ビタミンB12は脳の機能維持にとても重要です。
研究によると60〜69歳までの24%、70〜79歳までの32%、90歳以上の40%のが、ビタミB12が欠乏しているといわれます。これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
ビタミンB12の欠乏は、ボケまたはアルツハイマー病の症状に似たような症状を呈します。血液検査では見つけられないような軽度の欠乏でも、ボケのような神経異常を引き起こします。
この栄養をとれば脳と心が元気になる!
比較的高齢者に足りなくなりがちで、しかも脳の機能に重要な役割を果たし、
さらに補給が欠乏しやすいビタミンについて。
≪ビタミンB12が不足すると記憶障害を起こす≫
ビタミンB12は、以前は貧血を治すビタミンとしてしられていました。
これが不足すると悪性貧血という病気になります。
かつて、知人が胃ガンの手術をうけ、胃を摘出しました。
幸い再発もなく、経過は順調でしたが、徐々に記憶の障害など
脳の機能に問題が出てきました。
そこで主治医に、
「これはビタミンB12の欠乏の症状ではないか。
むかしはビタミンB12は貧血のビタミンといわれていたが、
いまは脳の機能にとって欠かせないビタミンといわれている」
と話しました。
医師はすぐにビタミンB12を注射し始めました。
するとしだいに記憶などもよくなり、
普通の生活を送ることができるようになりました。
ビタミンB12は口から入った場合には、そのままの形では腸で吸収されません。
吸収の際には胃から分泌された内因子という因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人は、ビタミンB12が欠乏して貧血を起こすのです。
一般にビタミンB類は、1つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、
B類のビタミンB12、B6、葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
現在60歳以上の高齢者の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
≪血栓を防ぎ脳の機能を維持するビタミンB12≫
さて、もう一つビタミンB類が関係する病気があります。
それはホモシステインという物質による血栓です。
ホモシステインは食べ物の中のメチオニンというアミノ酸からできます。
もしビタミンB群のビタミンB12や葉酸があれば、これは分解されます。
しかしビタミンB12や葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、
その結果、血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞になります。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、
血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞になるのです。
さらにビタミンB12は脳の機能維持にとても重要です。
研究によると60〜69歳までの24%、70〜79歳までの32%、
90歳以上の40%のが、ビタミB12が欠乏しているといわれます。
コロンビア大学のリンデンバウム教授は、
「ビタミンB12の欠乏は長い間かかって、ゆっくりと進行する。
そして奇妙なことに脳と神経系だけがおかされることがしばしばある」
と言っています。
ビタミンB12の欠乏は、ボケまたはアルツハイマー病の症状に似たような症状を呈します。
血液検査では見つけられないような軽度の欠乏でも、ボケのような神経異常を引き起こします。
高齢者ではビタミンB12の値が正常値の中に入っていても、
低いほうの境界に近い場合には記憶障害を起こすことが知られています。
また別の研究では神経に異常を訴える場合の28%がビタミンB12の欠乏が原因
だということがわかりました。
この場合には貧血などの症状はありませんでしたが、
患者はボケや平衡感覚、精神状態の異常を訴えています。
重要なことは血液検査でビタミンB12の欠乏を見つけることは困難だということです。
そのために多くの人はビタミンB12は正常だと判断されてしまいます。
異常が見つかったらなるべく早く治療し、ビタミンB12を投与することが大切です。
「ボケない人になる23の方法 より」