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隠れ脳梗塞

水分不足が脳梗塞にもつながります

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水分不足が脳梗塞にもつながります

 

皆さんは、五大栄養素だけでなく、

次々に解明される食品の機能性成分に気をとられて、

水の重要性を忘れてはいないでしょうか。

 

生き物にとって最もたいせつなのは水。

人間の体の約60%は水分です。

これは血液やさまざまな代謝に必要な体液のもとになり、

発汗などで熱を逃がし、体温調節の役割もします。

1日の水分摂取量は食物から1リットル、飲料水から1.2リットル。

加えて体内でつくられる代謝水で0.3リットルと

合計2.5リットルにもなります。

 

ことに夏場は、脱水症にならぬように、

水分補給に勤めることがたいせつです。

食事量が少ないと、食物からの水分が不足するので脱水し、

しかも高齢になると本人ものどの渇きを自覚しにくいため、

気づかずに弱って危険になることもあります。

 

脱水すると、血液がドロドロになって、

知らぬ間に小さな脳梗塞が複数できていることがあります。

これらが認知症の原因になるともいわれています。

排泄の世話をかけるのを遠慮し、

夕方から水分を取らないようにしているという話も聞きます。

周囲の気づかいで高齢者の水分不足を防いでください。

 

血液は、食生活や不規則な生活、喫煙、

ストレスなどによって流れにくくなります。

血管に合わせて自在に変形できる赤血球が、

膜がかたくなって変形しにくくなったり、

白血球が粘着しやすくなったりして流れが悪くなってしまうのです。

これがいわゆる“ドロドロ血液”です。

一時的な場合は、悪い要因を改善すればすぐにサラサラに戻るのですが、

慢性的になると、簡単には戻りません。

根気よく食事や生活の改善を続ける必要があります。

さらに、水分が不足しがちで、

暑さによるストレスを感じやすい真夏は特に血液がドロドロになります。

体のすみずみまで血液が気持ちよく流れることが元気の秘訣。

血液をサラサラに保って猛暑を乗りきりましょう。

「栄養と料理 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで

多くの認知症を防ぐことができるのです。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、

段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、

40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、

動脈硬化を生じることがわかっています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、

ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

日時:2018年7月17日 PM 04:54
ビタミンの不足が血管を「酸化」させる

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カラダの細胞の中には細胞の酸化を抑える抗酸化ネットワークというシステムが存在します。そして、もちろん血管内皮細胞の中にも。

このシステムの中核として活躍しているのが、ビタミンです。ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。それはビタミンBです。ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

 

 

ビタミンの不足が血管を「酸化」させる

 

血管が「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、よく悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が

動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、

プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、

実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、

酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

カラダの細胞の中には細胞の酸化を抑える抗酸化ネットワーク

というシステムが存在します。

そして、もちろん血管内皮細胞の中にも。

このシステムの中核として活躍しているのが、ビタミンです。

 

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも

血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

(Heart vessels2011 Jan 26(1)5-63)

 

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、

いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生や

エネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

たとえば、糖分からエネルギーを産生するにはビタミンB1、

糖質から産生するにはビタミンB2、

タンパク質からできている酵素の働きをあげるにはビタミンB6

というように、それぞれ役割が分担されています。

 

もちろん、血管内皮細胞のエネルギー産生、

そしてNO(一酸化窒素)の産生にもビタミンBは欠かせません。

また、ビタミンBのうち、とくにB6、B12、葉酸は血管に炎症をもたらす

ホモシステインという超悪玉物質の産生を防ぐ効果もあります。

ビタミンは血管の酸化だけでなく、炎症も抑えてくれるすぐれものなのです。

 

※NO(一酸化窒素)は、血管内皮細胞から放出される強力な血管拡張物質です。

 NOは非常に優れた物質で、主に次のような作用を持っています。

  1. 血管拡張作用

  2. 血栓をつくりにくくし、血液をサラサラにする作用

  3. 血管の炎症を抑える作用

  4. 抗酸化作用

  5. 血管のプラークと呼ばれるコレステロールのこぶの発生を抑える作用

 など、血管によいさまざまな機能を持っています。

 NOは、末梢の血管を拡張させて血液を改善させる効果もあるので、

 滞った血液やリンパの流れを刺激して、むくみや冷え性や肩こり、

 慢性的な疲労を改善させる効果も期待できます。

「強い血管をつくる5つの習慣 より」

 

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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、

疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、

肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。

 

ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに

不可欠なビタミンの仲間です。

8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに

関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、

欠かせない存在なのです。

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質

(ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。

 

また、ビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

 

日時:2018年2月 1日 PM 04:15
脳梗塞は10度以上の急激な温度差は危険

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冬場、暖房の効いた温かい部屋から戸外へ出る場合は、皮膚の血管が急速に収縮して血液が一気に心臓に戻ってくることがあります。すると、血圧の急激な上昇を招いて動脈硬化や隠れ脳梗塞の原因となります。これを防ぐため、外出前に5分程度、軽いストレッチなどを行うことをおすすめします。全身の筋肉がやわらかくほぐれ、筋肉中の血管を広げて血流がよくなります。これにより、血圧の急激な上昇を抑えることができます。

冬の寒い夜中に高齢者がトイレで脳梗塞の発作を起こすことがありますが、がまんしたあとの急激な排尿は血圧が低下して脳卒中の引き金となります。

そのほか、入浴時、寒いお風呂で脱衣をすると急激な温度変化をもたらし、危険です。

 

 

脳梗塞は10度以上の急激な温度差は危険

 

脳梗塞は、室内外の温度差が10度を越えると、急激に増えることがわかっています。

脳梗塞の発作はもともと寒い冬に多く、夏に急増するようになったのはエアコンが

普及して室内と室外の気温差が大きくなったことと無関係ではありません。
 

つまり、暑い夏でも室内は人工的には冬のような状態に置かれ、

エアコンで室温が低下した部屋から暑い屋外へ出るとき、

血管は拡張と収縮をくり返し、次第に細く、詰まりやすくなってしまうのです。
 

夏の外気温が30度なら室温は25度程度に設定するようにし、

外気温との温度差が激しいデパートやビルなどに入るときは、

直前に温かいお茶や紅茶、コーヒーを飲んでおくようにします。

温かい飲み物は、それ自体の熱が血管を広げ、血圧の急激な上昇を防いで

温度変化にスムーズに対応することができます。
 

室内は、季節を問わず温暖な安定した室温を保つようにし、

風通しをよくしてやや乾燥気味にすると快適です。

とくに夏場は、同じ室温でも湿度が低いほうが熱が発散しやすく、

体感温度が低く感じられるようです。
 

また、寒い冬でも油断は禁物です。

冬場、暖房の効いた温かい部屋から戸外へ出る場合は、

皮膚の血管が急速に収縮して血液が一気に心臓に戻ってくることがあります。

すると、血圧の急激な上昇を招いて動脈硬化や隠れ脳梗塞の原因となります。
 

これを防ぐため、外出前に5分程度、

軽いストレッチなどを行うことをおすすめします。

全身の筋肉がやわらかくほぐれ、筋肉中の血管を広げて血流がよくなります。
 

これにより、血圧の急激な上昇を抑えることができます。
 

ところで、冬の寒い夜中に高齢者がトイレで脳梗塞の発作を起こすことがありますが、

がまんしたあとの急激な排尿は血圧が低下して脳卒中の引き金となります。

尿意を感じたらがまんしないですぐに排泄するようにし、

急激な温度差を感じないように注意しましょう。

便秘が続いたりしたあとの急激な排泄も、同様に血圧の変化をもたらします。
 

そのほか、入浴時、寒いお風呂で脱衣をすると急激な温度変化をもたらし、危険です。

寒い浴室での脱衣は避け、温かくしてから行うようにし、

お湯の温度は38度程度に設定してゆったりとつかるようにします。
 

≪安全な入浴のしかた≫

・ 脱衣は暖かい場所で

・ 着衣したまま湯かげんをみる

・ かけ湯をしてから湯船に入る

・ ぬるま湯にゆっくりつかる

「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」

日時:2017年12月 8日 PM 03:33
40歳からは突然死ケアが必要な理由

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日本人の死因でもっとも多いのは、がんですが、2位が心疾患、3位が肺炎、4位が脳血管疾患、5位が老衰、6位が不慮の事故、7位が腎不全です。

全体のおよそ3割ががんでなくなるので、がんばかりが注目されがちですが、2位の心疾患、4位の脳血管疾患、7位の腎不全は、いずれも血管にかかわる病気。血管の老化からはじまる突然死です。

人間の血管というのは、枝葉の部分にあたる毛細血管から先に老化が始まり、幹にあたる大動脈は50代、60代から急速に老化します。

すでに40代をすぎている方は、今まで何も起こらなかったことに感謝しつつ、いますぐ血管力アップに励みましょう!

