明るかった母から表情と言葉が消えた
「最近、何だか元気がないみたい」-私が、80歳の母の異変に気づいたのは、いまから2年前のことです。
明るい性格だった母が、あまり話もせず、自室にこもりがちになったからです。ただ、身のまわりのことは、きちんとできるし、話をしても変なところはありません。だから「少し疲れているのかしら」くらいに思って、そっとしておきました。
ところが、そのうち明らかに様子がおかしくなってきたのです。目はうつろになって表情がなくなり、仮面をかぶっているような顔になりました。
日がな一日ボーッとテレビを見ていて、夕方暗くなっても、電気もつけません。ときには、一日中寝ていることもあり、自分から進んで何かをしようとする意欲が、全然感じられなくなってしまいました。
話しかけても、私を見る目の焦点さえ合っておらず、まるで会話になりません。私は「ひょっとしたらボケたのかも」と不安になりました。
病院に連れて行くと「多発性脳梗塞」と診断されました。小さな脳梗塞がたくさんできる病気で、脳梗塞の発作のあとに認知症状が現れてくることもあるそうです。
私は、なんとか母に元気になってもらおうと、こまめに外へ連れ出したり、根気よく話しかけたりするなど、多くの刺激を与えることを心がけました。しかし、母の様子は相変わらずでした。
去年の春、桜の花を見に行ったときも、まったく興味を示してくれませんでした。以前なら大喜びしたはずなのにと、悲しい気持ちになりました。
そんなとき、やはり親の介護をしている知人が教えてくれたのが「脳ビタミン食品」です。脳ビタミン食品とは、ビタミンB12が豊富に含まれている健康食品のことで、脳の血流をよくしたり、神経の働きを高めたりするそうです。
認知症にもいいというので、半信半疑ながら母に飲ませてみることにしました。これが去年の九月のことです。
脳ビタミン食品はサラサラした白い顆粒です。私は母に、これを毎日朝晩の食事のあとに一包ずつ、水で飲むようにすすめました。
私自身も、何か良い変化があることを楽しみに、朝食後に一包飲むことにしました。
私は睡眠薬がやめられた
脳ビタミン食品を飲み始めてから一ヶ月ほどは、なんの変化もなく過ぎていきました。変化が訪れたのは、二ヶ月ほど飲んだあとのことです。ずっと自室にこもっていた母が、自発的に部屋から出てきて、私に話しかけてくれたのです。
声の調子はしっかりしているし、目もちゃんと私を見ています。最初は驚き、そして、喜びがこみ上げてきました。「母が元に戻った」と感じたのです。
それからの母は、日に日に、表情がイキイキしてきました。三ヶ月ほどたったころには、目に光が宿り、驚くほどよくしゃべるようになったのです。
活動的にもなり、出かけず話さず、部屋に閉じこもっていたころとは、まるで別人です。以前の明るく元気な母がよみがえったのです。
脳ビタミン食品が、こんなに効果があるとは思いませんでした。母がときどきお世話になっている介護ケアセンターでも「昨年より、ずっとよくなっていますね。」と驚かれましたし、母自身も「飲むと頭がハッキリする」といい、積極的に脳ビタミン食品を飲んでいます。
脳ビタミン食品は、体の回復にもいいようです。というのも去年十一月、早朝に散歩に出た母は、背骨を圧迫骨折して入院したのです。高齢なので、もしかしたらこのまま寝たきりになってしまうかも、と私はひそかに危惧しました。
ところが実際にはその逆で、母は遺志が驚くほどの早い回復ぶりを見せ、今年の三月には自分の足で歩いて退院しました。それだけではありません。以前、母が入院したときは、一時的に意識の混乱を起こしたり、同室の患者さんとうまくやれず、勝手に個室に移ったりしていました。しかし、今回は、同室の人とも仲良くしていたのです。
いま思えば、母は老人性うつだったような気がします。うつ状態が深刻化する前に、脳ビタミン食品を飲むことができて、よかったと思っています。
余談ですが、入院中に一度、医師から脳ビタミン食品を取り上げられたことがあります。多発性脳梗塞の母は、飲む薬も多いので、医師が心配したのでしょう。
ところが数日後、「飲んでもいいですよ」とその医師が返してくれました。この一件で、私は脳ビタミン食品をますます信頼するようになりました。
また、私は介護疲れなどからここ何年もの間、ずっと睡眠薬が手放せない状態でした。それが脳ビタミン食品を飲むようになってから、よく眠れるようになったのです。
おかげで、五ヶ月目から睡眠薬をへらすことができ、七ヶ月たついまは、薬なしで眠りにつけます。脳ビタミン食品は、母にとっても、欠かすことのできないものです。
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