◎「ドロドロ」VS「サラサラ」の勝者は
血液は枝分かれするたびに細くなり、ついには毛細血管に到達します。
このとき、血液がドロドロだったら、毛細血管を通過することはできません。
そうなると、栄養補給も老廃物の除去も夢物語に終わり、体じゅうが酸欠状態となるか、
栄養失調で死亡という事態もありえます。
それなら、血液サラサラがいちばんいいのかといえば、これも困ります。
もし、血液が水のようにサラサラだったら、どうなるのでしょうか。
血管内の抵抗がなくなるため、血圧が大きく下がり、大抵血圧が発生します。
歩いている人は全員、フラフラ歩きになり、なかには倒れる人も出るでしょう。
脳は記憶力が低下して、思考も困難になります。
なにより困るのは、大貧血が発生することです。
血液が水のようにサラサラになると、浸透圧によって赤血球が水でふくらみ、
ついには破裂します。
赤血球が全滅すると、酸欠が起きて疲労感でいっぱいになります。
◎水分補給と熟睡が適度な血液濃度を保つ
物事には程度があります。
ドロドロの度が過ぎても困るし、水のようにサラサラすぎても困るのです。
つまり、血液には適度な粘り気(粘稠度)が必要なのです。
人間の場合、粘稠度は、朝と晩で変わります。
重症閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さんと健康な人たちとを比較したところ、
重症閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さんの方が、朝、晩ともに粘稠度が高かったと
報告されています。
一般的に、朝方の粘稠度は夕方より高いとの報告もあります。
でから、朝起きたら、必ずコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
適度な粘稠度を保つには、脱水は最大の敵です。
循環がもっとも喜ぶ粘稠度にするには、
1. 水分補給
2. 熟睡
の2点を心がけてください。
「詰まらない破れない 血管を強くする本 より」
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことが
できるのです。
隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると
急に増加するといわれています。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによっ
て血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、
脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、
段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、
ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、
脳の健康を守ることが大切です。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは
促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす
非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く
摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために
必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が
起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。