 

 

40歳からは突然死ケアが必要な理由

 

血管力はいくつになっても若返りますが、体を老化させる悪い生活習慣から

なるべく早く抜け出したいものです。

「何歳から、血管の老化に気をつけるべきですか?」

「いつ頃から、生活習慣を見直すべきですか?」

と聞かれれば、早いに越したことはないものの、強いて言えば、

「40代が分かれ道です」

と、答えています。

 

理由はいくつかあって、まず、女性の場合、40代にもなると女性ホルモン

「エストロゲン」の分泌能力が衰えはじめています。

血管が老化しないように守ってくれているエストロゲンが減ると、

動脈硬化が進みやすくなるのです。

だから、40代が分かれ道。

 

一方、エストロゲンの恩恵を受けられない男性は、暴飲暴食、運動不足といった

悪い生活習慣を続けていると、すでに20歳前後から動脈硬化が始まっています。

なかには、小学生のころからすでに血管の壁に脂肪などがついている子も。

 

通常、動脈硬化が始まってから血管事故を起こすまでには、10〜20年の開きがあります。

20代、30代から血管が硬く厚くなり、老いはじめているとすれば、40歳くらいになると、

いつ血管事故を起こしてもおかしくないほど、りっぱな動脈硬化が完成してしまうわけです。

 

実際、脳内の細い動脈が切れて出血する「脳出血」、脳動脈にできたコブが破裂して

脳とくも膜の間に出血する「くも膜下出血」が起こるのは、40代、50代がもっとも多いのです。

脳動脈が詰まる「脳梗塞」は、60代から増えます。

 

一方、心臓は、心臓に血液を供給する冠動脈が狭くなる「狭心症」と冠動脈が

すっかり詰まってしまう、「心筋梗塞」が代表的で、どちらも30代から加齢とともに

増え始め、男性では60代、女性では70代がピークです。

 

日本人の死因でもっとも多いのは、がんですが、2位が心疾患、3位が肺炎、

4位が脳血管疾患、5位が老衰、6位が不慮の事故、7位が腎不全です。

全体のおよそ3割ががんでなくなるので、がんばかりが注目されがちですが、

2位の心疾患、4位の脳血管疾患、7位の腎不全は、いずれも血管にかかわる病気。

血管の老化からはじまる突然死です。

 

また、突然死を免れても、血管事故の後遺症で寝たきりに……ということも。

 

寝たきりになる原因のおよそ4分の1が脳卒中なのです。

2番目に多いのは認知症ですが、血管事故がきっかけで認知症を発症することも少なくありません。

 

人間の血管というのは、枝葉の部分にあたる毛細血管から先に老化が始まり、

幹にあたる大動脈は50代、60代から急速に老化します。

幹の部分の老化が大きな血管事故につながるので、幹まで老化する前に若返りに

励まなければなりません。

 

ちょうど人生の折り返し地点にあたる40代は、「若さの消費期限」でもあります。

まだまだ若いと思っているかもしれませんが、体内ではこわい老化がすでに

始まっていると考えたほうがいいでしょう。

 

すでに40代をとっくにすぎている方は、今まで何も起こらなかったことに感謝しつつ、

いますぐ血管力アップに励みましょう!

「人は血管から老化する より」

日時:2017年8月 4日 PM 04:17
「一過性脳虚血発作(TIA)」を知っているかどうかで人生が変わる

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一過性脳虚血発作(TIA)発症後早期には脳梗塞を続発する危険性が非常に高く、TIAは救急疾患として扱う必要がある。

左右のどちらか片側の「手足が動かない」「手足がしびれる」「片側の目が見えない」、あるいは「視野の半分が欠ける」「言葉が出ない、理解できない」という症状が突然現れ、短時間で消えるのがTIAの特徴です。

これらのエピソードがあったら、症状が消えたとしても、すぐに救急車を呼んで構いません。

 

 

「一過性脳虚血発作(TIA)」を知っているかどうかで人生が変わる

 

TIAの後の“大噴火”は、2週間以内が危ないとされます。

2週間以内に、本物の脳梗塞になってしまう人が多いのです。

 

もっといえば、TIAの後、「24時間以内」がさらに危ない。

2週間以内に脳梗塞を起こした人の3割は、24時間以内に発症しているのです。

 

TIAがあったら、すぐに病院を受診する。

これこそが、皆さんに伝えたかったことなのです。

TIAを知っているかいないかで、人生が変わるのです。

 

このことを、どうかしっかりと認識してほしいと思います。

 

日本では、TIAに関する認知度が低く、一般の方は、

ほとんど知らないのではないでしょうか。

医師の中には知らない人はいないはずです。

TIAが脳梗塞の前兆となる病気であることを知らなければ、

医師国家試験には合格しないからです。

しかしながら、「TIA発症後早期には脳梗塞を続発する危険性が非常に高く、

TIAは救急疾患として扱う必要がある」という認識は、

脳卒中専門医以外には非常に低いのです。

 

また、残念ながら非専門医におけるTIAの誤診率は非常に高いのが現状です。

経験でも、一般の医師でTIAを正確に診断できたのは、2割から3割にすぎません。

 

「脳梗塞の前兆」というと、真っ先に出てくるのが

「失神(意識消失発作)」や「めまい」です。

しかし、これらの症状ではTIAと診断できない。

失神は、TIAでは起こりません。

TIAは脳の一部の血流が途絶えた場合に起こりますが、

失神は脳全体の血流が低下しないと起こらないからです。

 

脳全体の血流が低下するのは、

血液を脳に供給している心臓に原因がある場合です。

ですから、失神を起こした人は神経内科を受診する前に、

循環器内科を受診する必要があります。

 

また、確かに「めまい」だけでも、脳卒中の危険因子を持っていたり、

実際に隠れ脳梗塞や頸動脈狭窄があったりした場合には、

TIAの可能性を考える必要があります。

しかし、多くのめまいは耳鼻科疾患に起因しています。

 

オシム元監督も、体験談の中で「首の後ろの血管に問題があってときどきめまいがした。

クラクラすることがあったが、自分で、大丈夫だ、少し休んで水を飲んで、

頭を振ればすぐに治る、と軽く考えていた」と、血管に問題があることを自覚しています。

 

もしも「めまいもあり、TIAの症状もある」というなら、それは間違いなく脳梗塞の前兆です。

オシム元監督も「軽く考えていた」と言っていましたが、脳梗塞で倒れる前のどこかの時点で、

TIAの症状があったのかもしれません。

 

脳梗塞の明らかな前兆は、TIAだけです。

 

左右のどちらか片側の「手足が動かない」「手足がしびれる」「片側の目が見えない」、

あるいは「視野の半分が欠ける」「言葉が出ない、理解できない」という症状が突然現れ、

短時間で消えるのがTIAの特徴です。

 

これらのエピソードがあったら、症状が消えたとしても、すぐに救急車を呼んで構いません。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月25日 PM 04:46
「一過性脳虚血発作(TIA)」は脳卒中の究極の前兆

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一過性脳虚血発作(TIA)とは、「脳に血が行かなくなったために起こる、一時的な症状」のことです。一時的に脳の血管が詰まり、手足の麻痺やしびれ、言葉や目に異常が出ます。

「一過性」というのがポイントで、症状は、1〜2分で消えるものから数十分で消えるものまでありますが、長くても24時間以内に消失します。多くは2分から15分で症状が消えてしまうので、無視されたり軽視されたりしがちです。

もし、TIAが現れたら、すでにこのとき、あなたの脳では「脳梗塞」が起こっていると考えたほうがいいのです。TIAは「一過性」の「脳梗塞」とみなすべきです。

 

「一過性脳虚血発作(TIA)」は脳卒中の究極の前兆

 

脳梗塞の“究極の前兆”とでもいうべき症状について、お話したいと思います。

もっとも知ってほしいことの一つです。

 

それは「一過性脳虚血発作」というもので、日本語の病名が長いので、

通常英語の略語で「TIA(Transient Ischemic Attack)」と呼ばれています。

 

長い名前なので覚えにくいのですが、「一過性・脳虚血・発作」と分けて読むと、

その意味がわかります。

「脳に血が行かなくなったために起こる、一時的な症状」のことです。

 

一時的に脳の血管が詰まり、手足の麻痺やしびれ、言葉や目に異常が出ます。

 

「一過性」というのがポイントで、その症状は長く続きません。

症状は、1〜2分で消えるものから数十分で消えるものまでありますが、

長くても24時間以内に消失します。

多くは2分から15分で症状が消えてしまうので、無視されたり軽視されたりしがちです。

 

「何もせず放っておいても、自然に良くなる」のが特徴です。

 

では、TIAの症状とは、どんなものなのでしょうか?

 

典型的なものとして、次のような症状があげられます。

 

・左右どちらかの片側の手足が動かなくなる

・左右どちらかの片側の手足がしびれる

・左右どちらかの片側の目が見えなくなる

・片目で見ても、両目で見ても視野の半分が見えなくなる

・言葉が出なくなったり、理解できなくなったりする

 

さて、これを見て「脳卒中の症状と似ていない?」と思われませんでしたか?

 

そうなのです。

TIAの症状は、脳卒中の症状と、ほとんどかぶるのです。

というのも、TIAは、「一時的な脳梗塞」になった状態だからです。

 

“脳卒中の前兆”といいましたが、もし、あなたの体にTIAが現れたら、

すでにこのとき、

あなたの脳では「脳梗塞」が起こっていると考えたほうがいいのです。

 

しかし、TIAは「一過性」の「脳梗塞」とみなすべきです。

「一時的に脳梗塞になりかかったけど、血栓が溶けて、血流が再開し、

何ごともなかったかのように、その後、ふつうに行動できる」というのがTIAなのです。

 

「ならば、何も心配ないじゃないか」と思う人もいるでしょう。

しかし、それこそがTIAの怖いところであり、落とし穴なのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月25日 PM 04:31
心原性脳塞栓症が増えている理由

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心房細動によって、心臓に血のかたまり(血栓)ができてしまいます。しかも、心臓にできる血栓は大きい。それが脳の太い血管を詰まらせてしまうため、脳は大きなダメージを負い、死亡したり、重大な後遺症を残したりする確率が高まるのです。

このように、とても怖い心房細動ですが、多くの人に自覚症状がないのが、さらに不気味なところです。

ですから「心房細動に注意しましょう」といっても難しいのですが、それを意識しておくことで、自覚できることが少しでも多くなればいいと思っています。ちなみに、専門医は、脳梗塞の患者さんを診て原因がわからないときには、真っ先に「発作性心房細動」の可能性を疑います。

 

心原性脳塞栓症が増えている理由

 

心原性脳塞栓症は心臓に原因がある脳梗塞で、近年ではとても増えており、

おそらく近い将来にはこのタイプの脳梗塞がいちばん多くなると思われます。

 

