脳梗塞を防ぐためには血管の健康を維持することが最善かつ唯一の方法です。
もしも、MRI検査などにより隠れ脳梗塞が見つかったとしても、落胆する必要はありません。
死滅した脳細胞自体は元に戻せませんが、この段階ではまだそれほど大きなダメージは
受けていないからです。
大切なことはそれ以上の血管事故を起こさないようにすることです。
幸いなことに、血管は一度老化したとしても、若返らせることが可能なのです。
血管内皮は、肌と同様の新陳代謝により、日々新しく生まれ変わっています。
心を入れ替えて生活習慣を改めれば、血管内皮細胞は本来の機能をとり戻し、
動脈硬化を予防し血栓を防ぐことによって、脳梗塞の危険は減少していきます。
循環器を専門とする病院には、頚動脈超音波検査(エコー)という機械があります。
これは頚動脈に超音波を当てることで、動脈硬化が起きていないかを
画像として見ることができる画期的なシステムです。
頚動脈は脳に大量の血液を送っている、負担のかかりやすい血管です。
この血管の状態を知ることで、おおよそ体全体の血管の様子を推測することができます。
また、頚動脈は6〜7mmと太いため、様子を調べやすいともいえます。
プラークを血管事故に結びつけないようにするためには、柔らかくて不安定なプラークの表面を安定させ、
血栓を作らないようにすることが大切です。
そのために何をすればいいか?
それは、やはり生活習慣の改善なのです。
できて間もないプラークは柔らかく、血管の内側の壁の表面に存在します。
時間が経過し、プラークが大きくなったり、新たなプラークが次々とできるようになったりすると、
次第に血管の壁全体が厚く硬くなっていきます。
動脈硬化の原因となる悪しき生活習慣を改めなければ、血管内壁にはいつまでも不安定で
傷つきやすいプラークが存在し続けることになります。
動脈硬化の対策は、早ければ早いほどよいのです。
生活習慣の改善とは、大きく分けて食生活の改善、運動療法、ストレス解消が挙げられます。
近道はありませんが、効果的に進めるテクニックはあります。
生活習慣の改善というくらいですから、毎日の積み重ねが大切です。
短距離走ではなく、長距離走のつもりで始めましょう。
「隠れ脳梗塞は自分で治す より」