脂質は、脳の神経細胞をはじめ全身の細胞の細胞膜や、DNAをつくる際に必要とされる材料です。ダメージを負った細胞を修復するときにも使われます。
ですから、摂りすぎにも問題がありますが、摂取量を減らしすぎることにも問題があります。
日々の食生活の中で適度な摂取量を維持しながら、身体によい脂質とあまりよくない脂質のバランスを、よいほうに傾けることが重要となります。
また、認知症をはじめとする生活習慣病を予防するには、高齢であればあるほど良質なタンパク質の摂取が必要となります。
【食事認トレ3】「おかずは魚優先」で脂質バランスを改善
■脂質は摂取量を減らしすぎてもダメ
脂質(脂肪)の中には認知症や各種の生活習慣病を防ぐものと、
発症を促進するものとが混在しています。
脂質は、脳の神経細胞をはじめ全身の細胞の細胞膜や、
DNAをつくる際に必要とされる材料です。
ダメージを負った細胞を修復するときにも使われます。
ですから、摂りすぎにも問題がありますが、
摂取量を減らしすぎることにも問題があります。
日々の食生活の中で適度な摂取量を維持しながら、
身体によい脂質とあまりよくない脂質のバランスを、
よいほうに傾けることが重要となります。
そこで着目したいのが、食事の際の主菜(おかず)の選択です。
認知症をはじめとする生活習慣病を予防するには、
高齢であればあるほど良質なタンパク質の摂取が必要となります。
そのため、1日1パックは食べてほしい納豆による植物性タンパク質のほかにも、
主菜で肉や魚を適度に食べて、動物性タンパク質を補給することが求められます。
■DHAやEPAをたくさん摂取できるのは魚
このとき、肉か魚かどちらかを選ぶとするならば、
できるだけ魚を選ぶようにすると脂質バランスを改善できます。
というのは、牛や豚、鶏などの肉には、認知症をはじめとする
各種の生活習慣病を引き寄せやすい「飽和脂肪酸」という種類の脂質が
多く含まれているからです(もちろんササミなどの例外もあります)。
それに対し、魚に含まれる油にはDHAやEPAなど病気の予防効果が高い
ω-3系脂肪酸が多く含まれています。
DHAことドコサヘキサエン酸は、脳や神経細胞の発育や機能維持に
不可欠な成分であり、たくさん摂ることで神経細胞がよりスムーズに
情報伝達を行える効果があると考えられています。
また、精神状態を安定させ、記憶力を挙げる効果もあると期待されるなど、
認知症を予防したり、軽度認知障害から回復したりするためには、
ぜひとも摂りたい栄養素と言えます。
またEPAことエイコサペンタエン酸については、
動脈硬化や心臓病の強い予防効果があるとほぼ証明されており、
血管の状態を改善して、認知症や各種生活習慣病を予防する効果が見込めます。
ずっと魚では飽きてしまいますので、決して毎食でなくともかまわないのですが、
主菜を肉と魚のどちらにしようか迷ったときには極力魚のほうを選ぶことで、
動物性のタンパク質をしっかりと補給しながら、
脂質のバランスの改善も図れるというわけです。
必然的に魚を食べる機会が多くなる和食は、こうした意味でも、
お勧めの食事スタイルと言えるでしょう。
「認知症予防トレーニング「認トレ」一生ボケない!38の方法 より」