原因で圧倒的に多いのは「心房細動」という不整脈です。

 

この「心房細動」については、特に認識を深めてもらいたいと思っています。

これから、ますます増加すると考えられるからです。

 

不整脈は、心臓の脈が乱れる症状です。

正確に打っている脈がときどき速くなったり、脈が飛んだりする。

そんな経験があるのではないでしょうか。

 

しかし、そういう不整脈は、脳梗塞の原因にはなりません。

 

「心房細動」というのは、心拍と心拍の間が全部バラバラ。

たとえば「タン・タン・タン」という一定のリズムではなく、

「ターン・タ・タンッ」と間隔の幅が、全部違うのです。

 

この心房細動によって、心臓に血のかたまり(血栓)ができてしまいます。

しかも、心臓にできる血栓は大きい。

それが脳の太い血管を詰まらせてしまうため、脳は大きなダメージを負い、

死亡したり、重大な後遺症を残したりする確率が高まるのです。

 

このように、とても怖い心房細動ですが、多くの人に自覚症状がないのが、

さらに不気味なところです。

 

心房細動には、発作性の心房細動と、慢性の心房細動があり、

「慢性心房細動」はいつも脈が乱れた状態なので、

どこかの時点で心電図をとればわかります。

 

しかし「発作性心房細動」は、突然的に起こるので、

発作がないときに心電図をとっても、ぜんぜんわかりません。

しかも、自覚症状のない人が少なくないのです。

 

自覚症状には、動悸とかめまい感とか、気分の不快感などがありますが、

そういう症状がまったくない人がいるのです。

そうなると、もう、お手上げです。

 

ただし、普通の心電図では見つからないけど、

「ホルダー心電図」というお弁当箱のような機械をつけて24時間記録をすると、

見つかる確率は高くなるといわれています。

 

しかしそれでも、24時間以内に発作が起こらなければ、心房細動は見抜けません。

 

だから「心房細動に注意しましょう」といっても難しいのですが、

それを意識しておくことで、自覚できることが少しでも多くなればいいと思っています。

 

ちなみに、専門医は、脳梗塞の患者さんを診て原因がわからないときには、

真っ先に「発作性心房細動」の可能性を疑います。

しかも脳の画像を見て、脳の奥の小さい梗塞ではなく、

脳の表面に大きな梗塞が起こっている場合には、「心房細動」の可能性が高いので、

それに見合った治療を始めるのです。

 

心房細動はなぜ起こるのか

 

ところで、「心房細動」は、なぜ起こるのでしょうか?

 

一つは、臓器の劣化です。

年をとって、心臓も老化するのです。

心臓の壁が繊維化を起こしてきて、働きが鈍る。

これによって、心臓が不規則な痙攣をし、心臓の中に血液が鬱滞(うったい)して、

血栓ができてしまうのです。

 

しかし、やはり高血圧や肥満などの影響も大きいといえます。

 

さらに、若い頃の激しいスポーツもよくないという説もあります。

若い頃には、障害があっても、それに気づかなかった。

しかし、加齢とともに、さまざまな原因が加わって、

それが浮き彫りになってくるというわけです。

 

若い人の話が出たついでに、近年話題になっている「若年性の脳梗塞」について、

お話したいと思います。

この「若年性」というテーマだけで、一冊の本になるくらいなので、

ここでは、ごく簡単にまとめてお伝えします。

 

「若年性脳梗塞」という場合、はっきりと何歳以下という定義はないのですが、

ふつうは40歳とか45歳で区切ることが多いようです。

 

年齢は若くても、高齢者の脳梗塞と共通する原因は、やはり「生活習慣」です。

食生活の欧米化や運動不足、喫煙、ストレスや無理な生活によって、

脳梗塞を起こしやすい状態が、若い人にまで及んでいるのです。

 

しかし、若い人の脳梗塞は、高齢者の脳梗塞氏は別の「特殊な原因」が

含まれていることが、実はとても多いのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月21日 PM 05:14
夏の脳梗塞予防は、上手な水分補給で

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夏には水分補給を十分に心がける必要があります。

夏に多い脳梗塞は、脳の血管そのものが狭くなったり、血栓ができたりすることで引き起こされる脳血栓症です。脳血栓症は、普段健康そうにみえていても、脱水症状が引き金となって急に発症します。高齢者に限らず、30〜50歳代の比較的若い世代でも、発作におそわれて倒れることがあるので注意が必要です。

とくに注意したいのは血圧が高めの人です。

脳の細い動脈は影響を受けやすく、血管壁が厚くなると血流が悪化し、詰まりやすくなります。そこに脱水症状が加わることで、血栓ができるリスクが急激に高くなります。

 

夏の脳梗塞予防は、上手な水分補給で

 

◆脳梗塞は夏に多い

脳梗塞は夏に多いということを、ご存知でしょうか。

従来、脳梗塞や脳出血などは、

血圧が上昇しやすい冬に多いとして知られていました。

ところが国立循環器病センターの調査によると、

脳梗塞に限っては夏のほうが多いことがわかっています。

 

そのおもな原因は、脱水症状です。

夏は、気付かないうちに体内の水分が不足がちになるため、

血液の流れが悪化し、血管が詰まりやすくなるのです。

 

夏に多い脳梗塞は、脳の血管そのものが狭くなったり、

血栓ができたりすることで引き起こされる脳血栓症です。

脳血栓症は、普段健康そうにみえていても、

脱水症状が引き金となって急に発症します。

高齢者に限らず、30〜50歳代の比較的若い世代でも、

発作におそわれて倒れることがあるので注意が必要です。

 

◆根底には動脈硬化が

脳梗塞は、多くの場合、その根底には動脈硬化(血管の老化)があります。

加齢とともに、だれでも動脈硬化が起こりますが、それを促進するのが

肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病です。

こうした病気、その予備段階の人は、脳梗塞のリスクが高いだけに、

夏には水分補給を十分に心がける必要があります。

 

とくに注意したいのは血圧が高めの人です。

脳の細い動脈は影響を受けやすく、血管壁が厚くなると血流が悪化し、

詰まりやすくなります。

そこに脱水症状が加わることで、血栓ができるリスクが急激に高くなります。

 

◆睡眠の前後にも水分補給を

もう一つ大切なことは、睡眠の前後に上手に水分補給を行うことです。

熱帯夜ともなると、大汗をかくことも珍しくありません。

眠っているときは、一般に血圧が低下するため、血液の流れが遅くなり、

血栓ができやすい状態になります。

 

さらに起床する前後からは、血圧が上昇すると同時に、

アドレナリンが分泌されることで、血液が固まりやすくなります。

よって、夏の脳梗塞は睡眠中から起床後の時間帯にかけて、

発症のリスクが高くなります。

 

予防のために、まず寝る前に水を1杯飲むようにしましょう。

また、朝起きたときに水を1杯飲むことも、夏の脳梗塞予防につながります。

とくに血圧が高めの人や、動脈硬化の疑いがある人は、

睡眠前後の水分補給をぜひ心がけて下さい。

 

また、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため体内の水分含有率が低いうえに、

汗腺の数が少なめなので体温調節が上手くできないなど熱中症リスクが高い、

という説もあります。

疲れやすい、だるい、食欲が落ちるなどの夏バテ症状を感じたら、

体の中に熱がこもって熱中症になりかけている危険信号だと受け止めて、

すぐに対策を講じましょう。

 

スタミナ不足(夏バテ)の原因はさまざまですが、いずれも糖質やタンパク質、

ビタミン、ミネラルの不足が大きな原因となっているため、食欲がなくても、

少量でも栄養のバランスのとれた食事を心がけることが大切です。

 

夏バテは、主にビタミンB1(うなぎや豚肉、レバー等に多く含まれる)

不足によって起こります。

ビタミンB1はエネルギーの供給だけでなく、

老廃物の代謝にもかかわっています。

B1だけではなく、ほとんどのビタミンB群は、

エネルギーの供給や老廃物の代謝に働いています。

いわば元気の素です。
 

なお、B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。

したがって一緒にとるのが効果的です。

この点を考慮して、ビタミン剤にはB群がまとめて配合されています。

ビタミン剤は疲れがたまった、いざというときの助っ人です。

 

日時:2017年7月16日 PM 05:01
脳卒中かなと思ったら「アクト・ファスト(ACT FAST)」で即判断

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脳卒中は「初期の対応によって、その後の人生が左右される病気」です。一刻も早く脳卒中と判断し、一刻も早く医師の治療を開始することが大事です。それによって、命をとりとめ、後遺症を残さずに生活することもできる可能性が拡がるのです。

そこで、簡単にすばやく脳卒中に対処できるように、「ACT FAST」という対処法を、覚えてもらいたいと思います。

「脳卒中かどうか」をチェックするための目安ですが、これなら、誰にでもできます。

家族などがいる場合は見てもらい、一人のときは鏡を見ながら行ってください。

 

 

脳卒中かなと思ったら「アクト・ファスト(ACT FAST)」で即判断

 

手足がしびれたり、ものが二重に見えたり、言葉がうまく出てこなかったり、

物忘れがあったり、体がふらついたり、めまいがしたり……。

 

こうした“小さな異変”は、日常的に感じているのではないでしょうか。

 

このため、それが脳卒中の症状であると、気づかないことも多いのです。

 

しかし、こうした症状がある日突然いくつも重なって起こった場合は、

脳卒中である可能性が高くなります。

特に、突然、半身の手足や顔に麻痺やしびれが起こったり、

言葉が出てきにくくなったり、

経験したことのない激しい頭痛がしたときには、脳卒中を疑うべきです。

 

脳卒中は「初期の対応によって、その後の人生が左右される病気」です。

一刻も早く脳卒中と判断し、一刻も早く医師の治療を開始することが大事です。

それによって、命をとりとめ、後遺症を残さずに生活することもできる

可能性が拡がるのです。

 

そこで、簡単にすばやく脳卒中に対処できるように、

「ACT FAST」という対処法を、

覚えてもらいたいと思います。

 

「脳卒中かどうか」をチェックするための目安ですが、これなら、誰にでもできます。

 

「ACT」は「行動」、「FAST」は「早く」。

つまり「早く行動せよ!」ということですが、

「F・A・S・T」のそれぞれの文字が、

チェックポイントの頭文字になっています。

 

1 「F」は、Facc(顔)で、「顔の麻痺」があるか、ないか?

