私たちの体は寝ているときでも、心臓や脳を動かしたり、呼吸をしたり、
体温を調節したりと、生命を維持するためにネルギーを使っています。
それを「基礎代謝」というのは、ご存知でしょう。
一生のうちで基礎代謝量がもっとも多いのは、10代後半。
その後、次第に減少し、50代ではピーク時の80〜90%まで下がります。
さらに、脂肪分解を促進する作用がある成長ホルモンの分泌も、
年をとるにつれ大幅に減っていきます。
中年以降も若いときと同じように食べていたら、どうなってしまうかおわかりですね。
肥満が引き起こす生活習慣病を避けたいなら、10代のころより2割増しで運動するか、
食べる量を2割減らすかしかありません。
運動不足だという自覚がある人は、腹八分目を心がけましょう。
中高年だけでなく、若い人も食べすぎは禁物。
胃に負担がかかるだけでなく、食べ物をエネルギーに変えるときに発生する
フリーラジカルや活性酸素の量が増えるので、細胞の老化が進んでしまうのです。
若いときから、ちょっと控えめぐらいの食事を続けたほうが、老化予防になり、
長生きできます。
ただし、急激なダイエットは栄養不足をもたらし、逆に老化を進行させるので
おすすめできません。
適度なカロリー制限は体と見た目の若さを保つ
老化を防ぎ、寿命を延ばす効果があるとされる「長寿遺伝子」の研究が
盛んに行われています。
生命の長い歴史の中で飢餓対策として進化した遺伝子で、
カロリー摂取の少ない状態が続くと作動し始めるといわれています。
長寿遺伝子については、まだ不明点が多いのですが、
カロリー制限にアンチエイジング効果があることは確認されています。
特に有名なのが、ウィスコンシン大学で行われたアカゲザルの比較実験。
エサをたっぷり与えたグループは、20年間で約半数が糖尿病や心疾患、ガンなどで死亡。
生き残ったサルも体毛が抜けシワだらけでした。
一方、カロリーを30%制限したグループは、80%が生存。
毛はフサフサで肌にはりがあり、脳の萎縮や筋力の低下も少なかったのです。
最近発表されたアメリカ国立老化研究所の研究では、カロリー制限をしても
サルの寿命は延びないという相反する結果になりましたが、健康状態は改善しています。
食事は少し控えめのほうが、病気になりにくく、見た目の若さを保てるのは確かでしょう。
「15歳若返る錆びないカラダのつくりかた より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、
エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、
集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、
末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもビタミンB12はおすすめです。
もうひとつ忘れてはいけないのが、ホモシステイン血症との関わり。
遺伝的なもの以外では、ビタミンB12不足により引き起こされるホモシステイン血症は、
進行すると動脈硬化や心筋梗塞の危険性が高まるといわれています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や
血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
しかしビタミンB12や葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、
その結果、血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞になります。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは
促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす
非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が
起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。