もっとも大切なのは水。
皆さんは、五大栄養素だけでなく、次々に解明される食品の機能性成分に気をとられて、
水の重要性を忘れてはいないでしょうか。
生き物にとって最もたいせつなのは水。
人間の体の約60%は水分です。
これは血液やさまざまな代謝に必要な体液のもとになり、発汗などで熱を逃がし、
体温調節の役割もします。
1日の水分摂取量は食物から1リットル、飲料水から1.2リットル。加えて体内でつくられる
代謝水で0.3リットルと合計2.5リットルにもなります。
ことに夏場は、脱水症にならぬように、水分補給に勤めることがたいせつです。
食事量が少ないと、食物からの水分が不足するので脱水し、しかも高齢になると
本人ものどの渇きを自覚しにくいため、気づかずに弱って危険になることもあります。
脱水すると、血液がドロドロになって、知らぬ間に小さな脳梗塞が複数できていることが
あります。
これらが認知症の原因になるともいわれています。
排泄の世話をかけるのを遠慮し、夕方から水分を取らないようにしているという話も
聞きます。
周囲の気づかいで高齢者の水分不足を防いでください。
血液は、食生活や不規則な生活、喫煙、ストレスなどによって流れにくくなります。
血管に合わせて自在に変形できる赤血球が、膜がかたくなって変形しにくくなったり、
白血球が粘着しやすくなったりして流れが悪くなってしまうのです。
これがいわゆる“ドロドロ血液”です。
一時的な場合は、悪い要因を改善すればすぐにサラサラに戻るのですが、
慢性的になると、簡単には戻りません。
根気よく食事や生活の改善を続ける必要があります。
さらに、水分が不足しがちで、暑さによるストレスを感じやすい真夏は特に血液が
ドロドロになります。
体のすみずみまで血液が気持ちよく流れることが元気の秘訣。
血液をサラサラに保って猛暑を乗りきりましょう。
「栄養と料理 より」
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を
防ぐことができるのです。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると
急に増加するといわれています。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって
血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が
徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、
段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから
脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが
大切なのです。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは
促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす
非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く
摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が
起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。