2 「A」は、Arm(腕)で、「腕の麻痺」があるか、ないか?

3 「S」は、Speech(言葉)で、「言葉の異常」があるか、ないか?

4 「T」は、Time(時間)で、「時間との闘い」ということ

 

具体的には、次のようにチェックします。

 

家族などがいる場合は見てもらい、一人のときは鏡を見ながら行ってください。

1「顔の麻痺」のチェック

にっこり笑ったり、「チーズ」と言ってみます。

表情が左右で違ったり、左右どちらかの頬や口がゆがんだりしている場合は、

麻痺があると考えられます。

 

2「腕の麻痺」のチェック

手のひらを上に向けて、両腕をまっすぐ前に伸ばし、ゆっくり5つ数えます。

左右どちらかの腕を上げることができなかったり、5つ数える間にどちらかの腕が

下がってきたりする場合は、麻痺があると考えます。

 

3「言葉の異常」のチェック

「今日は天気が良い」などと短い言葉を言ってみます。

言葉が出てこなかったり、うまく話せなかったりする場合は、

“異常あり”と考えます。

 また、「たちつてと」や「らりるれろ」など、タ行やラ行がうまく発音できなかったり、

「パタカパタカ」のくり返しがうまくいえなかったりする場合も、“異常あり”と考えます。

 

この3つのうちの1つでも当てはまれば、迷わず病院へ直行してください。

 

「しばらく様子を見てからにしよう」などと思わないこと。

その一瞬の迷いが命取りになるのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月 4日 PM 03:20
脳卒中を発症したらどの病院に行くか、事前に決めておく

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脳卒中は「どこで、いつ、どんなとき」に発症するかわからず、そこには“運”の要素も入ってくると思いますが、治療の実際を知っているのと知らないのとでは、状況は大きく違ってきます。

「あなたの暮らす地域には、脳卒中の専門病院はあるのか?」「そこではどんな治療が受けられるのか?」

脳卒中を発症する年齢になったら、あるいは「脳卒中の危険因子」を抱えている人ならば、なお一層、それを把握しておいてほしいと思うのです。

 

 

脳卒中を発症したらどの病院に行くか、事前に決めておく

 

脳卒中の診断法も治療法も、さまざまです。

しかしいずれにしても、対処が早ければ、それだけ治療の選択肢は拡がり、

「活き活きした生活」に戻れる確率は高まります。

これは絶対的な事実です。

 

「どんな病院で、どんな治療を受けるか?」も、人生の大きな分岐点になります。

 

脳卒中は「どこで、いつ、どんなとき」に発症するかわからず、

そこには“運”の要素も入ってくると思いますが、

治療の実際を知っているのと知らないのとでは、状況は大きく違ってきます。

 

「あなたの暮らす地域には、脳卒中の専門病院はあるのか?」

「そこではどんな治療が受けられるのか?」

 

脳卒中を発症する年齢になったら、あるいは「脳卒中の危険因子」を

抱えている人ならば、なお一層、それを把握しておいてほしいと思うのです。

 

脳卒中の急性期の病院の情報などは、各都道府県のホームページなどで

紹介しているところもあります。

インターネットの検索サイトで「脳卒中 専門医 ○○県」などとキーワードを

打ち込んでも、多数ヒットします。

 

かかりつけの病院がある人は、「もし脳卒中になったら、どこを受診したらいいか?」

を聞いておくのもいいかもしれません。

 

たとえば東京都では、医療圏ごとに「t-APの治療ができるか」を判断材料にし、

複数の病院が協力体制をとっています。

その地域内で患者さんが出た場合、救急車がどこかの病院に運ぶわけですが、

必ず、どこかに入院できる体制になっています。

 

「病院をたらい回しにされて、受け入れてくれる病院がどこもない」という

悲劇が起きないように、脳卒中に対応できる施設が協力して、当番制を組み、

すべての脳卒中の急性期患者をカバーできる体制を作っているのです。

 

そうした試みは、東京だけに限らず、ほかの地域にも拡がってきています。

まだまだ地域によって差はあるのですが、「脳卒中対策基本法」という法案が

国会に上程されました。

これが通過すれば、そういう体制も全国一律に、地域差がなく整備される、

という希望も見えてきたところです。

 

いずれにしろ、一度、あなたの地域の医療体制を調べてみることをおすすめします。

 

もちろん、「脳卒中を恐れて生きよ」ということではありません。

それはムダなことであり、よけいなストレスを増やすだけです。

しかし、それを知っておくことは「転ばぬ先の杖」になります。

そうしたリスク管理も「脳卒中に強くなる生き方」だと、思うのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月 3日 PM 03:18
なぜ、脳梗塞の対処を急ぐのか?

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血液が途絶えてしまえば、わずか数分で、神経細胞は死んでしまいます。すると、その死んでしまった細胞が担当していた体の部位にも障害が現れるのです。

ところが、血液が途絶えた部分の細胞は、一気にすべてが死んでしまうのではなく、一部は生き残っています。そして、短時間のうちであれば、その生き残った細胞は、救済できるかもしれないのです。

脳卒中の治療が一刻を争うのは、ほかにも理由があります。一つは、起こした直後ほど、再発率が高いということ。もう一つは、合併症への対策です。

 

 

なぜ、脳梗塞の対処を急ぐのか?

 

2005年に「t-PA」という脳梗塞の治療薬が認可されました。

大きな期待を受け“夢の治療薬”として登場した薬ですが、その実力はどうなのでしょうか。

 

「t-PA」は、脳の動脈を詰まらせている血栓を溶かして、血流を再開させる薬です。

「血栓溶解薬」といわれ、点滴で血管内に注入します。

 

血液は血管を通って、全身の細胞に、酸素や栄養を届けていることは、おわかりですね。

脳には1500億の神経細胞があるといわれますが、血液が届けてくれる酸素と栄養のおかげで、

脳は活き活きと働き、全身に“指令”を出せるのです。

 

しかし、血液が途絶えてしまえば、わずか数分で、神経細胞は死んでしまいます。

すると、その死んでしまった細胞が担当していた体の部位にも障害が現れるのです。

 

ところが、血液が途絶えた部分の細胞は、一気にすべてが死んでしまうのではなく、

一部は生き残っています。

そして、短時間のうちであれば、その生き残った細胞は、救済できるかもしれないのです。

この救済可能な脳細胞を含む領域を「ペナンブラ」といいます。

 

ペナンブラの語源は、日食や月食の半影から来ています。

早く血流を再開してあげればペナンブラは、助かるかもしれません。

これを救うためにできた治療薬が「t-PA」なのです。

 

ペナンブラ救済のタイムリミットは4時間半。

つまり、脳卒中を発症してから4時間30分以内に「t-PA」を投与しなければ

ペナンブラは死んでしまい、治療しても効果が期待できないばかりか、

かえって脳出血のリスクが高くなり、有害でさえあるのです。

 

脳卒中の治療が一刻を争うのは、ほかにも理由があります。

 

一つは、起こした直後ほど、再発率が高いということ。

再発すれば、ドンドン重症化していくおそれがあるのです。

心原性脳塞栓症やアテローム血栓性脳梗塞の場合は、

特に再発が早く起こりやすいといわれています。

 

もう一つは、合併症への対策です。

 

嘔吐した物などが、気管支に入り、誤嚥性肺炎を起こすことも考えられます。

気管を塞いで窒息すれば休止することもあります。

また、大量の消化管出血もあり得ます。

こうした合併症への対応も、早く入院すればこそ可能になるのです。

 

また、脳梗塞が大きいと、「脳浮腫」という脳のむくみが起こります。

脳は頭蓋骨で囲まれているため、脳がむくんでも外に拡がりようがなく、

脳の内側の「脳幹」の部分に向かって飛び出してきてしまいます。

これを「脳ヘルニア」というのですが、そうなると、どうなるか?

