隠れ脳梗塞が脳梗塞になるしくみは、脳細胞を水田にたとえるとよくわかります。
脳梗塞は、水路(血管)が狭くなったり遮断されたりして、水(血液)が水田(脳細胞)に
流れ込んでこなくなった状態です。
ですから、水田は完全に干上がって稲も育ちません。
一方、隠れ脳梗塞は、水路に草や小石などがたまり、水田に流れ込む水の流れが
悪くなっている状態です。
この場合、水田にはわずかながらも水が供給されており、弱々しいながらも稲は育ちます。
ただし、ほうっておけばいつかは干上がってしまうでしょう。
このように、完全に水路が干上がってしまうと、水田を元の状態に戻すことは、
ひじょうに困難ですが、水路の流れが悪くなっている状態ならば、
水田を再生することは可能です。
問題は、隠れ脳梗塞を放置しておくことで重大な事態が引き起こされるからです。
まず第一に、小さな梗塞をくり返すうち、大きな血管までもが詰まり、
半身マヒや言語障害、意識障害などの強い障害を残すような大きな脳梗塞を
招くおそれがあるのです。
さらに、小さな梗塞が脳のあちこちに発生すると、次第に広範囲に脳の萎縮がおよび、
全体的な機能障害に結びついてしまうおそれがあります。
つまり、手足の運動がうまくコントロールできなくなって歩行障害やボケなどを
引き起こしてしまうのです。
血流が途絶えてしまった付近の細胞は死滅します。
しかし、細胞が死滅した範囲が最小限であれば、血流をよくして疲弊したり
傷ついたりした周辺細胞を活性化することで、死滅した細胞のぶんまで
機能回復してくれるようになってきます。
つまり、同じ脳梗塞でも、初期の隠れ脳梗塞であれば改善でき、
本格的な脳梗塞に至るのを防ぐことができます。
くり返し強調しますが、できるだけ早い段階で、隠れ脳梗塞をチェックし、発見し、
大事に至る前にその萌芽を摘み取っておくことで、将来の認知症や麻痺の防止に
つながるのです。
「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を
防ぐことができるのです。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、
40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって
血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、
脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、
段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、
ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、
脳の健康を守ることが大切なのです。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは
促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす
非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く
摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が
起こりやすくなります。
脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。