脳と神経の複雑な機能は、神経細胞(ニューロン)の働きによるものです。
千数百億個もあるというニューロンが織り成すネットワークの中で、
さまざまな神経伝達物質が情報の受け渡しを行っています。
そのうち、特に私たちの精神状態に大きくかかわっているのが、
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンです。
ドーパミンは快感をつかさどる神経伝達物質で、
これが分泌されると、心身ともにハイな状態になります。
ノルアドレナリンは危険や不快を感じたとき分泌され、
意欲や不安、怒りや恐怖と関係しています。
一方、そんな二つの興奮性物質をコントロールし、
精神を安定させてくれるのが、セロトニン。
「癒やしのホルモン」とも呼ばれる抑制性の神経伝達物質です。
慢性的にストレスを受けていると、脳内のセロトニンが減少したり、
活用されないままで捨てられてしまうようになります。
昼夜逆転した生活や運動不足も、セロトニンの大敵。
そうしてセロトニン不足が続けば、キレやすくなったり、
うつ病になるリスクが高まったり……。
また、セロトニンは、睡眠ホルモンのメラトニンの原料でもあるため、
不眠症を引き起こす恐れもあります。
思い当たる人は、下記に紹介した方法で積極的にセロトニンを増やしましょう。
セロトニンを増やす簡単&効果的な方法
セロトニンは、次のような方法で意外と簡単に増やすことができます。
・日光を浴びる
網膜から入った光が、脳のセロトニン神経系を活性化します。
・リズム運動
一定のリズムで体を動かすものなら、ウォーキング、サイクリング、
ダンス、肩の上げ下げなど、なんでもOK。
・ガムを噛む
咀嚼もリズム運動の一つ、脳に刺激を与えます。
・腹式呼吸
ストレスを感じると、浅くて速い腹式呼吸になりがち、
ゆっくりした腹式呼吸に切り替え、心を静めましょう。
腹筋を意識し、5〜8秒かけて鼻から息を吸い、
その1.5〜2倍かけて口から息を吐き切るのがコツ。
・スキンシップ
家族やペットなどとの触れ合いでセロトニン分泌が増えるという報告があります。
・トリプトファンをとる
セロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンやビタミンB6が不足しないよう気をつけて。
トリプトファンは、赤身の魚や肉、乳製品、大豆製品、ナッツなどに多く含まれています。
「15歳若返る錆ないカラダのつくりかた より」