 

「脳幹」は、呼吸や心臓の動き、血液の循環など、生命にかかわる指令を発するところ

ですから、ここが働かなくなれば、呼吸や心臓が止まってしまうこともあるわけです。

 

そうした生命の危機そのものを回避するためにも、脳浮腫を軽減するような薬を、

早く使わなくてはいけないのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年7月 1日 PM 02:01
ストレスは脳卒中の「最後の引き金」になる

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「動脈硬化の危険因子」になるのは、やはり生活習慣です。年を重ねれば、血管も老化し、それだけ脳卒中を起こしやすくなります。

脳卒中の下地ができたところに、何らかの原因が加わって、実際に発症するのですが、ストレスが、その最後の引き金になることがあります。

異常な精神状態になったり、大きなストレスが加わって発症するのは、実際にとても多いパターンです。体の状態がいい人は、そのくらいでは発症しないのですが、ある程度動脈硬化が進んでいたりすると、それが引き金になってしまうのです。

 

ストレスは脳卒中の「最後の引き金」になる

 

 ストレスそのものが脳卒中を引き起こすのではなく、

その“引き金”になり得るということ。

 

「動脈硬化の危険因子」になるのは、やはり生活習慣です。

 

動物性脂肪の多い食事や運動不足、喫煙、お酒の飲み過ぎなど、

日々の良くない生活が「死の四重奏」といわれる高血圧、糖尿病、

脂質異常症、肥満(メタボ)をつくっています。

もちろん、ストレスも少なからず絡んでいると考えられますが、

あくまでもそれは間接的にという範囲でしょう。

 

「脳卒中の危険因子」には、自分ではどうにもできない要素もあります。

生まれつき動脈瘤があるとか、心臓の構造に問題があるとか、

人種や性別の問題もあります。

年を重ねれば、血管も老化し、それだけ脳卒中を起こしやすくなります。

 

脳卒中が「多因子疾患」といわれるのは、このようなさまざまな

原因が積み重なって発症に至るからです。

 

脳卒中のこうした下地ができたところに、何らかの原因が加わって、

実際に発症するのですが、ストレスが、その最後の引き金になることがあります。

 

脳卒中を発症した40代、50代の若い患者さんに、

「ストレスについて、思い当たることはありませんか?」

と話を聞くと、こんな返事が返ってきます。

 

「慢性的に寝不足でした」

「締め切りのある仕事で、いつもプレッシャと闘っていました」

「仕事は楽しかったのですが、毎日忙しくて残業が多く、

ストレスはあったと思います」

「実は会社が倒産し、お先真っ暗の状態でした」

「夫婦ゲンカで妻が家を飛び出て、その間に倒れました」

 

これは、ごく一例ですが、このように異常な精神状態になったり、

大きなストレスが加わって発症するのは、実際にとても多いパターンです。

 

体の状態がいい人は、そのくらいでは発症しないのですが、

ある程度動脈硬化が進んでいたりすると、

それが引き金になってしまうのです。

 

ストレスは、不整脈も発生しやすくします。

ストレスの刺激から心房細動の発作を起こし、

結果的に脳卒中を起こしてしまう人もいるのです。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

日時:2017年6月30日 PM 04:35
「バランスの乱れ」が脳卒中を呼ぶ

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食べ物だけの話ではなく、「バランス良く」ということが、健康考える上での大きなポイントだと考えています。

現代人の生活を見ていると、何事においても“極端過ぎる”傾向があり、それが健康を害する大きな原因になっているように思えます。

「一つの食品を偏って食べすぎる」「お酒を飲み過ぎる」「働き過ぎる」「スポーツで体に負荷をかけ過ぎる」など、振り子の針が大きく振れたような生活をしています。

バランスを欠けば、どこかに必ず無理が生じます。体は正直ですから、無理をしたひずみは、必ずどこかに現れてくるのです。

 

「バランスの乱れ」が脳卒中を呼ぶ

 

いうまでもなく、「自分の健康は自分で守る」のが基本です。

 

しかし、世間でもてはやされる健康法の中にはかなり極端で、

とうてい容認できないものもあります。

 

たとえば、「炭水化物はなるべく摂らない」とか

「肉をたくさん食べたほうが長生きできる」という説。

確かに、そういう健康法が体に合う人もいるのかもしれませんが、

正直、多くの人にとって有益な情報とは思えません。

 

肉類にはアラキドン酸という成分が含まれますが、これを摂り過ぎると、

どう考えても血が固まりやすく、血栓ができやすくなります。

「国民栄養調査」を見ても、動物性脂肪の摂取量の多さが、

脳卒中や心筋梗塞の増加につながっていることは明らかです。

 

つまり、肉類の食べ過ぎは、脳卒中の予防の面からしても、危険なのです。

 

だからといって、肉類をまったく食べないというのも問題です。

 

結局、最終的には、肉も魚も、野菜も果物も、米や麦などの穀類も、乳製品も、

「バランス良く」摂り、しかも「食べ過ぎない」ということに尽きるのです。

 

食べ物だけの話ではなく、この「バランス良く」ということが、

健康考える上での大きなポイントだと考えています。

 

現代人の生活を見ていると、何事においても“極端過ぎる”傾向があり、

それが健康を害する大きな原因になっているように思えます。

 

「一つの食品を偏って食べすぎる」「お酒を飲み過ぎる」「働き過ぎる」

「スポーツで体に負荷をかけ過ぎる」など、振り子の針が大きく振れたような

生活をしています。

 

バランスを欠けば、どこかに必ず無理が生じます。

体は正直ですから、無理をしたひずみは、必ずどこかに現れてくるのです。

 

「バランス良く」というのは、「中庸」とか「ほどほど」という言葉に

置き換えられます。

 

「中庸」は孔子の「中庸の徳たるや、それ至れるかな。民鮮(すく)なきこと久し」

という言葉が元になっているといわれます。

 

その意味は、

 

「何事においても、過不足なく、ほどほどに生きられる人は、

人徳としては最高のものである。やり過ぎるのも良くないし、

かといって、遠慮し過ぎるのもよくない。

しかし、そのようにバランスよく行動できる人は少なくなった」

 

というもの。

孔子の時代から、すでに「バランスのいい人は、少なくなった」というのですから、

現代人が“偏った生活”に陥っているのも仕方がないのかもしれません。

「脳卒中にならない、負けない生き方 より」

 

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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて

「栄養」として働きます。

 

栄養素は現在、知られているだけでも約50種類あるといわれています。

まだはたらきが解明されていない成分も多数あると考えられるため、

実際はそれ以上になるでしょう。

多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみが

ヒトの体には整っています。

しかしこれは、裏を返せばヒトはひとつの栄養素だけでは生きていけない

ということにほかなりません。

たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、

ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…

というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。

よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、

栄養素もひとつだけでは機能しません。

 

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、

動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが

増えるといわれています。

さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、

ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に

バランスよく摂ることがとても重要なのです。

日時:2017年6月29日 PM 02:57
脳や神経に不可欠なビタミンB12 栄養化学研究所所長 村上幸雄

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数々のユニークさを持つことから、ビタミンB12に着眼し、40年以上研究を続けてきました。その結果、ビタミンB12は作用の点でも、ほかに類を見ないビタミンであることがわかりました。

ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。それと同時に、脳神経系への働きにも深くかかわっています。

元京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な高齢者の脳と比較して、認知症の方の脳では、含まれるビタミンB12が4〜6分の1に低下していたと報告しています。

 

 

脳や神経に不可欠なビタミンB12 栄養化学研究所所長 村上幸雄



ビタミンというと、一般には、野菜など植物性食品に多く含まれる

というイメージが強いようです。

しかし、実は、動物性食品にしか含まれないビタミンもあります。

それはビタミンB12です。

 

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には

広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。

 

ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、

日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的に

ビタミンB12が含まれています。

これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。

 

ビタミンB12を電子顕微鏡で見ると、鮮やかな赤色の結晶が見えます。

こんな鮮やかな色のビタミンは、ほかにありません。

 

また、ビタミンB12は、ほかのビタミンとはケタ違いに分子量が大きいのです。

たとえば、ほかのビタミンを人間一人が乗る飛行機にたとえると、

ビタミンB12は、それが何機も飛びたてる航空母艦なみの大きさです。

 

こういった数々のユニークさを持つことから、ビタミンB12に着眼し、

40年以上研究を続けてきました。

その結果、ビタミンB12は作用の点でも、

ほかに類を見ないビタミンであることがわかりました。

 

ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。

血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。

それと同時に、脳神経系への働きにも深くかかわっています。

 

根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、

体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。

とりわけ、脳や神経には、ビタミンB12は不可欠なのです。

 

脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質

というものが行き来します。

二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。

シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。

 

ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、

シナプスは次々にこわれていきます。

ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。

 

ビタミンB12は、水溶性(水に溶ける)ですが、

脂肪成分となじみやすい構造をもっています。

脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。

そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、修復作用を発揮します。

 

元京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な高齢者の脳と比較して、

認知症の方の脳では、含まれるビタミンB12が4〜6分の1に

低下していたと報告しています。

認知症とビタミンB12の深い関係を示唆する研究結果といえます。

 

大量にとるほど効果を発揮

 

ビタミンB12の必要所要量は、厚生労働省によると、

成人で1日2.4マイクログラム(1マイクログラムは百万分の1グラム)

とされています。

これは悪性貧血を起こさないための最低量で、少し余裕をみて、

必要量を1日5マイクログラムとする説もあります。

 

これらは「欠乏症を防ぐ」ための摂取量ですが、まったく違う観点から、

1日に3000マイクログラムのビタミンB12をとるよう提唱しています。

脳神経系への積極的な作用を期待するには、このレベルのとり方が必要だからです。

 

これだけ多量のビタミンB12は、食品からは到底とれません。

そこで、おすすめしたいのが、大量のビタミンB12が手軽にとれる

「脳ビタミン食品」です。

 

この食品は、朝晩1包ずつとれば、1日に3000マイクログラムの

ビタミンB12がとれるようになっています。

なお、大量にとっても、弊害がないことが、医学的にハッキリ確認されています。

 

水溶性ビタミンであるビタミンB12を大量にとっても、

体内で働かずに排泄されるのではないかという見方もありますが、

それは違います。

 

ビタミンB12は、最終的には尿中に排泄されますが、

それまでの間、体内でさまざまな働きをします。

ビタミンB12の場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、

一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、

吸収率が増す効果)により、吸収、利用率が高まります。

 

脳を活性化する成分として、近ごろではダイズなどに含まれる

PS(ホスファチジルセリン)というものが話題になっていますが、

ビタミンB12には、脳内でPSを作る働きもあることがわかっています。

 

脳ビタミン食品には、ビタミンB12とともに、他のビタミンB群、ビタミンE、

セレン、コエンザイムQ10、イチョウ葉エキスといった多種類の有効成分や

機能性食品が配合されています。

それらにの相乗作用によっても、脳神経系への幅広い効果を発揮するものと思われます。

 

脳ビタミン食品は、物忘れや認知症、記憶力や集中力の向上に役立ちます。

また、腰痛や手足のしびれなどが改善した人もいます。

 

