気分というのは、心の持ち方だけで決まらないこともあるのです。
そこで「脳の生化学」からのアプローチが重要になってきます。
脳を最適な栄養状態にすると、気分が向上するだけでなく、元気になるし、
人生を変えるんだという気概も出てきます。
数人のカウンセラーによると、クライアントが脳の栄養状態を改善し、
脳をチューンナップするようにカウンセンリングすると、
芳しい結果が得られることが多いといいます。
脳の生化学という面から見たとき、気分が落ち込み、やる気を失いやすくなるのは、
つぎの三つのケースです。
・血糖値の乱高下
・栄養素の不足(ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、必須脂肪酸)
・トリプトファンやチロシンの不足
第一の要因は、血糖値が安定しないことです。
血糖値を安定させるよい方法は、魚介類や肉類などのタンパク質、玄米、野菜類、海藻類など
食物繊維を多く含んだ食品を食べること、マルチビタミンを摂取することです。
それから、インスリンの働きを助けるクロムは、酵母、ウシのレバー、ジャガイモ、小麦胚芽、
ピーマン、リンゴに多く含まれるので積極的に食べるとよいです。
そして気分を向上させるのに効果的な栄養素として、ナイアシン、B6、葉酸、B12、C、亜鉛、
マグネシウム、必須脂肪酸をあげることができます。
ナイアシン、B6、葉酸は、メタンに相当するメチル基を移動させるメチル化を進める酵素を助けます。
このメチル化は、脳内の重要な伝達物質ドーパミンやノルアドレナリンをつくるのに欠かせません。
ドーパミンは快感を発生させる物質であり、ノルアドレナリンはやる気を発生させる物質ですから、
ナイアシン、B6、葉酸がどれほど大切かは容易に理解できます。
ロンドンにあるキングスカレッジの研究者は、葉酸レベルの低い、あるいはやや低めのうつ患者に
抗うつ薬と葉酸を併用してもらうと、うつからの回復が劇的に早まることを報告しました。
この研究で、うつやその他の心の病に苦しむ患者の3分の1が葉酸不足であることも明らかになりました。
別の研究では、ビタミンCの摂取でうつからの回復が早まることもわかっています。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」