毎日の食べ物が高齢者の健康寿命を大きく左右します。
元気老人を目指して、ぜひ食生活を一度見直してみてください。
そのヒントとして、東京都健康長寿医療センター研究所ではこれまでの膨大な
疫学調査の結果に基づいて、「老化予防を目指した食生活指針」をまとめました。
これは、日本の元気老人の食生活の秘訣を14項目に凝縮したものです。
日本人の高齢者(調査)による日本人の高齢者のための食生活指針といってよいでしょう。
【老化予防を目指した食生活指針】
1 食事は1日に3回バランスよくとり、食事は絶対に抜かない。
2 動物性タンパク質を十分にとる
3 魚と肉は1対1の割合でとり、魚に偏らないようにする
4 肉は、さまざまな種類や部位を食べるようにする
5 油脂類の摂取が不足しないように注意する
6 牛乳は毎日200ミリリットル(1本)以上飲む
7 野菜は、緑黄色野菜や根菜類など、たくさんの種類を食べ、火を通して調理し、摂取量を増やす
8 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯を残す
9 調味料を上手に使い、おいしく食べる
10 食材の調理法や保存法を覚える
11 和風、洋風、中華など、さまざまな料理をつくるようにする
12 家族や友人と会食する機会を増やす
13 かむ力を維持するため、義歯の点検を定期的に受ける
14 健康情報を積極的に取り入れる
実際に、この食生活指針に基づいて、高齢者用集合住宅に入居している高齢者や
東北地方のある自治体に住む高齢者を対象に食生活の指導を実施したところ、
対象者の血液中のアルブミン、ヘモグロビンの値が改善し、体力が向上。
健康寿命が延びるという効果が得られました。
50代、60代の比較的若い人はもちろん、70代以上の高齢者にとっても、
ふだんの食事に注意を払うことで十分に低栄養状態が払拭でき、
元気老人になることが可能なのです。
項目が多いので、一度に実現するのは難しいかもしれません。
少しずつでもいいですから習慣化していただきたいと思います。
「50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」