超高齢社会を目前にしたいま、元気でイキイキと年を重ねるために、

ビタミンB12に注目していただきたいと思います。

「健康雑誌安心 より」

日時:2017年4月25日 PM 04:54
老化を感じ始めたら脳と神経のビタミン

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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

老化物質(ホモシステイン)が動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の危険性が高まるといわれています。

 

老化を感じ始めたら脳と神経のビタミン

 

今から60余年前、アメリカの月刊誌『リーダーズダイジェスト』は、

“赤いビタミン(ビタミンB12)が悪性貧血の患者を救う特効薬だ”と報じて

センセーショナルな話題を提供しました。

以来、“ビタミンB12”は、世界的に研究者の注目を集め、

それに関連した研究にはいくつものノーベル賞が与えられてきました。

そして今では、ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも

効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に

利用されています。

 

食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。

胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。

このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血を

おこすことがあります。

 

また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、

認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。

とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、

それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。

近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、

そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、

動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。

長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、

一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる

恐れがでてきます。

 

ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が

欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

 

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、

原則として植物性食品には含まれません。

植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。

 

ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善

あるいは促進する作用があります。

同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると

体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を少なくする働きも持っています。

 

ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、

年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、

内因子が少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。

しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果

によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。

吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と

考えられています。

さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、

野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、

ビタミンB12を補った方が良いとされています。

胃の病気、加齢、ストレスなどでも不足します。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、

動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと

核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、

「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの

栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

日時:2017年4月15日 PM 02:35
「隠れ脳梗塞」のサインを見逃さないためには

2017.4.6.jpg

 

隠れ脳梗塞に自覚症状がなく自分で発見

できないのはなぜでしょうか。

ひょっとしたら、ごく小さなサインを見落として

しまっていることがあるかもしれません。

自分に都合のいい解釈をしてしまい、

隠れ脳梗塞を見落としてしまうこともあるのです。

わずかな兆候でも見逃さないことで、

脳梗塞を防ぐ一歩につながるのです。

 

 

 

「隠れ脳梗塞」のサインを見逃さないためには

 

「サイレントエリア」の脳梗塞は症状が出ない

 

脳には「サイレントエリア(無症候野)」という領域があります。

サイレントエリアは、傷ついても通常は症状が出にくい部分です。

その性質から脳外科の手術でメスを入れたり、チューブを通したりするために

使われる部分ですが、ここに脳梗塞が起きている場合は、症状がでないというわけです。

 

小さな脳梗塞はもちろん、かなり大きな脳梗塞が起きても、

何の障害もなくピンピンしていることも珍しくありません。

 

ですから、サイレントエリアにできた脳梗塞はすべからく隠れ脳梗塞であるといえます。

 

ただ、「サイレントエリアなら隠れ脳梗塞があってもOK」というわけではありません。

隠れ脳梗塞は増えていくこともありますし、ほかの部分にできた脳梗塞と一緒になって

重大な障害を引き起こすこともあります。

 

脳に備わっている「代償機能」

 

また、脳には一部の機能がダメになっても、ほかの神経でそれを補う「代償機能」があります。

後遺症から立ち直るために行うリハビリでは、この代償機能がよく使われています。

 

たとえ隠れ脳梗塞で一部の神経が傷ついていても、ほかの神経細胞が十分に働けば

体の機能に問題は出ません。

実際は神経が傷ついているのですが、代償機能によって症状を自覚できない

ということになるのです。

 

一般的に、運動機能や目、耳など2つある部位は代償が効きやすく、

しびれなど知覚や言語、思考の領域は代償が効きにくいといわれています。

 

軽い症状、一時的な症状を見落としてしまうことも

 

症状が軽いため、自覚症状がでない隠れ脳梗塞ですが、

神経症状として日常の中に出てくる場合があります。

それを以下のチェック表にまとめてみました。

 

一時的な発作(TIA)に代表されるように、脳の障害の中には症状が出ても

すぐに消えるものがあります。

一瞬、意識を失うことがあっても、すぐに戻る、頭痛やめまいが起こっても

すぐよくなるといった具合です。

すると、多くの人は「すぐに治ったから大丈夫」と安心してしまうのです。

まさか、隠れ脳梗塞の症状だとは思いません。

 

また、人は自分が重大な病気だとは思いたくないものですから

「頭が痛いのは風邪のせいかも」「足がふらつくのは運動不足だから」

「物忘れがひどいのは年のせいだから」と、

自分に都合のいい解釈をしてしまいがちです。

その結果、隠れ脳梗塞を見落としてしまうこともあるのです。

 

日頃から体の異変を注意深く観察することが、症状を見逃さないポイントです。

 

もちろん、過剰に心配しすぎて、頭痛が起こったらすぐに病院に駆け込む、

といった必要はありません。

まずは、チェック表で今の体の状態をきちんと把握してみてください。

 

<こんなことはありませんか?>

 

当てはまるものがあったらチェックを入れてください。

□ なんの前ぶれもなく頭痛や肩こりに襲われることがある

□ いつもめまいや耳鳴りがする

□ 歩くときに足がもつれたり、つまずいたりする

□ 階段の上り下りや敷居をまたぐときに、片方の足をよく引っ掛ける

□ 以前に比べて手先が不器用になり、字がヘタになった

□ 以前に比べて計算間違いが多くなった

□ 手足がしびれたり震えたりすることがある

□ 顔や唇がしびれたり震えたりすることがある

□ 一時的に意識が遠のくことがあり

□ 記憶がまったくなくなったり、物忘れをしたりすることがある

□ 突然、ろれつが回らなくなることがある

□ 早口で話をされると理解しにくい

□ 水や食べ物が飲み込みづらくなった

□ すぐむせたり、たんがからんだりする

□ 物が二重に見えたり、視野が欠けたりすることがある

□ 声がかすれて大声を出そうとすると息切れする

□ ささいなことできゅうに泣き出したり、大声で笑い出したりする

□ 突然、冷や汗が出たり、動悸がしたりすることがある

□ 突然、気分が落ち込んだり、うつ状態になったりすることがある

3つ以上当てはまる人は、隠れ脳梗塞のおそれがあります。

「「隠れ脳梗塞」を見つけて脳梗塞を防ぐ より」

日時:2017年4月 6日 PM 04:49
脳梗塞になると起こる「全体症状」と「局所症状」

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  急に意識がなくなり、倒れてそのまま……

  という印象が強い脳梗塞ですが、

  じつはさまざまな症状があります。

  注意深く体調を見極めることが、

  早期発見のカギです。

 

 

 

 

脳梗塞になると起こる「全体症状」と「局所症状」

 

頭痛、めまい、動悸などを起こす「全体症状」

 

隠れ脳梗塞は症状が出ませんが、脳梗塞の症状は大きく分けて2つあります。

 

ひとつは「全体症状」で、頭痛、めまい、ふらつき、動悸などがそれにあたります。

また、高血圧も大きく影響します。

血圧が上がったとき、脳内に必要以上に血液が行き過ぎてしまうと困ります。

ですから、脳にある血管はぎゅっと収縮します。

ところが、動脈硬化があって収縮するのが遅れると、頭に血流が行き過ぎてしまい、

それで頭痛が起こります。

これは全体症状のひとつです。

 

逆に、血圧が下がったときに動脈硬化があると、今度は血管が拡張してくれません。

血圧が下がるということは、血液が十分に脳に行かないということ。

その状態で拡張が遅ければめまい、ふらつきが起こります。

 

頭が痛いという患者さんを診察し、血圧を測ると血圧がいつもと違って高いことがあります。

さらに調べていくと、頭の中に梗塞や出血があった人がかなりいます。

 

夜中に胸がドキドキして一晩中、まんじりともしなかった、

言いようのない不安感に襲われた、という症状が出る人もいます。

 

血管が詰まった場所で違う「局所症状」

 

もうひとつは、「局所症状」です。

これは脳梗塞によってダメージを受けた脳の部分によって、症状が異なります。

脳には物事を行うための地図があり、その領域によって受ける影響が違うのです。

 

局所症状には、筋力低下、運動の失調、知覚障害、冷え、

視野の欠損といった症状が見受けられます。

また、なんとなくつまずく、車の運転中に理由もなくぶつかるということもあります。

手足のしびれや、手が動かしづらく不器用になったという状況も要注意です。

 

ボケの原因は隠れ脳梗塞にもあった

 

脳の地図の中には、計算や記憶を司る領域もあります。

若いうちは脳が十分に働き、さっと計算ができ、さまざまなことを覚えることができます。

ところが、年齢を重ねるにつれて隠れ脳梗塞が起こってくると、

その働きが徐々に阻害されていくことになります。

すると、今まで簡単にできていた計算ができなくなったり、

人の顔を覚えることができなくなったりしてしまうのです。

要はボケてしまった状態です。

 

「年をとったのだから忘れっぽいのは仕方がない」とのんきに構えていると、

隠れ脳梗塞が進行し、ボケもひどくなることがあります。

 

脳の神経細胞は再生しませんが、地図の領域は広げることができるのです。

領域が広がれば、ダメージを受けた部分をフォローすることができます。

 

また、刺激を受けることも効果的です。

いくつになってもひきこもらず、積極的に外に出て、人と関わっておしゃべりをしてください。

 

<脳梗塞が起こる場所によって症状が異なる!>

 

前頭葉(ぜんとうよう)

運動機能の中枢、運動言語中枢、精神機能中枢がある。

脳梗塞になると起こる症状

人の名前が思い出せない、物事に興味や関心がなくなる、手足のマヒが出るなど

 

頭頂葉(とうちょうよう)

あらゆる感覚の中枢がある。

温冷覚、空間認識、左右認識も含まれる

脳梗塞になると起こる症状

計算がヘタになる、暗証番号が思い出せない、手探りの動作が苦手になるなど

 

