1日3食規則正しく食事をとることは、
生活リズムを刻む原動力となり食事の効果を高め、
健康と深くかかわっています。
しかし、朝食を欠食すると1日の生活リズムが乱れる
と同時に、血糖値の低下から空腹感が増します。
そのため、昼食や夕食を多くとってしまうと、
急激に血糖値が上昇し、これを脂肪に変えるため、
肥満につながります。
◆◆ 「いつ」食べるのがよいのか? 時間栄養学とは ◆◆
生物を取り巻く明暗、気温などの環境は、約24時間の周期で変動しています。
これに伴い生体機能には昼夜の日内リズム(サーカディアンリズム)が備わっています。
生物が自律的なリズムを持つことは、次にくる状態を予測し、
それに対しての準備を可能にしています。
一方、食生活のリズムは、栄養素の消化・吸収やその代謝にかかわる
酵素の働きなどにリズムを作ります。
たとえば、小腸の二糖類分解酵素は食物を摂取して酵素活性が上昇するのではなく、
毎日同じ時刻に食事を摂取するうちに食事時刻になると高くなり、
食事を受け入れる準備をしています。
つまり、1日3食規則正しく食事をとることは、生活リズムを刻む原動力となり
食事の効果を高めることになり、健康と深くかかわっています。
また、人は昼間に活動し、夜間には眠るという1日のリズムを基本としていますが、
中には夜遅い食事のため朝食欠食者が多くいます。
朝食を欠食すると1日の生活リズムが乱れると同時に、
血糖値の低下から空腹感が増します。
そのため、昼食や夕食を多くとり急激に血糖値が上昇しますが、
これを脂肪に変えるため肥満が起きることになります。
肥満患者に見られる夜食症候群は摂食リズムが欠如している例です。
さらに、食事回数については、1日2回食べた場合と、
同じエネルギー量を3回、4回に分けて食べた場合では、
食事回数が少ないほど1回に食べる食事量が多くなり、
体脂肪量の増加につながります。
このように、日内リズムと食生活のリズムは密接にかかわっているのです。
「栄養の教科書 より」