成人男性の場合、体重の約60%が水です。
新生児のとき約80%あった水分比率は、年をとるにつれ50%ぐらいまで落ちていきます。
老人=枯れるというのも、決して文学的な比喩ではないのです。
アンチエイジングのためにも、水分は十分に摂取しなければなりません。
全身に酸素や栄養素、ホルモンなどを運ぶ血液は、半分以上が血漿ですが、
その90%は水分でできています。
水分が不足すると、血液が濃くなって脳梗塞や心筋梗塞の引き金にもなりかねません。
また、血液内の老廃物をクリーニングする働きをしている腎臓も、
その過程で大量の水分を必要としています。
体に十分な水分がなければ、腎臓に過度の負担がかかるのです。
人が1日に必要とする水分は、特に運動などをしなくても約2.5リットルといわれています。
三度の食事によって食べ物から得られる水分が約1リットル、
栄養素をエネルギーに変えるとき体内でつくられる水が約0.3リットルありますから、
口から飲み物として摂取しなければならないのは1.2リットルです。
日本人の多くは水分が2割ほど不足しているようなので、
今よりコップ2杯ぐらい多めに水分をとりましょう。
特に就寝中は、汗をかいて水分が不足しがち。
寝る前と目覚めたときに1杯ずつ水を飲む習慣をつけたいですね。
お茶やアルコールは、純粋な水とはいえない
「ビールを飲んでいるから、水は飲まなくてもいい」と勘違いをしている人は、
さすがに少なくなりました。
でも、お茶やコーヒーが水の変わりになると信じている人は、まだまだいます。
アルコール同様、コーヒーや紅茶、日本茶は、利尿作用があるので、
そのまま水分量としてカウントするわけにはいきません。
飲みすぎた場合は、カテキンやカフェインなどの作用も考慮する必要があります。
ジュースや炭酸飲料は、糖分のとりすぎにつながります。
摂取する水分は、あまり多くの成分を含んでいないほうが、
腎臓や肝臓に負担をかけずにすむのです。
市販の硬水も、ミネラル類を多く含んでいるので、
1日のミネラル摂取量をカウントしながら飲んだほうがいいでしょう。
水道水には、殺菌のための塩素やトリハロメタンという発がん物質が含まれています。
10分以上沸騰させるか、浄水器などで濾過して飲むほうが、より安心です。
また、水分を過剰摂取すると、血液中のナトリウムイオンが低下して「水中毒」になり、
疲労感や頭痛、吐き気、腎機能の低下などが起こるので、注意してください。
「15歳若返る錆びないカラダのつくりかた より」
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ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、
エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、
集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、
末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもビタミンB12はおすすめです。
もうひとつ忘れてはいけないのが、ホモシステイン血症との関わり。
遺伝的なもの以外では、ビタミンB12不足により引き起こされるホモシステイン血症は、
進行すると動脈硬化や心筋梗塞の危険性が高まるといわれています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、
血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
しかしビタミンB12や葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、
その結果、血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞になります。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、
脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや
活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を
除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が
起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。