後頭葉(こうとうよう)

視覚中枢がある。

脳梗塞になると起こる症状

階段を踏み外す、物をつかみそこなう、自分の傘がどれかわからないなど

 

小脳(しょうのう)

運動機能の中枢、操作記憶がある。

脳梗塞になると起こる症状

筋力の低下、ろれつが回らない、目を閉じて立っていられない、字がヘタになるなど

 

側頭葉(そくとうよう)

記憶、聴覚、嗅覚、感覚言語の中枢がある。

脳梗塞になると起こる症状

同じことを繰り返し言う、名前を呼ばれてもすぐに気づかない、低い小声が聞き取りにくいなど

「「隠れ脳梗塞」を見つけて脳梗塞を防ぐ より」

日時:2017年4月 5日 PM 04:53
隠れ脳梗塞・脳梗塞が起こる原因は脳の動脈硬化

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隠れ脳梗塞は脳梗塞への予備軍といえます。

では、なぜ脳梗塞は起こるのでしょうか。

動脈硬化は、生活習慣、過度のストレスなど、

さまざまな理由で血管が傷ついたときに、

体が自分で治そうとすることで起こります。

傷ついたままだと血管が破れてしまうわけですから、

それを防ぐためにカサブタのような状態を作り、

硬くしてしまうのです。

硬くなった血管は、狭く、もろくなってしまいます。

 

隠れ脳梗塞・脳梗塞が起こる原因は脳の動脈硬化

 

血液が行き渡らないと脳の神経細胞が破壊される

 

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血液が行き渡らなくなることで、

脳細胞が壊死してしまう病気です。

 

血液には脳を含め、体中に酸素を送る役割があります。

その通り道である血管が詰まると、その先には酸素は行き渡りません。

脳の神経細胞は、たった5分の酸欠でその部分が破壊されてしまいます。

 

このため、大きな血管で脳梗塞を起こすと、脳に重大なダメージが与えられ、

命の危険にさらされるのです。

 

また、一命を取りとめたとしても、マヒや言語障害、

認知症などの後遺症が残る場合があるのです。

 

ただ、血流が悪くなっても、それが命や運動機能に重大な影響を

及ぼさないこともあります。

 

たとえば、田んぼが干上がる過程を想像してみてください。

水をせき止めたとしても、急に田んぼは干からびません。

徐々に干上がり、ところどころにぺんぺん草が生えてきます。

この時点でぺんぺん草を抜き、水を流し込めば、田んぼはよみがえります。

 

田んぼは脳、水は血液、隠れ脳梗塞がぺんぺん草です。

早く気づいて処置すれば、脳は無事のままだというわけです。

 

脳梗塞が起こる原因は脳の動脈硬化

 

では。なぜ脳の血管が詰まるのでしょうか。

その原因は動脈硬化です。

動脈硬化は、生活習慣、過度のストレスなど、さまざまな理由で

血管が傷ついたときに、体が自分で治そうとすることで起こります。

傷ついたままだと血管が破れてしまうわけですから、それを防ぐために

カサブタのような状態を作り、硬くしてしまうのです。

硬くなった血管は、狭く、もろくなってしまいます。

 

やわらかい砂利道をトラックが踏んだらベコベコになってしまいます。

そこに近所の人が自前の土や材料を持ってきて、

修理したらガチガチになってしまうでしょう。

動脈硬化はそんな修理作業と同じです。

 

硬く、もろくなった血管がついに破れると、脳出血を起こし、

血栓ができて詰まると、脳梗塞になるのです。

 

脳梗塞、脳出血などを合わせた呼び名が、「脳卒中」です。

脳卒中は脳の血管疾患の総称で、脳梗塞もその一種ということになります。

 

脳梗塞や脳出血が起こりやすい動脈

 

脳梗塞や脳出血が起こりやすい部分があります。

太い血管から細い血管に移ろうとするとき、逆流してしまうような角度があったり、

まっすぐな血管から、横に血管が分かれているような場所です。

 

内頸動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈、脳底動脈などから派生する

非常に細い血管(穿通枝)です。

 

とくにレンズ核線条体動脈は、別名「脳卒中動脈」と呼ばれるほど梗塞が多く出現する部分です。

 

ただし、隠れ脳梗塞は太い血管から分かれて細い血管になり、いちばん細い毛細血管になる手前の、

髪の毛ほどの太さの細動脈という部分にもっとも多いように思われます。

 

また、近年では脳の血管ではなく、首の動脈硬化によって起こる脳梗塞が

30〜40代の比較的若い層に増えてきています。

「「隠れ脳梗塞」を見つけて脳梗塞を防ぐ より」

日時:2017年4月 2日 PM 04:22
「隠れ脳梗塞」を見つければ、脳梗塞は防げる!?

   

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  隠れ脳梗塞は、年をとれば、ほとんどの人にできるものです。

  皮膚にシワやシミができることと同じように、老化現象のひとつ

  であると考えてください。ただ、脳の血管の細いところが詰まり、

  血流が悪くなってきているという事実はあります。

  それによって、皆さんが恐れる大きな脳梗塞や脳出血の予備軍

  であることは間違いありません。

  もしも顕著な症状が出ていたら、医師に相談してください。

  そうすることで、脳梗塞が予防でき、脳の病気にかかるリスクが

  減らせるのです。

 

 

「隠れ脳梗塞」を見つければ、脳梗塞は防げる!?

 

50代で約半分の人に見つかる「隠れ脳梗塞」

 

隠れ脳梗塞は、脳にできる小さな小さな梗塞のこと。

自覚症状はほとんどありません。

30代で6人に1人、40代で4人に1人、50代では約半分、60代では8割以上、

ほぼ全員にあるという割合です。

 

一瞬、意識がなくなるけれどすぐに治る、手足がしびれたりろれつが回らなかったりする

けれどすぐ治まる、といった症状で、学問的には一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれます。

症状は24時間以内に消えます。

それが24時間以上3週間以内まで症状が続く場合は、可逆性虚血性神経脱落(RIND)となります。

それらを調べてみると小さな脳梗塞が原因だったことがわかりました。

 

さらに、解剖学的に見てみると年をとった人の脳には小さな穴があることがわかりました。

その穴のことをラクナといいます。

小さな穴、小孔という意味です。

ですから、病理学的には隠れ脳梗塞とはいわず、ラクナ梗塞と呼びます。

医学的には2009年に、日本脳卒中学会において、

「脳の中にはラクナ梗塞(隠れ脳梗塞)がかなりある」という主張がだいたい通るようになりました。

 

隠れ脳梗塞は老化現象のひとつ

 

隠れ脳梗塞は、年をとれば、ほとんどの人にできるものです。

皮膚にシワやシミができることと同じように、老化現象のひとつであると考えてください。

 

ただ、脳の血管の細いところが詰まり、血流が悪くなってきているという事実はあります。

それによって、皆さんが恐れる大きな脳梗塞や脳出血の予備軍であることは間違いありません。

早く見つけて、しかるべき治療をしたほうがいいのは当然です。

 

隠れ脳梗塞が見つかったら、逆によかったと思ってください

 

昔、20代後半の患者さんに、隠れ脳梗塞が見つかりました。

若く、高血圧もなく、本人の希望もあったため、

とくに薬などの治療はせず様子を見ていました。

ところが5年後に調べてみると、隠れ脳梗塞が増えていることがわかったのです。

「ショックだろうけど、仕方がない。薬を飲みましょう」と投薬治療を始めました。

現在、その方は50代。

社会でバリバリ活躍しています。

 

隠れ脳梗塞が見つからず放置していたら、いつか脳梗塞で倒れ、

今頃は不自由な生活をしていたかもしれません。

隠れ脳梗塞が早く見つかってよかったのです。

 

今日から脳梗塞を予防する生活をしよう

 

脳梗塞予備軍である隠れ脳梗塞は、早いうちに見つかったほうがいいのです。

要するに「これを契機にあなたは脳梗塞の予防をスタートできる」ということです。

大きな脳梗塞が起きてから気がつくよりも、その前に気がつけば、

元気でいられるというわけです。

 

もしも顕著な症状が出ていたら、医師に相談してください。

そうすることで、脳梗塞が予防でき、脳の病気にかかるリスクが減らせるのです。

「「隠れ脳梗塞」を見つけて脳梗塞を防ぐ より」

日時:2017年3月23日 PM 04:46
寒い日は、首の頸動脈を温めるマフラーは必需品

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ご高齢の家族を持つ人は、入浴時は声をかけ合うことも重要です。動脈硬化、不整脈、高血圧、糖尿病などの人も、ヒートショックの影響を受けやすいので注意が必要です。

冬場の外出時には、コート、帽子、マフラー、手袋を着用し、寒暖差に対する体の負担を軽減しましょう。家の中で装着してから外出すれば、血管の中の血液が急に冷やされないので、血管にストレスをかけずにすみます。

居間から浴室、寝室からトイレへの移動には、首と足を冷やさないように、浴室全体を温めるなどの工夫をしましょう。

 

 

急激な寒暖差にご用心!ヒートショックが突然死をまねく

 

入浴中に心配が停止して、救急搬送されて亡くなられる人は、

全国に年間1万7000人いると推測されています。

そのうち約8割は、65歳以上の高齢者です。

 

日本では浴室は北側にあることが多く、冬場では暖かい部屋から廊下、脱衣所、

浴室、浴槽へ移動する際、温度差が20度以上になることもまれではありません。

このような急激な温度変化(寒暖差)に心臓や血管は弱いのです。

鳥肌を立ててブルブル震えながら熱い湯につかれば、血圧の急激な上昇・下降

という大きな変動が起こり、血管事故が起こりやすくなるのです。

しかも、首まですっぽり熱い湯につかると水圧で心臓や肺が圧迫されます。

その結果、意識を失って浴槽内で溺れたり、長湯しているうちに熱中症のような

状態になったりします。

このような状態を「ヒートショック」といいます。

 

