩凝りがひどい、眠れない、朝起きられない、突然息苦しくなる、めまいや耳鳴りがする、

食欲がない、空腹でもないのに食べすぎてしまう……そんな症状に、ご用心。

 

精神面でも、気力や集中力がなくなり仕事の能力が落ちた、人と話すのがわずらわしい、

何をしても楽しくない、わけもなくイライラする……などの変化が表れます。

体と心が発する危険信号に早めに気づいてあげてください。

 

ストレスを感じなくなったときこそ、無理は禁物!

 

ストレスがかかると、体内でコルチゾールなどのストレスホルモンがつくられます。

そのおかげでストレスと闘えるわけですが、

いつまでも分泌されていると病気を引き起こしかねません。

ストレス過多状態が続いたときの体の反応は、次のようなプロセスをたどります。

 

1 警告期…体から危険信号が出始める。

2 抵抗期…ストレスに対して体が反発。

3 疲弊期…心身ともに疲れ切って、体調不良を実感。

 

第2段階の抵抗期には、つらさや体の不調が消えたように感じられるため、

もう大丈夫と錯覚し、無理をしてしまいがちです。

でも、このとき体内では、防衛システムがキャパシティ以上に働き、

エネルギーを大量に消費しています。

やがて心身のエネルギーが空っぽになり、疲弊期に突入。

そうなれば、回復には時間がかかるばかりか、うつ病や体の病気も発症しかねません。

警告期の段階で、ストレスサインに気づくことが大切なのです。

「15歳若返る錆ないカラダのつくりかた より」

 

日時:2015年5月26日 PM 05:13
人も歩けばストレスに当たる すべてのものがストレッサーになる

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暑さ、寒さ、痛み、昇進や結婚もストレスを引き起こす

 

ストレスを引き起こすきっかけとなる刺激を「ストレッサー」といいます。

人間関係のトラブルや仕事でのプレッシャー、将来への不安など、

心理的な要因を浮かべる人が多いようですが、それだけではありません。

騒音、暑さ寒さ、排気ガスといった環境的要因や、痛み、疲労、睡眠不足などの身体的要因もあります。

また、昇進や結婚のような喜ばしいはずの出来事がストレスを生む場合も少なくありません。

要するに、私たちを取り巻くすべての現象がストレッサーになりうるのです。

 

ストレッサーによる刺激が強すぎたり、長く続いたりすると、自律神経や免疫機能に変調が現れます。

さらにストレスがたまれば、うつ病、胃潰瘍、過敏性大腸炎、高血圧症、心臓病など、

さまざまな病気につながる恐れも……。

 

今の日本は超ストレス社会。

長引く不況の中、大企業でもリストラが相次ぎ、

原発事故や異常気象の影響もあってストレッサーは増える一方です。

生きている限り、誰もがストレスと無縁ではいられないのだと覚悟して、

ストレスに強い心と体をつくっていきましょう。

 

ストレス性胃潰瘍はひと晩でもできる

 

ストレスという概念を最初に唱えたのは、カナダのハンス・セリエという生理学者で、1935年のこと。

以来、ストレスが体に及ぼす影響について、さまざまな研究が行われてきました。

たとえば、マウスを使った実験で、首から下を水に沈めておくと、たった数時間で胃潰瘍ができてしまいます。

胃壁の細胞は、ストレス反応がすぐ出やすいのです。

 

宇宙飛行士の向井千秋さんと一緒にスペースシャトルで宇宙に行ったイモリは、4匹のうち2匹が死亡。

2週間後に生還した2匹も、胃に穴があきかけ、肝臓や肺も傷ついていました。

狭い水槽に閉じ込められ、無重力状態に耐え続けた肉体的ストレスが原因です。

 

また、心理的なストレスだけで病気になることも、実験で証明されています。

マウスに電気ショックを与えると、それを透明な壁越しに見聞きしていただけの

電気を流されていないマウスまで、胃潰瘍になってしまうのです。

「15歳若返る錆ないカラダのつくりかた より」

 

日時:2015年5月25日 PM 05:32
笑う門には福来る 笑いはストレスを吹き飛ばす

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 つくり笑いをするだけでもストレス解消につながる

 

 笑いも涙と同様、交感神経を副交感神経へとスイッチさせ、

ストレスホルモンの分泌を減らしてくれます。

また、脳の温度を下げる効果があることも、化学的に立証されています。

 

 特に、普段からよく声を出して笑っている人ほど、ストレスホルモンが下がりやすいようです。

ストレスがたまってきたなと感じたら、コメディ映画やユーモア小説、漫才、落語、マンガ……

何でもいいから力を借りて、思いっきり笑ってみてください。

 

 つらくて、そんな気分になれない?

そういう人は、まず鏡に向かってニッコリしてみることからスタートしましょう。

心から笑ったときほどではないものの、意識的に笑顔をつくっても、

ストレスの解消につながることが確認されているのです。

目尻を下げ、キュッと口角を上げると、その筋肉の動きが脳にフィードバックされ、

楽しい感情がわいてくると考えられています。

 

笑いには、痛みを減らし免疫力を上げる効果も

 

 アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズは、1964年に強直性脊椎炎という自己免疫疾患を発症。

医師に治療法がないと告げられました。

しかし、病室に面白い映画や本を運び込み、毎日大笑いをしていたら、

病気が治って半年で仕事に復帰できたのです。

 

その後、多くの学者が研究を重ね、笑いのさまざまな効用がわかってきました。

がん細胞やウイルスと闘う「ナチュラルキラー細胞」の働きを活性化する、アレルギー反応を減らす、

強力な鎮痛作用を持つ神経伝達物質エンドルフィンの分泌を増やすetc……

 

 また、大笑いは横隔膜を動かし、血流がよくなるので、「内臓のジョギング」とも呼ばれています。

「15歳若返る錆ないカラダのつくりかた より」

 

日時:2015年5月24日 PM 04:39
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