国立循環器病センターの調査によると、脳梗塞に限っては
夏のほうが多いことがわかっています。
そのおもな原因は、脱水症状です。
夏に多い脳梗塞は、脳の血管そのものが狭くなったり、
血栓ができたりすることで引き起こされる脳血栓症です。
脳血栓症は、脱水症状が引き金となって急に発症します。
高齢者に限らず、30〜50歳代の比較的若い世代でも、
発作におそわれて倒れることがあるので注意が必要です。
◆◆ 夏の脳梗塞予防は、上手な水分補給で ◆◆
■ 脳梗塞は夏に多い!
脳梗塞は夏に多いということを、ご存知でしょうか。
従来、脳梗塞や脳出血などは、血圧が上昇しやすい冬に多い
として知られていました。
ところが国立循環器病センターの調査によると、脳梗塞に限っては
夏のほうが多いことがわかっています。
そのおもな原因は、脱水症状です。
夏は、気付かないうちに体内の水分が不足がちになるため、
血液の流れが悪化し、血管が詰まりやすくなるのです。
夏に多い脳梗塞は、脳の血管そのものが狭くなったり、
血栓ができたりすることで引き起こされる脳血栓症です。
脳血栓症は、普段健康そうにみえていても、
脱水症状が引き金となって急に発症します。
高齢者に限らず、30〜50歳代の比較的若い世代でも、
発作におそわれて倒れることがあるので注意が必要です。
■ 根底には動脈硬化が
脳梗塞は、多くの場合、その根底には動脈硬化(血管の老化)があります。
加齢とともに、だれでも動脈硬化が起こりますが、それを促進するのが
肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病です。
こうした病気、その予備段階の人は、脳梗塞のリスクが高いだけに、
夏には水分補給を十分に心がける必要があります。
とくに注意したいのは血圧が高めの人です。
脳の細い動脈は影響を受けやすく、血管壁が厚くなると血流が悪化し、
詰まりやすくなります。
そこに脱水症状が加わることで、血栓ができるリスクが急激に高くなります。
■ 睡眠の前後にも水分補給を
もう一つ大切なことは、睡眠の前後に上手に水分補給を行うことです。
熱帯夜ともなると、大汗をかくことも珍しくありません。
眠っているときは、一般に血圧が低下するため、血液の流れが遅くなり、
血栓ができやすい状態になります。
さらに起床する前後からは、血圧が上昇すると同時に、
アドレナリンが分泌されることで、血液が固まりやすくなります。
よって、夏の脳梗塞は睡眠中から起床後の時間帯にかけて、
発症のリスクが高くなります。
予防のために、まず寝る前に水を1杯飲むようにしましょう。
また、朝起きたときに水を1杯飲むことも、夏の脳梗塞予防につながります。
とくに血圧が高めの人や、動脈硬化の疑いがある人は、
睡眠前後の水分補給をぜひ心がけて下さい。