動脈硬化、不整脈、高血圧、糖尿病などの人も、ヒートショックの影響を

受けやすいので注意が必要です。

高齢者の家族を持つ人は、入浴時は声をかけ合うことも重要です。

 

手袋とマフラーが血管事故を防ぐ

 

冬場の外出時にも、急激な温度変化からヒートショックが起こりやすくなります。

コート、帽子、マフラー、手袋を着用し、寒暖差に対する体の負担を軽減しましょう。

家の中で装着してから外出すれば、血管の中の血液が急に冷やされないので、

血管にストレスをかけずにすみます。

このような生活習慣の積み重ねが、血管事故の予防につながります。

 

冬場の血管事故や突然死は、浴室・トイレで起こりやすい

 

暖かい部屋から浴室(入浴中の突然死、12〜1月が多い)、

寝室からトイレ(冬の深夜、室温は20度以上の温度差)への移動。

急激な温度変化(寒暖差)が、血管事故を引き起こします。

ガウンなどを羽織る、靴下やスリッパをはくなど、首と足を冷やさないように、

入浴前に浴槽の蓋を開けて、浴室全体を温めるなどの工夫をしましょう。

「動脈硬化を予防する!最新治療と正しい知識 より」

日時:2016年12月15日 PM 04:17
日々少しずつ進行する隠れ脳梗塞

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隠れ脳梗塞は、年齢とともに誰にでも起こり得る

脳の老化現象の一つです。

脳をMRIで診断すると、実に40代の3人に1人、

50代の2人に1人、60代の8割以上に隠れ脳梗塞が

あることが確認できるそうです。

しかし、予防に関しても大いに進歩し、症状が出る前の

病気の把握や予知により、初期の段階で、的確に予防

することが可能となってきています。

 

◆◆ 日々少しずつ進行する隠れ脳梗塞 ◆◆

 

脳梗塞は、高血圧(血圧が高く、血管が痛む病気)や糖尿病(血液中のブドウ糖がふえて

血管が痛む病気)などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって

血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の毛細血管が徐々に詰まって進行していきます。

 

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさが数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、

段階をへることにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

そしてついには本格的な脳梗塞へと発展していくのです。

 

このような症状のないごく小さな梗塞を、「隠れ脳梗塞」としています。

隠れ脳梗塞は、医学用語では「無症候性脳梗塞」や「一過性虚血発作」などとされ、

その名のとおり、あまり大きな症状は現れません。

また、たとえ症状があっても、ふつうは一時的で、短時間で回復するため、軽視されがちです。

 

しかし、症状がないからといってこの隠れ脳梗塞を放置することは、非常に危険です。

実際、隠れ脳梗塞が見つかってから数年以内に約3割の人が脳梗塞の発作を起こす

というデータがあることからも、あなどれないものなのです。

 

脳梗塞は、それまで比較的元気そうに見えた人が、ある日突然、

意識を失って倒れることが多いため、

予告なしに突然襲い掛かる病気のように考えがちですが、

実は、目に見えないところで少しずつゆっくりと、

長い年月をかけて進行していく病気なのです。

ふだんの生活の中で、徐々に血管が傷つけられていくこともあれば、

身内の死のような大きなストレスが降りかかった場合、

血管が一気に傷ついてポロポロになってしまうこともあります。

 

したがって、脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、

ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけることが非常に大切なのです。

 

隠れ脳梗塞は、いわば皮膚のシミやシワのようなもので、

年齢とともに誰にでも起こり得る脳の老化現象の一つです。

実際、脳をMRI(磁気共鳴画像)で診断すると、実に40代の3人に1人、50代の2人に1人、

60代の8割以上に隠れ脳梗塞があることが確認できます。

 

ボケ症状の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くのボケを防ぐことができます。

一昔前は、脳血管障害(脳卒中、脳溢血、中風など)は、いったん起こってしまったらしかたがないもの、

とあきらめていましたが、最近では脳血管障害の治療や管理が飛躍的によくなり、

少々痛んだからといって、必ずしも死に至る病ではなくなりつつあります。

加齢とともにだれにでも起こり得る脳血管障害は、現代では軽い脳の血管障害ならば、

かなりのところまで予防が可能なのです。

 

平均寿命の上昇に伴い、増加傾向にある軽い脳血管障害は、マヒや認知症、寝たきりなどの

後遺症のおそろしさから、だれもがその不安を抱えつつ生活している部分があります。

しかし、予防に関しても大いに進歩し、症状が出る前の病気の把握や予知により、

大きなダメージをもたらす前の初期の段階で、的確に予防することが可能となってきたのです。

「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」

日時:2016年9月19日 PM 03:31
脳梗塞を防ぐことは、元気な老後を送るうえで不可欠

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 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、
 その原因の多くが脳梗塞です。
 脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が
 数個出現します。
 これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
 隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、
 40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 脳梗塞・隠れ脳梗塞をはじめとする脳血管障害を
 生活習慣病の一つと捉え、脳の血管を健康に保つ
 生活を心がけましょう。

 

 

 

◆◆ 脳梗塞を防ぐことは、元気な老後を送るうえで不可欠 ◆◆

 

2014年の厚生労働省のデータによれば、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)は

死因の第4位で、9.0%の方が命を落としています。

 

脳血管疾患を軽視してはいけません。

 

脳血管疾患の死亡者数は脳出血が激減しているのに対し、

脳梗塞は、大きく減っていません。

 

かつて、日本人は塩分を多くとる食事をしていました。

魚や魚卵、野菜などを塩漬けにし、保存食として常備しました。

さらに、しょうゆや味噌、塩がすべての味つけのベースになっていたのです。

日本高血圧学会は、理想的な塩分摂取量を1日6gと定めていますが、

1950年代後半〜60年代前半の東北地方では、

平均で20g以上も塩分を取っていたといわれています。

 

塩分の多い食事は血圧を高めます。

その結果、細い血管が切れる脳出血が起こりやすかったのです。

昔は脳血管疾患といえば脳出血がほとんどで、

1950年代まで脳梗塞はほとんどありませんでした。

 

ところが、1970年代に入り食生活が欧米化すると、

事情が変わり始めました。

塩分摂取量は劇的に減少し、それに呼応するように

脳出血で亡くなる人の数も減少し出したのです。

 

しかし、逆に肉が多く、魚や野菜が少ない欧米流の食事は、

脂質やコレステロールの過剰摂取を招きました。

1980年代になると女性の進出が顕著になり、外食やコンビニ食が増え、

その傾向に拍車がかかります。

その結果、増えてきたのが脳梗塞というわけです。

 

脳血管疾患で亡くなる人が減ったもう1つの理由として、

医療の進歩が挙げられます。

かつては発作を起こしたら動かさないほうがいい、と信じられていましたが、

現代医療では一刻も早く処置をするように改められています。

そして、最新の緊急医療によって命を取り留めることができるようになりました。

 

その一方で、新たな問題が浮上してきました。

脳梗塞の後遺症によって、介護生活に陥る人が増えたのです。

介護が必要になった原因の24.3%、男性に限れば、

実に41.2%を脳血管疾患が占めているのです。

脳梗塞を防ぐことは、長生きはもちろん、

要介護状態にならず元気な老後を送るためにも不可欠なのです。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

 

日時:2016年9月 1日 PM 04:30
脳梗塞の危険は軽減できる生活習慣を改めて血管力をアップ

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脳梗塞を防ぐためには血管の健康を維持することが最善かつ唯一の方法です。

もしも、MRI検査などにより隠れ脳梗塞が見つかったとしても、落胆する必要はありません。

死滅した脳細胞自体は元に戻せませんが、この段階ではまだそれほど大きなダメージは

受けていないからです。

大切なことはそれ以上の血管事故を起こさないようにすることです。

幸いなことに、血管は一度老化したとしても、若返らせることが可能なのです。

血管内皮は、肌と同様の新陳代謝により、日々新しく生まれ変わっています。

心を入れ替えて生活習慣を改めれば、血管内皮細胞は本来の機能をとり戻し、

動脈硬化を予防し血栓を防ぐことによって、脳梗塞の危険は減少していきます。

 

循環器を専門とする病院には、頚動脈超音波検査(エコー)という機械があります。

これは頚動脈に超音波を当てることで、動脈硬化が起きていないかを

画像として見ることができる画期的なシステムです。

 

頚動脈は脳に大量の血液を送っている、負担のかかりやすい血管です。

この血管の状態を知ることで、おおよそ体全体の血管の様子を推測することができます。

また、頚動脈は6〜7mmと太いため、様子を調べやすいともいえます。

 

プラークを血管事故に結びつけないようにするためには、柔らかくて不安定なプラークの表面を安定させ、

血栓を作らないようにすることが大切です。

そのために何をすればいいか?

それは、やはり生活習慣の改善なのです。

 

できて間もないプラークは柔らかく、血管の内側の壁の表面に存在します。

時間が経過し、プラークが大きくなったり、新たなプラークが次々とできるようになったりすると、

次第に血管の壁全体が厚く硬くなっていきます。

動脈硬化の原因となる悪しき生活習慣を改めなければ、血管内壁にはいつまでも不安定で

傷つきやすいプラークが存在し続けることになります。

動脈硬化の対策は、早ければ早いほどよいのです。

 

生活習慣の改善とは、大きく分けて食生活の改善、運動療法、ストレス解消が挙げられます。

近道はありませんが、効果的に進めるテクニックはあります。

 

生活習慣の改善というくらいですから、毎日の積み重ねが大切です。

短距離走ではなく、長距離走のつもりで始めましょう。

「隠れ脳梗塞は自分で治す より」

日時:2015年12月16日 PM 03:13
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